もし日常生活の動作を少し意識するだけで、身体機能だけでなく内臓機能や精神状態までも調子よくする方法があるとしたら? 今回は日常を「正しい動作」で過ごすことで、日々知らぬ間にカラダを鍛錬するコツを伝授します!
みなさんは、自分の身体にあるツボを活用していますか?
ツボなんて意識したことがないという方でも、実は自然と取り入れているもの。例えば、頭痛になったらこめかみを押す。手が疲れてきたらヒジの横側を押す。歩きつかれた日には、家に帰って土踏まずを押しているという人もいるかもしれません。八神流体術第15代宗家・利根川幸夫さんはこう言っています。
日常生活自体を鍛錬とするためには、ツボの活用ほど好適なものはありません。
『秘伝式からだ改造(バージョンアップ)術』、BABジャパン、2009、148ページ
それでは、日常生活で無理なく取り入れられるツボ活用法をご紹介しましょう。
■ 正しく歩くことで健康になる普段から正しく歩くことを心がけていると、ツボの循環ルートを活性化させ、健康にも非常によい結果をもたらします。正しく歩くポイントを3つ紹介します。
- ヒザを高く持ち上げずカカトから前に出す。
- カカトのやや内側より着地する。
- 足親指付け根へ体重移動をして、直線的に蹴りだす。
前述の利根川さんによると、
カカトから足の内側を直線的に接地させていく。この運用は、安定を維持しヒザを保護すると同時に、すばやい動きを可能とする。
『秘伝式からだ改造(バージョンアップ)術』、BABジャパン、2009、151ページ
とのことです。
■ 角を曲がるときに意識をして健康になる角を曲がるときには、支点となる側の内側の筋肉を締めて足裏の「湧泉」でまわります。
『秘伝式からだ改造(バージョンアップ)術』、BABジャパン、2009、151ページ
湧泉は、生命エネルギーである「気」が、泉のように湧いてくるツボ。体力、気力の回復に、大いに威力を発揮します。(中略)神経のバランスを整え、全身の決行を浴するので、だるさや気分の高ぶりを解消し、不眠・冷え・のぼせなど幅広い症状を速やかに改善してくれます。
佐藤一美、『本当に効く「ツボ」が正しく押せる本』、マキノ出版、39ページ
「湧泉」というツボは広い範囲に効果があるので、曲がるときに「湧泉」を刺激する曲がり方をマスターしたいですね。
■ デスクワークで筋肉を休ませて健康になる特にデスクワークの人などは、1日の多くの時間を椅子に座っています。長時間椅子に座るときに楽なうえ、筋肉を疲れさせない座り方のポイントを、桜ヶ丘整体院・院長の松原秀樹さんはこう言います。
腰掛ける場合は、骨盤を前に倒して、重心が下腹にくるようにすることが大事です。そして胸郭(きょうかく)を気持ち上げるようにします。すると腰椎が前弯(ぜんわん)して、脊椎(せきつい)全体が理想的な形になります。
『秘伝式からだ改造(バージョンアップ)術』、BABジャパン、2009、111ページ
座っているうちに、つい猫背気味になってしまう方も多いかもしれません。実は背筋を伸ばしたほうが長時間疲れずに済むようです。
■手の指の動きを意識して健康になる手のひらや指、足裏が全身の内臓と繋がっていると聞いたことはありませんか。手指の働きについて、流派で少しずつ対応関係が違っているようですが、今回は邱淑恵(キュー・スーエ)さんのホームページ・ツボ道場を参考にしました。
各指と内臓は次のような対応関係にあるといいます。
- 親指 → 肝臓
- 人差し指 → 小腸
- 中指 → 胃・心臓
- 薬指 → 肺
- 小指 → 腎臓
指と内臓の対応を利用することで、簡単な方法が考えられます。例えば、電車内でつり革を持つとき、中指・薬指・小指の3本で掴まると心臓・肺・肝臓の働きを高めることができそうです。
いかがですか? 毎日行う行動も意識を変えると身体だけでなく精神的にも落ち着いてきます。カラダひとつですぐ実践できる、こんな健康法はいかがでしょうか?
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【参考】
秘伝式からだ改造(バージョンアップ)術―身体の達人たちが教える身体OS最適化の極意
(大山奏)