プロジェクトに何時間も取り組んだ後の充実感は何ものにも代えがたいものです。それは大好きな趣味であっても同じように感じるでしょう。しかし、職場で10時間も仕事をした後では、何か別のプロジェクトに取り組む元気など残ってはいないものです。帰宅すると、TVを何時間も呆然と見ているだけになってしまうことも...。でも、とっておきの秘策があるので、悲観しないでください。今回は、筆者が実際にうまくいったシンプルかつ実践的な方法をご紹介します。

 筆者の超マジメな体験談

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それは水曜の夜のことでした。筆者は長時間労働と不眠症で疲れきっていたそうです。お腹がすいていたので食事を作り、ドラマ『ウォーキング・デッド』の録画を見ながら食べることにしました。食べ終わり、録画を見終わると、自分の仕事に取りかかる元気がすっかり無くなってしまっているのに気づいたとか。

「あー、まただ...。なんでいつもこうなるんだ!?」

ずっとやりたいと思っていた仕事をせず、さして興味もないTVドラマを見ることを選んでしまったのです。実際ドラマはそれほど面白くなかったそうです。残るは後悔ばかり。しかし、自分でもこの「負のスパイラル」を止められるとは思えず、こんな夜を続けるしかないのだと落胆してしまいました。

「あーちくしょう! 何かをするべきだ! 大げさな仕事でなくてもいい、楽しんでやれる趣味でいい。どうでもいいドラマを見てるよりもずっとましな何かでさえあれば!」

筆者はわかっていました。明日になれば徹底的に後悔するであろうことを。ゾンビどもをいかに文明化するかについて人々が延々と議論しているところを何時間も一生懸命見ていたことを。

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この時、筆者はすべてを変えようと決意したそうです。そして食べるのをやめ、TVのスイッチを切りました。その後、ドラマの録画を見そうになるたびに、10分間だけ自分のタスクをこなそうと自分に言い聞かせました。そう、たったの10分間だけ。10分といえども、小さなタスクを仕上げるには十分な時間です。

10分経てばまたTVに戻ることはできましたが、筆者はそうしませんでした。小さなタスクを仕上げると、喜びとともに次のタスクに取りかかるようになったのです。そしてまた次のタスク、次のタスクへ。そうです。おわかりでしょうか? 「始めることがすべて」なのです。いつしか夜にTVを見るのをやめ、自分の仕事に取り組むようになっていました。

これはいつもうまく行くとは限りませんし、絶対そうしなければならないわけでもありません。10分後に再びゾンビの世界に戻ったとしても(たまにありました)、小さなタスクを1つ終わらせたことには変わりないのです。しかし多くの場合、はじめは10分間でも1時間、2時間とだんだんと仕事する時間が増え、自分の仕事に集中して取り組めるようになります。

これは別に新しいアイデアではありませんが、筆者が非常にうまくいった方法です。試しとにかく10分間だけ始めてみてください。きっと何かが変わることでしょう。

Adam Pash(原文/訳:伊藤貴之)