たとえば、フォルダにPDFを入れると自動的にKindleに転送されたら超便利ですよね? インポートした写真のサイズが自動的に縮小されるとしたらどうでしょう? もしPDFに自動で署名できるとしたら...?

これらのことはすべて「Wappwolf」というツールをDropboxやGoogle Driveと連携させることで実現可能です。それではどうやって実装するのか、以下で見ていきましょう。

 ■Wappwolfのしくみ

Wappwolfは、DropboxやGoogle Driveのフォルダの中を監視し、指定したタイプのファイルが存在していたら特定の処理を実行します。例えば、Dropbox/Google Driveの「New Photos」というフォルダに新しいJPEGファイルがインポートされると、Wappwolfはそれを感知して自動的にファイルサイズを縮小したり、テキストを追加したりしてくれます。処理が完了するとDropbox/Google Driveの中に「processed」というフォルダが作られ、処理済みのファイルがその中に保存されます。

そのほかにもありとあらゆる処理を自動実行させることができます。この記事では、最初のセットアップ方法と、サンプルアクションの作成、それから筆者オススメの自動処理をいくつかご紹介していきます。

■アクションを作成する

1. サインアップする

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まずサインアップが必要です。wappwolf.comに行って自分のDropboxかGoogle Driveのアカウントでサインインします。フルアクセスを許可するのが心配なら、特定のフォルダだけアクセス許可を与えることも可能。サインアップがうまくいかない場合は、DropboxGoogle Driveそれぞれのヘルプをチェックしてください。サインアップに成功すると、画像ファイルを縮小してテキストを追加するサンプルアクションが作成されています。


2. フィルダを選択する

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アクション未作成の状態でWappwolfにサインインすると、フォルダ選択のステップに進みます。Dropbox/Google Driveのすべてのフォルダが表示されているはずですので、そのどれかを選択するかフォルダ名をクリックしてフィルダの下の階層へ移動しましょう。フォルダを決めたら、フォルダ名の隣にあるラジオボタンをクリックして、ページ下にある「Next」ボタンをクリックしてください。


3. アクションを選ぶ

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フォルダを選択すると、ファイルタイプ別に実行可能なアクションのリストが表示されます。まず、どのファイルタイプに対して処理を実行するか決めてください。好きなファイルタイプを選べますが、ここでは練習としてドキュメント形式のアクションを設定してみましょう。フォルダに入れてあるドキュメントをPDFに変換してみます。「Convert it to PDF」の隣にあるラジオボタンをクリックしてください。すると、サポートされているファイル形式の長いリストが表示されるはずです。

そして、どのファイル形式がサポートされているかをよく確かめてください。たとえば、一般的に普及しているWordファイルなどはサポートされていますが、マイナーなAppleのPagesファイルなどはサポートされていません。サポートされていないファイルをフォルダに入れても変換はされません。ファイルタイプを確認できたら、リストの下の方にある「Add Action」ボタンをクリックします。

アクションを追加して、画面の一番上にある「finished?」ボタンをクリックすれば完了です。続いて別のアクションを追加することもできます。例えば、ドキュメントをPDFに変換したあとにオリジナルファイルを削除するように設定可能。Choose an actionの画面下の方にある「Advanced」セクションでこのオプションを追加できます。

どのファイルセクションにおいても、暗号化をしたりBoxやSkyDriveなどほかの共有サービスへのアップロードしたり、BasecampのプロジェクトへPDFを追加したりするなど様々なオプションを追加できますが、ここでは単純にPDFへの変換だけにしておきます。


4. フォルダにドキュメントを入れる

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アクション追加に成功したら、Wappwolfのメインアカウントページに現在有効なアクションとして表示されているはずです。早速テストをしてみましょう。Dropbox/Google Driveの指定したフォルダにドキュメントファイルを入れてみてください。Dropbox/Google Driveがファイルを同期するまでしばらく待ちましょう。同期が終わったらWappwolfがファイルをPDF変換を開始します。processedフォルダが出現して、その中にオリジナルのファイルが移動しているはずです。最初はオリジナルファイルが削除されてしまったように感じるかもしれませんが、移動しただけですので心配不要。しばらくすると、テキストを含んだPDFファイルが指定したフォルダに作成されます。この処理はすぐに行われるわけではなく数分程度かかりますので、完了するまで待ちましょう。


