在宅勤務をしている人や、したことがあるという人はわかると思います。仕事を忘れてのんびりしたい...というあの強い誘惑を。
急ぎのメールに返信したり、オンライン会議に出たりする必要がない限りは、ついデスクを離れてソファでくつろぎたくなるもの。しかし、そんな誘惑に負けてばかりいると、せっかく勝ち取った在宅勤務の特権もいつの日か失うことになります。そこでこちらでは、誰にも監視されていない在宅勤務でも、仕事をさぼりたいという誘惑に打ち勝ち、モチベーションを保ち続ける方法をご紹介します。
Photo by Britt Selvitelle.
たとえ、あなたが「自分は自宅で仕事がこなせるほど有能なのだ」と自負していたとしても、在宅勤務という特権を許されたことが、とてもラッキーなことだということを忘れないでください。近年、在宅勤務が社員に大きな利益をもたらし、生産性を高めると考える企業がますます増えています。
もし、あと3時間余計に寝ていたいとか、今日は早く切り上げてしまおうという誘惑にかられた時には、このことをよく思い出しましょう。在宅勤務を望んでいる人は大勢いるのであり、あなたも在宅勤務を続けたいのであれば、在宅でもオフィスに出勤するのと同じような態度で真面目に働き、同じかそれ以上の生産性を示さなければならないのです。
Photo by Deryck Hodge.筆者は、2つの異なるタイプの上司の元で在宅勤務をしたことがあるそうです。ひとりの上司はほとんど何も口を出さず、急ぎの用件でもない限りメールの一つもよこしませんでした。そして、一日の労働時間が2時間だろうと10時間だろうと全く気にしなかったそうです。そんな状況だったため、チームの中には在宅勤務中に行方不明になるメンバーもいましたが、上司の寛大さに報いようと仕事をキッチリやり遂げるメンバーもちゃんといたとか。
一方、もう一人の上司はまったく逆のタイプでした。その上司は在宅勤務者に対して通常勤務時間の8時間だけでなく、通勤にかかる時間分も働くことを要求し、毎日電話でメンバーの勤務状況を確認しました。また、いつでも連絡がとれるようにビデオ会議用のツールをセットアップておくよう指示したそうです。
あなたの上司はどちらのタイプですか? どちらにせよ、朝遅くまで寝ていたり、予定より早くデスクを離れたいという誘惑に勝たなければいけません。在宅でもキッチリ仕事を成し遂げ、上司にやる気と責任感を認められれば、在宅勤務の機会を増やしてもらえることでしょう。
以前にもご紹介しましたが、仕事モードに切り替える一つの方法は、普段オフィスに行くのと同じ服装に着替えることです。在宅勤務の魅力のひとつはパジャマのままで仕事を始められることですが、パジャマを着たままではなかなか仕事モードに切り替えられないものです。また、仕事用の服を着てしまえば、勤務中に何か別のことをしようという気も起きにくくなります。つまり、シャツとスラックスを着ていれば、報告書を書き上げる替わりにケーキを焼こうなどとは思わなくなるということです。
Photo by Chun Kit To.在宅勤務のよいところは、朝起きてすぐにPCの前に座って仕事を始められることです。しかし、頭を仕事モードに切り替えるには、普段職場に行く時と同じデイリールーチンをこなしたほうがいいでしょう。また、自宅のデスクのセッティングも職場のデスクとなるべく同じようにしておくのがオススメです。デイリールーチンをこなすと、先ほど述べたように普段オフィスに行く時の服装に着替えることにもなりますし、また、「これから仕事の時間なのだ」ということを自分自身に教える作業にもなります。
これから毎日在宅勤務だという方は、デイリールーチンをアップグレードしていくといいでしょう。スターバックスに行くかわりに自分でコーヒーをいれたり、デスクに座るまえにヘルシーな朝食を食べたり、シャワーを浴びる前に軽いエクササイズをするとよいかもしれません。
もし、あなたが仕事中に気が散りやすいタイプなら「StayFocusd」が便利です。また、以前もご紹介したとおり「自制心には限りがある」ので、時間の浪費をチェックするために『RescueTime』などのアプリの助けを借りるのもいいでしょう。
大事なことは、自分の脳をトーレーニングして、仕事の時間と遊びの時間の区別ができるようにすることであり、また、間違った行動をしていたらすぐに正しい道へ戻れるような方策を用意しておくことです。
Photo by Adam Harvey.ここまでは、どうすれば在宅勤務中に怠惰の誘惑に負けないでいられるかを議論してきました。だからといって「戦略的昼寝」や「カフェインナップ」といった在宅勤務ならではのメリットを享受するな、ということではありません。ただし、休憩をとる時はいったん仕事から完全に離れて「本物の休憩」をとるようにしてください。近所を散歩してリフレッシュするのもいいでしょう。なんにせよ、気兼ねなく昼寝をしたり、完全に仕事から離れて休憩をとれることこそが在宅勤務最大のメリットなのです。休憩を存分に楽しみ、エネルギーをフルチャージして仕事に戻りましょう。
もしかすると、在宅勤務を始めた最初の2、3日は、デスクで仕事をする替わりに、テレビやゲームで一日を潰してしまうかもしれません。もし、どうしても誘惑に勝てずそれが続くようであれば、オフィス勤務に戻るか、自分に合ったコワーキング・スペースを探しましょう。
怠惰や気晴らしの誘惑に負けずに在宅勤務を成功させたいなら、在宅勤務の時間をオフィスで仕事をする時間と同じくらい重要なものとして扱うことです。在宅勤務できちんと仕事をやり遂げ、上司から実績を認められれば在宅勤務のチャンスも増えます。そして、それはあなた自身の生産性を向上させることにもつながるでしょう。
Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)