糖分は覚醒作用があるという「シュガーハイ」は幻想で、むしろ糖分には鎮静作用があるのだとか。「Wired」のライターJonah Lehrer氏によると、糖分を摂ると覚醒作用のある脳科学物質「オレキシン」の分泌が抑制されてしまうそうです。また、様々な食品がオレキシンに及ぼす影響に関する研究によると、糖分が脳内のオレキシンのレベルを低下させる(つまり疲労を感じさせる)のに対して、タンパク質はオレキシン細胞を活性化します(つまり覚醒作用がある)。
さらにこの研究では、異なる栄養素の組み合わせがオキシレンにどのような影響を及ぼすかについても調べています。科学者たちは、ブドウ糖の鎮静作用がタンパク質の覚醒作用に勝つだろうと予想していましたが、実際は、わずかなタンパク質が糖分の作用を打ち消すことがわかりました。とくに、タンパク質を糖分と一緒に摂取したときほど効果があったとのこと。よって、デザートにはタンパク質を少し含むようにしたほうがいいようです。
この研究では、食べ物に関して「カロリー」だけが問題ではないことを示唆しています。含まれている栄養素こそが重要なのです。さらに言えば、糖分はタンパク質の存在を抜きには語れません。健康を考えれば、基本的に糖分の摂取はなるべく控えたほうがいいのですが、少なくともタンパク質を同時に摂るようにすれば、悪影響をある程度抑えられることを覚えておきましょう。
Why Sugar Makes Us Sleepy(And Protein Wakes Us Up) | Wired
Adam Dachis(原文/訳:伊藤貴之)