先日、6月16日(土)に「平成24年度 第1回 日本語検定」が実施されました。日本語検定って、日本語を勉強している外国人の方が受ける検定じゃないの?と思われる方もいるかもしれません。
日本語を母語としない人の日本語能力を測定し、認定する試験は「日本語能力試験」。
それに対して、「日本語を使うすべての人」のために、5年前の2007年から始まったのが、日本語検定委員会が運営している「日本語検定」です。
日本語検定の問題は、「敬語」「文法」「語彙」「言葉の意味」「表記」「漢字」の6分野を網羅しており、日本語の総合力を測定することができます。最近では、800社以上が新入社員研修をはじめとする各種研修の一環として日本語検定を採用するなど、ビジネスの場でも活用されているようです。
日本語検定のレベルは7級から1級まで。ビジネスシーンで求められるのは、2級レベルと言われています。今回は、先日行われたばかりの2級の問題をいくつか紹介します。
1. 敬語
(2)以下の【 】のようなとき、どのように言うのがよいか、選んでください。【取引先への電話で、自分の上役の言づてを伝えて】
課長の山田が、近日中に御社にお( )たいと申しております。
※敬語を使って「行きたい」ということを言う
【会議に際して、部長が部下に】
a)田中さんがお見えになったので、会議室にご案内してください。
b)田中さんが見えられたので、会議室に案内してください。
c)田中さんがお見えになられたので、会議室にご案内してください。
2. 漢字
独裁政権による反対派の徹底的な粛正により、大勢の人が獄につながれた。
3. 語彙
行「」流水
- 一人が行「」流水のごとく自分勝手に動くことで、チーム全体の雰囲気が悪くなる。
- たいていの人は、世界各地を旅する、行「」流水のごとき生活を夢見たことがあるだろう。
(2)【 】の中の言葉に対して、意味の最も類似した語(類義語)を選んでください。【夭折】
1. 非命 2. 頓死 3. 瞑目 4. 早世
いかがでしたか? 何問くらい解けたでしょうか。2級の合格基準はなんと80%です。しかも、問題数は100問以上。それを60分以内に解かなければなりません。普段から本や新聞をよく読んでいる人でも、まったく勉強せずに受験するのは、少し難しいレベルと言えるかもしれません。
次回の日本語検定は11月10日(土)です(申込は8月1日受付開始)。正しい日本語のコミュニケ―ションを行うために、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
1(1):伺いし(邪魔し)
(2) :a)田中さんがお見えになったので、会議室にご案内してください。
2:粛正→ 粛清(しゅくせい)
3(1):雲/2 ※行雲流水(こううんりゅうすい)
(2):4 ※早世(そうせい)は、夭折(ようせつ)とともに「早く世を去る」の意
(尾越まり恵)