■オススメ! 5つのアクション

Wappwolfには無数のアクションが用意されていますが、絶対オススメなアクションが5つありますので、ご紹介しておきます。

1. オーディオファイルを別の形式に変換する

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筆者がWappwolfの機能の中で一番のお気に入りは「オーディオ変換」です。オーディオファイルの変換は決して難しいものではありませんが、設定に手間がかかったりしますよね。Wappwolfならフォルダにオーディオファイルを入れておくだけで簡単にできます。MP3/AIFF/FLAC/M4A/OGG/WAV/WMAなどが対応。

変換に関する各種設定はWappwolfにおまかせでもいいですし、「Advanced Settings」リンクをクリックしてビットレートや周波数、チャネル数、その他の詳細設定を行うこともできます。このアクションは、ロスレスファイルからMP3などへの変換をするときにとても役立ちます。何十個ものオーディオファイルを自動変換できるのは便利ですよね。もちろん、あなたがPCの前から離れている間にも自動処理が実行されますので、終わるまでほっておけばOK。オンラインでシェアするのも簡単です。


2. Kindleにファイルを送る

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メール経由でKindleにファイルを送ることは難しいことではありませんし、ファイル形式の変換もAmazonが自動でやってくれます。しかし、Wappwolfなら送りたいファイルをフォルダに入れるだけです。ちょっと待てばファイルがKindleに自動で送られてきます。あなたがやるべきことは、送信元のメールアドレスと、ファイルを受け取るKindleメールアドレスを設定することだけです。ファイル送信にはWi-Fiを使うか、3G回線を使うなら0.15ドルかかります。また、送信前にKinde形式に変換することも可能。Kindleでサポートされている形式ならどんなファイルでも送れますが、サポートされていない形式のファイルを送りたいなら、Wappwolfの「Convert to PDF」アクションを利用すればいいでしょう(もちろん、元のファイルはWappwolfがサポートしているファイル形式である必要があります)。


3. 好きなサービスに写真をアップロードする

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きっとあなたは複数の写真共有サービスを使っているはず。例えば筆者はすべての写真をFlickrに投稿していますが、Facebookにもアップしたいと思うかもしれません。Wappwolfなら、写真をFacebookやFlickr、Picasaなどのサービスに自動でアップロードすることができます。またアップロードする前に写真サイズを縮小したり、テキストやウォーターマークを追加することも可能。写真アップロード専用のフォルダをつくっておけば手間が省けます。


4. PDFドキュメントに署名する

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フォルダにPDFファイルを入れるだけで、署名済みのコピーが数分後に返信されてきます。しかし、これを設定するには少々手間がかかります。なぜなら「Xyzmo」という外部サービスを利用しなければならないからです。最初はXyzmoに対してかなりの量の情報をフォームに入力する必要があり、途中で面倒くさくなるかもしれません。しかし、この最初の設定をちゃんと終えれば、PDFファイルに自動で署名できるようになります。なお、この署名はちゃんとした電子署名であり手書きサインを貼付けるだけのものではありません。


5. ファイルをZIPで圧縮して、FTPもしくはメールで送る

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同じ場所や同じ人に対して定期的にファイルを送る必要があるケースもありますよね。例えば、ファイルをZIPで圧縮してFTPでアップロードしたり、メールで送ったりすることです。Wappwolfを使えばそれらの処理がすべて自動で実行できます。まずは最初にZIPファイルアクションを追加しましょう。それからFTPサーバーやメールアドレスなど送り先を指定します。複数の送り先を指定することも可能。Wappwolfがすべてやってくれますので、あなたは送りたいファイルをフォルダに入れること以外は何もしなくてOK。写真をビジネスパートナーに定期的に送る場合などに利用すれば、時間をかなり節約できます。


あなたはWappwolfでどんな処理を自動化していますか?ぜひコメント欄で教えてください。

Adam Dachis(原文/訳:伊藤貴之)