無料プロバイダと言えば、ダイヤルアップ接続が主流だった過去のもの(華やかなりしころはCMも打ってましたね)。ですが、先日ふと思い出し「無料プロバイダ」と検索したところ、NTT東日本のサービスエリア限定で、フレッツ回線が利用できる無料プロバイダ「OpenBit.Net」なるものが出てきたので、ご紹介いたします。
ところが、いざ記事に書こうとしたところ、Webサイトを隅から隅まで見わたしても、加入方法が記載されておらず、検索をかけてもユーザーのコメントも見つからないため、私事で恐縮ですが、自宅の引越を機に加入して利用開始までの手順をまとめてみました。
FAQの長いトンネルを抜けてたどり着いたのは「会社概要ページ」。どうやらDTIが運営している様子なので、DTIのサイトへ飛んだところ...
indexページの片隅にOpenBitへのリンクを発見。DTIが運営元というのは間違いなさそうです。そこで、DTIのお問い合わせ窓口からOpenBitへの入会方法について、問い合わせを送信。
すると当日に返答メールが届き、「担当から電話するので、電話番号を教えて」との旨。メールにて電話番号を伝えると、まもなくフリーダイヤルの番号から着信があり、サービス内容や規約、申込の条件などを解説してくれました(ちなみに、後日、問い合わせ電話番号を記載したページを発見、最初からここに掛ければ一手間省けましたね...)。解説内容は、PDFファイルが公開されていましたので、当方はすでに了解済みの内容でした。箇条書きでまとめると、
- 2年単位の契約で、契約更新月(契約開始月から24 カ月目)に契約解除をする場合以外は、契約解除料として3150円が発生。
- 月額料金はNTT東日本のフレッツ光月額費用のみで、NTTから直接請求。
- フレッツ光回線の新規契約者のみ申込できる(フレッツ光の既存ユーザーが引っ越す場合はNG)。
- オプションサービスの「クラウドオプション」が3ヶ月無料で付いてくる(ただし、契約日から3カ月間が最低利用期間があり、その間はオプションの解約ができない、オプションサービスの月額費用は525円で、最低利用期間を過ぎれば解約可能)。
- プロバイダからのアンケートへの回答、サービス案内の送付、「DPI(ディープ・パケット・インスペクション)」の許諾。
とのこと。一番気になるのは「DPI」ですが(参考記事その1、その2、その3)、規約では次のように記載がありますので、信じることに。
当社は行動ターゲティング広告を開始する場合、お客様へ事前に通知を行うものとします。この場合の通知は「OpenBit.Net サービスページへの掲示」または「メールによる通知」のいずれか一方または両方とします。
また、個人的には参考記事その1で大元さんがおっしゃっているように、Google様に握られている情報に比べれば屁の突っ張り...ということで、歩みを一歩前へ進めることにしました。
もう一つ気になっていたのが、料金ページに記載された「初期費用」。NTT東日本のキャンペーンを適用すると工事費がかなり割り引かれます。でも、「Windows限定」の言葉に慣れたMacユーザーには「無料の代わりにキャンペーンは適用不可」なんてことは、思考のフローチャートに標準で組み込まれているわけです。ぬか喜び覚悟で確認したところ、「適用できますよ」との意外な返事。今回の初期費用の合計は、NTT東日本フレッツ光工事費用の2100円と、NTT東日本フレッツ光契約費用の840円で、合計2940円(プロバイダ側の初期費用は0円)と判明しました。この問い合わせ時には引越契約日が未定だったため、NTTの宅内工事ができる日にちが分かってから再度連絡することに。
後日、新居の契約日が決まった後にOpneBitへ電話し、プロバイダ契約の申込。OpenBitの場合、プロバイダ経由でNTTへ回線申込をする必要があるとのことで、合わせてNTTのフレッツ光ネクストの新規申込も依頼。その後、NTT東日本から工事日設定の連絡電話と、「開通のご案内」の書類、そしてOpenBitから接続に必要な情報が載った「入会のご案内」が郵送されてきました。
OpneBitの入会のご案内に記載された注意書きには、「支払い方法はクレジットカード払いのみで、オンラインから登録を。3ヶ月以内に支払い方法の登録がない場合は、契約解除」とあったため、MyOpneBitからクレジットカードを登録しておきました。さきほどクラウドオプションの最低利用期間について書きましたが、「3ヶ月経過月の末日までは利用料無料」と規約にあり、この起算日がご案内に記載されています。例えば、12月1日が契約開始日ならば、3月1日が3ヶ月経過日のため、3月31日までは無料のようです。
その後、NTT東日本の宅内工事が終わり、光回線終端装置が設置されたら、郵送書類を見ながらルータの設定。ネットに接続する設定は他のプロバイダとなんら変わることなく、標準的な手順を踏めば問題無く繋がりました。肝心の回線速度の方は、遜色ないレベル。USENのスピードテストでは10~30Mbps(同じマシンでWiMAXは3~6Mbpsでした)。規約には、
当社からのお願い事項のご案内の方法によっては、お客様がご利用のパソコンに当社が指定するアプリケーションソフトウェアをインストールしていただく必要がございます。
とありましたが、現時点ではその必要なく接続できています。
気になる月額のランニングコストは、2625円~5460円。どのプロバイダでも、フレッツ光を利用する場合にはかならず発生するNTT東日本フレッツ光月額費用だけで済むわけです。
ただ、最安レベルの他プロバイダとOpneBitとを比較すると、BB.exciteで月額525円、ASAHIネットで月額578円~なので、1年で6000円くらい安くなるといった程度です。「○万円キャッシュバック!」といったキャンペーンを利用できるのであれば、プロバイダを使った方が実質的な負担に着目すると安上がりになります。
まだ契約してから間もないため、回線の安定性やDPIに関する事項についてはまだ何とも言えませんが、「余計なサービスもサポートも要らぬ! 結局得になるのかよく分からぬキャッシュバックも要らぬ!」という、シンプルさを求める方にはいいかもしれません。
(常山剛)