ライフハッカーでは以前、多くの時間を過ごす場所にこそお金をかけるべきだとお話しました。そして、一日の3分の1の時間は寝床で過ごしていることを考えると、マットレスにかけるお金はケチるべきではありません

マットレスの良し悪しは健康にも大きく影響します。しかし、誰もが最高級のマットレスを買えるわけではありません。そこで、カイロプラクターや整形外科医からのアドバイスを交えて、自分に合ったマットレスを選ぶ方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 ■予算を決めて下調べをしておく

ショップに行く前にあらかじめ予算を決めておきましょう。上限をきちっと決めておき、余計な装飾がついたものや過度に豪華なものをショップ側がすすめてきたとしても惑わされず、予算内のベストなマットレスを買うようにしてください。ショップでは様々な勧誘が付き物。セールスパーソンが必要のないマットレスカバーや延長保証、ベッドフレーム、アクセサリーなどをすすめてくることもあります。

マットレスショップはショップごとの価格比較をしづらくしているので、ショップを回ってどこが一番安いのかを調べるのは簡単ではありません。しかも、ショップによってはまったく同じマットレスを違う商品名で売りだしていることもあるそうなので、ショップへ行くときはマットレスのブランドとタイプに注目するようにしましょう

より安く買いたい場合は、まず予算内でいくつかの候補を決めておき、そのマットレスのモデル名とモデルナンバーをメモしてからショップを回ると良いです。

■どのタイプのマットレスが自分に合うかを把握する

様々なタイプと商品名のマットレスが販売されていますが、実際には数種類の基本タイプがあるだけです。

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低反発素材(テンピュール)

テンピュールはブランド名なのですが、多くの人が低反発素材や、その他体の形に沿って変形するタイプのマットレスのことをそう呼んでいます。このタイプのマットレスは、体のあらゆるポイントに均等に圧力が加わるように設計されています。また、睡眠中に体を温めるようになっているので、もしあなたが少し冷たいくらいのほうが眠りやすいなら、このタイプは避けたほうがいいかもしれません。


スリープナンバーベッド

スリープナンバーベッドは、中にエアチューブが入っているマットレスで硬さを自由に調節することができます。モデルによっては傾きをつけてリクライニングさせることができたり、マットレスの左右に別々のエアチューブが入っていて、それぞれの硬さを個別に調節できるタイプもあります。1つのベッドに2人で寝ている方には重宝しますね。「スリープナンバーベッド」は、Select Comfort社の代表的な製品であり、価格も比較的お手頃です。


「Firm(硬め)」vs「Plush(軟らかめ)」

Firmやplushといった言葉は、マットレスの硬さや軟らかさを表しています。マットレスの硬さの指標として「extra firm、firm、plush、ultra plush」といった表記がされているのを見かけるでしょう。ultra plushになると、マットレスの上に分厚いピロートップ(クッション)が置かれていたりします。また、硬いマットレスの上に柔らかいクッションが置かれている折衷タイプのものもあります。


■試したいだけ試すこと、一番高級なものから始めること

もし、ショップのセールスパーソンが、試しにマットレスに寝させてくれないなら、そのショップはさっさと出ましょう。30秒程度の時間でマットレスの良し悪しは判断できません。むしろ、ショップの人に枕を持ってきてもらって普段と同じポジションで寝てみるくらいが良いでしょう。最低でも数分間はマットレスの上で横になってみます。決断を下す前に時間を十分とって、硬すぎないか軟らかすぎないか、なにか違和感を感じないかなどをよく確かめてください。

また、自分にぴったりのマットレスを見つけるには、まずその店で一番高級なマットレスを最初に試してみると良いです。一番高級なものから徐々にグレードを下げていき、「これ以下のマットレスだと快適に寝れないなあ」という感触のものを探します。そうすることで価格と快適さのバランスをだいたい把握できるので、あとは予算内でベストだと感じるものを選べば良いでしょう。

■専門家からのアドバイス

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この問題を何人ものカイロプラクターや整形外科医に尋ねたところ、快適で健康によいマットレスの選び方について、具体的なアドバイスを得ることができました。

マサチューセッツ州のカイロプラクターであるBenjamin Ryan博士は、自身のクライアントに対して、「もし予算が許すならば、Select Comfort社のスリープナンバーベッドがいい」とすすめているそうです。特に、パートナーと同じベッドに寝ている人で、お互いにマットレスの硬さの好みが違う場合にはこれがベストだとか。また、「節約のために余計な装飾やピロートップが付属していないモデルを選ぶように」とのこと。

購入後にもう少し軟らかさがほしいと思ったら、地元の安いお店でピロートップを別途買えばいいとか。Ryan博士自身、購入後にマットレスが少し硬すぎると思い、デパートで低反発素材の敷きものを買ってきて、マットレスの上に敷いているそうです。ただし、軟らかすぎるマットレスを硬くすることはできないので注意とのこと。

