運動不足解消にと、たまにジムに行ってハードな運動をすると、その後がコワいものです。全身筋肉痛で、膝が笑って階段を下りられなかったり...。
「激しい運動をした後にすぐに体力を回復させるには、どんな物を食べたり、どんなストレッチをしたりすればいいのでしょうか?」と米LH読者さんから質問が寄せられました。「筋肉痛は運動で治す」なんて話も聞きますが、本当のところはどうなのでしょうか?(できれば違うと言ってほしい...)そこで今回は、正しい知識を仕入れて、早く筋肉痛から回復する術を身につけましょう。
■筋肉のコリをほぐす
運動してもいいかな...という気分であれば、ウォーキングや水泳といった軽めの運動をしましょう。「WebMD」(英文)によると、筋肉を動かすことでいくぶん楽になります。ですが、あくまでも気軽に。体の声を聞いて、回復しつつある筋肉(大体72時間で回復します)を痛めてしまうような激しい運動はしないでください。もしくは、固くなった筋肉をほぐすマッサージをしてもいいでしょう。
ニュージャージーのウェルネス(健康維持)コーチFrancesca Pucher氏と、スポーツ栄養士で本も書いているTodd Cambio氏、2人のフィットネスの専門家に話を聞いたところ、ストレッチポールを勧めてくれました。
Pucher氏は、自分でマッサージするのは最高だと言い、Cambio氏はストレッチポールは「お金が無い人用のマッサージ師」と呼んでいます。「Running Times」では、25ドルのストレッチポールを「奇跡のようだ」(英文)と言っています
筋肉のコリの部分にポールを当て、自分の体重で直接圧力をかけて使います。パン生地を捏ねる時にダマの部分を潰すようなイメージで、筋肉のコリをポールでほぐしていきます。
ストレッチポールを使うポイント
- 痛みやコリのある場所でストレッチポールを前後に60秒ほど転がします。
- コリのある部分に直接当てて、さらに時間をかけてほぐします。
- 1日2~3回痛みやコリのある場所で転がします。ケガの予防に週に2~3回行なうのもオススメです。
- 骨張っている部分は避けましょう。
- 常にストレッチポールを当てている部分を伸ばします。
Cambioのebook『How to Reduce Everyday Pain and Inflammation』(日々の痛みと炎症を軽減する方法・英文)には、体のパーツ毎のストレッチポールの使い方や詳しいガイドラインが載っています。
■筋肉痛の時に食べるといいもの
「筋肉痛の時は、何を食べるかも重要」とPucher氏は言います。人によって違いますが、筋肉痛は脱水症状やソジウム、タンパク質、電解質、ビタミンの欠乏の兆候でもあるからです。
Pucher氏は、魚の油からできているオメガ3脂肪酸のサプリや、それが豊富に含まれているサーモン、アボカド、アーモンドのような食品を摂るといいと勧めています。「Journal of Sports Science and Medicine」や「Clinical Journal of Sport Medicine」(ともに英文)に載っていた研究によると、筋肉痛は基本的には炎症で、オメガ3脂肪酸にはその炎症を抑える効果が見られたそうです。
とにかく水を飲みましょう。たくさんの水を飲んで潤った状態を保ってください。ココナツウォーターは水分補給にとても適していて、自然な電解成分です。ソジウムが豊富なスポーツドリンクにも同様の効果があります(英文)。
■筋肉痛に効くその他のアイデア
冷やしたり温めたりする療法は昔ながらのやり方ですが、同じようなアイデアで別のやり方もあります。熱いお風呂に1分間浸かって、それから冷水に1分間浸かる(もしくはシャワーを浴びる)、を繰り返すというものです。最長で10分を目安にしましょう。
セレブのフィットネストレーナーのTerri Walshによると、冷たい水には筋肉の炎症を抑える自然な鎮痛作用があり、温かいお湯には筋肉をリラックスさせる効果があるそうです。温冷浴の代わりに、アイス・ヒートパックをつかっても同じ効果が得られます。
休息を十分に取るというのは何事においても重要なことです。「Uncommon Body」(英文)に以下のような説明がありました。
眠っている間に体は成長ホルモンを分泌させ、激しい運動で消耗した筋肉を修復します。1日20~60分の昼寝をすれば、より早く効果が表れます。
昼寝を取れる環境にあるなら、言われなくても実践しているかもしれませんが、そんな恵まれた環境の人は少ないでしょう。そういう場合には、夜に8時間睡眠を取ると、筋肉は回復するそうです。
■追記:筋肉痛の予防とある種の誤解
優れたアスリートやボディビルダーでさえ、筋肉痛にはなります。よって、多少筋肉痛になったくらいで、もう二度と運動しない! なんてことを考えないようにしてください。実際、ちょっとした筋肉痛があるというのは、きちんと筋肉が使えているということです。
ここで覚えておいてほしいのは、「no pain no gain(痛みなくして得るものなし)」という合い言葉が大きな誤解だということ。いい運動をするには次の日に筋肉痛にならなけらばならない、ということは絶対にありません。
次に運動する時に筋肉痛にならなうようにするには、少なくとも5分間軽くウォーミングアップとなる運動をしてください。例えば、ランニングやバイクマシンを使うといいでしょう。そして、運動が終わったら、クールダウンにきちんと時間をかけましょう。また、運動後しばらくして、高タンパク質と炭水化物を組み合わせたスナックや軽食を摂るのも効果的です(全粒粉ベーグルの卵サンドや、ツナとパスタのサラダなど)。
正しい知識と実践で、筋肉痛をできるだけ防いで、楽しい運動を!
Melanie Pinola(原文/訳:的野裕子)