毎日オンライン上には面白い記事が次々と出てきます。ただ、それをすぐに読めない時もありますよね。そんな時のために、いわゆる「あとで読む」系のサービスもたくさんリリースされています。今回は、中でも人気の高い3つのサービス『Pocket(旧・Read It Later)』、『Instapaper』、『Readability』を徹底比較してみましょう。
米LHでは以前InstapaperとRead It Laterを比較した記事がありましたが、ReadabilityのiOSとAndroid用のアプリがリリースされましたので、もう一度見直して比較する良い機会だと思います。様々なサービスやアプリを試してみた結果、このうちのどれかのアプリをしばらく使っているとしても、アプリやサービスは日々進化しているものです。改めて比較してみると気が変わるかもしれませんよ。以下でそれぞれのサービスを項目ごとに比較していますので、ぜひチェックしてみてください。
■Pocket(旧・Read It Later)
ページをブックマークして「あとで読む」サービスを一番最初に始めたのがPocket(旧・Read It Later)でした。ですから、対応しているデバイスやアプリを利用できる人たちの間では、このアプリは瞬く間に広がっていきました。飛び抜けてすごいものではないかもしれませんが、必要な機能が使いやすく、記事に埋め込んである動画にも対応しているのがすばらしいです。
Pocketは、iOS/Android/Kindle Fireの公式クライアントがありWebサービスもあります。サードパーティであれば、Windows PhoneやWebOS対応のクライアントもあります。
Pocketは余白の取り方がいい感じで、ほとんどのサードパーティアプリに対応。Pulse/Flipboard/the Onion/TweetBot/Alien Blue Reddit Clientやその他のアプリで記事を保存しても、Pocketで使えます。どんなブラウザでも使えるブックマークレットや、メールで保存する機能などもあります。ブラウザの拡張機能の方がいいのであれば、サードパーティのものがあります。こちらのページで対応アプリ一覧がすべてご覧になれます(英語のみですが、アイコンもあるのでそれで判断できると思います)。
プロ版のアプリを買った人なら、メールやTwitter/Google Reader、その他のサービスで記事を共有できる機能があることもご存知でしょう。このソーシャルサービスと連携した機能は、悲しいかなそこまで優れたものではありませんが、埋め込み動画に対応しているところは本当にすばらしいです。ほかの2つのアプリにはない機能があります。ワンタッチで画面ローテーションにロックを掛けられたり、記事のリストをタグで管理できる機能などもあります。
Instapaperほど機能が豊富ではありませんし、インターフェイスのデザインも特段ステキとは言えませんが、埋め込み動画対応の機能のおかげでほかの競合と十分戦っていけるでしょう。また記事中の画像サイズを落とす必要がない唯一のクライアントですから、画像もいい感じです。
ウソだと思うかもしれませんが、Read It Laterはあなたが使っているデバイスやアプリにおそらく対応しています。手堅い機能と無難なインターフェイスに加えて、ほとんどすべての人が使える「後で読む」系アプリです。筆者は違うアプリを使っていますが、InstapaperやReadabilityが使えない場合はRead It Laterを使うといいでしょう。
■Instapaper

Instapaperはインターフェイスのデザインもいいですし、とてもすばらしい高度な機能もいくつかあります。しかし、最大の強みは新しい記事を発見できることでしょう。Instapaperは、Webで見つけた記事を保存できるだけでなくInstapaperでフォローしているフレンドが保存した記事をピックアップして見ることができたり、「editor's picks」という機能のおかげで新しい記事を発見することもできます。主にMacとiOS中心ではありますが、サードパーティがほかのプラットフォームにも対応しています。
InstapaperのiOSのインターフェイスは美しいです。でも、Webのインターフェイスはかなりヒドイです。iOSで使っている場合は、6つのフォントから文字タイプを選ぶことができたり、夜に読む時のためのダークモードがあったり(中間のセピアモードもあります)、ほかにも細かな気の効いた機能があります。
また、デバイスを前後に傾けると画面が上下にスクロールするチルトスクロール機能もかなり良いです。メールやFacebook/Twitter/Evernoteなどで記事を共有することもできますし、ほかのInstapaperユーザーをフォローして、その人が気に入っている記事を読むこともできます。(例えばライフハッカーのような)Webページの構成が複雑なものを表示するのには多少問題がありますが、そんなことにも気付かないくらいインターフェイスがすばらしいです。大量に記事を保存している人にとっては、記事をフォルダに入れて管理できるのも便利かと。最新版ではフルスクリーンで読めるモードがあったり、スワイプのジェスチャーでホーム画面に戻ることができたり、Readabilityのような機能が追加されていました。しかも、Readabilityよりも全体的に動きがスムーズです。
■Readability

Readabilityは、Webサイトの記事をさらに読みやすくしてくれるというので有名になりましたが、ブックマークサービスやモバイルアプリでは時代遅れになりつつあります。ほかの2つに比べれば機能も少なく足りないところがあるかもしれませんが、デザインはピカイチです。しかも完全に無料です。
対応アプリ
Readabilityは新しいので、またたくさんのアプリに対応はできていません。今のところ対応しているのは、Pulse/Reeder/Tweetbot/Ubersocialです。対応アプリの詳細は、Readabilityのアプリのページをチェックしてみてください(英文のみ)。Readabilityは対応するアプリをどんどん広げているところなので、情報収集してみてください。
率直に言うと、Readabilityは豪華です。ビジュアルはInstapaperよりも少し優れているという程度ですが、ユーザビリティが本当にすばらしいです。記事を読んでいる時はコントロール画面は見えなくなっていますが、ページをタップするとポップアップで開きます。ページをスワイプするとリーディングリストに戻ります。
アニメーションもスムーズで、フォントや文字のオプションも豊富、TwitterやFacebookやメールで共有することもできます。残念ながら特筆すべき機能というのはありませんが(フォルダ機能すら対応していません)、UIのデザインでファンになる人もいると思います。Read It LaterやInstapaperのような特別な機能を必要としない人には、Readabilityもアリでしょう。
サービスもモバイルアプリもすべて完全に無料です。
記事をブックマークして後で読むだけでよければ完璧ですが、色々なアプリと使いこなしているユーザーにはまだ物足りないでしょう。新機能が追加されるかもしれませんので、気になる人は引き続きチェックしていってください。
どのアプリが一番いいかというのは人によって違うので、一概には言い切れません。ただ、筆者は現在、Readabilityを使い込んでます。機能は少ないですが、Instapaperに少しずつ近付いてきました。対してiOSで使っている場合、Read It Laterは対応しているアプリやデバイスの数から言うと一番多く、ほかの場所でも保存した記事を読みたいという人には合っていると思います。特に埋め込み動画の記事をよく見る人には便利でしょう。
この3つのうちのどれかを使ってみてもいいでしょうし、すべてを使い比べてから一番のお気に入りを決めてもいいと思います。
Whitson Gordon(原文/訳:的野裕子)