メリーランド州のカイロプラクターWIlliam Bleam博士によれば、テンピュールぺディックのマットレスがオススメだそうです。ただし、「テンピュールぺディックは他のマットレスに比べて保温が良く一晩中温かいので、それが嫌な人は注意するように」とのこと。彼自身もテンピュールぺディックがお気に入りだそうですが、ブランド名にこだわらないなら、同じくらい快適な低反発素材のマットレスは他にもあるとか。また、テンピュールぺディックの体にフィットするスタイルは、人によっては寝たり起き上がったりするのに苦労することもあるので、よく試してから決めたほうがよいとのこと。体にフィットして体全体を均等に支えてくれるので、同じ姿勢をとり続けたほうが眠りやすい人にオススメです

フロリダ州の整形外科医Jon Donshik氏は、ブランド名はまったく気にしないとか。有名ブランドのマットレスは確かにスタンダードと言えますが、彼自身の患者にはブランド名よりも自分で試して「しっくりくる」ものを選ぶようにとアドバイスしているそうです。ショップで納得できるまで試してみて「このマットレスしかない!」というものに出会うまで、決して急いで買わないようにとのこと。高価なマットレスは確かに快適ですが、それだけですぐに背中の痛みがなくなるわけではありません。高価なマットレスを買って散財する前に、自分に合うマットレスをよく吟味するようにしましょう。

最終的にどのマットレスを選ぶにせよ、まず最上級のものを試してみるべきだと専門家たちは口を揃えて言っています。それから少しづつレベルを下げ、なおかつ十分な快適さを保った範囲で、予算内に収まるものを探していくようにしましょう。ここで、予算を不当に低く設定しないようにしてください。ベッドの上は多くの時間を過ごす場所であり、もしマットレスが体に合わず快適な睡眠が確保できないようだと、仕事にも悪影響を及ぼしてしまいます。

■値段交渉を恐れない

マットレス選びが済んだら、値段交渉を始めましょう。ショップが提示している価格は値引きされていない場合が多いです。それどころか、セールスパーソンが追加オプシションや延長保証などを売り込んでくることもあります。しかし、ここでひるんではいけません。大手チェーンのショップなら大抵は値引き交渉に応じてくれますので、気後れせずにディスカウントが可能か尋ねてみましょう。「そのマットレスを買う気はあるが、余計なお金はびた一文払う気がない」ということをセールスパーソンにはっきり伝えるのです。いつも値引き交渉に成功するとは限りませんが、予算オーバーだった商品を予算内で買うことができるかもしれません。

また、安売りセールを見逃さないように。お店にもよりますが、特に祝祭日と重なる週末はよく安売りセールをやっています。クリアランスセールが実施されているかどうか、こまめにチェックしましょう。

■無料お試し期間を利用する、よい保証をつける

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購入を決める前に、「マットレスを配達してくれるか」、「古いマットレスを引きとってくれるか」、「よい保証はついているか」、「在宅での無料お試し期間がないか」などを確認しましょう。評判のよいお店なら、30日から60日間の無料お試し期間が用意されているはずです。もし、期間中に不満な点が見つかれば、キャンセルしたり他のマットレスに交換することができます。無料お試し期間を最大限に利用して、快適に眠れるか目覚めは良いかなどをじっくりと観察してください。

バージニア州のカイロプラクターであるEugene Su氏は、「最初の数日はあまり違いがわからないかもしれないが、時間が経つにつれてそのマットレスの良し悪しがわかってくるはずだ」と言います。

以前よりエネルギーが湧き、目覚めも良いなら、マットレスが自分に合っているサインだということ。彼はまた、特定のブランドやモデル、タイプにこだわりすぎないようにとも警告しています。彼自身の患者達にも、様々なタイプのマットレスを試して、よりよいものを探すようにアドバイスしているそうです。すでにマットレスを購入済みの場合は、次のことに気をつけましょう

  • 朝起きた時、エネルギーが増した感じがするか? 減った感じがするか?
  • 起きてしばらくった時に何か普段感じない痛みやうずき、違和感があるか? とくに背中や脇はどうか?
  • 朝のうちの気分はどうか? 一日を気持ちよく始められているか? イライラした気分になったりしていないか?
  • 一晩中寝返りをうったり、夜中に頻繁に目を覚まして姿勢を変えたりしていないか?


Su博士が言うには、これらはマットレスが合ってないというサインだとのことです。もし、お試し期間中にこうした兆候があり、改善されないようなら、ショップに電話して違うモデルのマットレスに交換してくれないか頼んでみましょう。

また、マットレスを数ヵ月使ってみて、まだ不快な感じがしていたり、表面がでこぼこしてきたように感じたら、ためらわずにメーカーに電話して、品質保証のクレームを入れましょう。出荷時の欠陥品であった場合は、新しいマットレスと交換してもらえるはずです。また、購入時に条件のよい保証があれば加入することをお忘れなく。メーカー保証のほうが、ショップが独自に設定した保証よりも条件がよいことが多いです。

以上のTipsを参考に、ご自分にぴったりのマットレスを選んでみてください。購入する前にいろんなマットレスを実際に試してみることを忘れずに。硬さや軟らかさ、快適さを十分に確かめるようにしてください。ポイントは自分の感覚を信頼すること。マットレスに静かに横になり、自分にぴったりのマットレスなのかどうかを自分の体に聞いてみてください。きっと答えが見つかることでしょう。

マットレス選びについてなにかアドバイスのある方は、ぜひコメント欄への記入お願いいたします。

Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)