2012年1月1日、厚生労働省から発表された人口動態総覧によると、2011年に結婚した夫婦の数は約67万組。これに対して、挙式・披露宴を挙げるカップルは、35万組(経済産業省の「特定サービス産業実態調査」05年調査)という数字が出ています。結婚するカップルのおよそ半分は、結婚式をしていないことになります。
親戚や地域とのつながりの深かった時代は、結婚式はほとんど「絶対」でした。しかし、今は「する」か「しない」かをカップルが選べる時代になったのです。
Photo by Thinkstock/Getty Images.「ナシ婚」のカップルの一番の理由は「お金」。本当にお金がないカップルもいれば、お金はあるけれども、「ほんの2時間から3時間の披露宴のために、300万円以上のお金を払うことはもったいない、それならもっと他のことに使いたい」と考えるカップルも多いようです。
一方、「アリ婚」のカップルはどうなのでしょうか? 首都圏の結婚式費用の平均は、2005年の291万円から、2010年は350万円にまで上がっているといいます(ゼクシィ結婚トレンド調査2011年度版より)。つまり、お金をかけている人はしっかりかけているのです。
私が2010年まで働いていた某大手結婚情報誌が主催している毎年のセミナーで、こんな話がありました。
今のカップルは、そこに自分たちが「意味」を感じるからお金を払う。そうやって選んだ会場やドレス、演出が珍しくなくても構わないのだ。
例えば、「亡くなったおじいちゃんに届くように」とバルーンリリースをします。バルーンリリース自体は決して珍しい演出ではありませんが、そこには二人だけの、それをやる「意味」があるのです。
また、こんなカップルもいます。結婚式のDVDなんて、お金をかけて撮っても絶対見ないと思っていた。でも結婚して数年たって、5歳になる娘がママたちの結婚式を見たいと言い出した。見せると、娘がわんわん泣きだした。
パパとママがとっても幸せそう。ママがすごく綺麗。そして、今はもういないおばあちゃんが映ってる。
この瞬間、二人にとってこのDVDは「意味」のあるものになったのです。
300万円の結婚式を高いと感じるかどうか。それは、そこに「意味」を感じるかどうかによって違ってくるようです。「アリ婚」と「ナシ婚」、あなたはどちらを選びますか? 是非コメントで教えてください。
(尾越まり恵)