同姓同名はもちろん、似た名前や紛らわしいメールアカウントのせいで、間違いメールを受信した経験はありませんか? そこでこちらでは、そんなときどのように対処すべきなのかを考えてみたいと思います。

 ■倫理上、何かしなければならない、というわけではない

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米紙『ニューヨーク・タイムズ』(英文)が、倫理学者に間違いメールへの正しい対処法をたずねたところ、緊急性が高いかどうか、個人の生活・仕事にかかわるものか、その「間違いメール」を受け取れないことによって毀損される幸せや悲劇がないかが重要だそうです。

もし、いずれかに当てはまるなら、正しい送り先に転送しましょう。一方、メール広告やスパムなど、時間や労力をかけるほどでもないものなら、そのまま放置しても、倫理上なんら責を負うものではありません。転送してあげても、そのまま削除してもいいです。

たとえば、「親戚が病に伏せている」ことを知らせる家族からの「間違いメール」のほうが、地元小売店のバーゲン情報よりも、転送してあげるべき倫理的義務は高いと判断されます。結局のところ、転送すべきか否かはメールの内容によるので、「転送してあげたほうがいいかな?」と判断に悩むくらいなら、すべて転送したほうが無難かもしれません。

米Lifehackerでは、次の方法をオススメしています。

■削除せずに、転送する

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仕事で間違いメールを受信した場合は、送信元を「cc」にして、正しい送り先に転送しましょう。こうすることで、送信元が間違いメールをしたことを、両者にわからせることができます。筆者は大企業で勤務していたとき、よく間違いメールを受信したとか。たとえば、送信元は「ahenney@companyname」宛に送ったつもりであろうものが、「ahenry@companyname」として送信され、自分のメールアカウントに届くといった具合。ときには緊急性が高く、微妙な内容を扱うメールが間違って送信されるケースも...。そこで筆者は、どんな間違いメールでもとりあえず転送するようにしていたそうです。

この例の場合、正しい送信先である「ahenney」さんからお礼の連絡を受け、送信元からも「間違いメールを転送してくれてありがとう」と感謝されたとか。実際、メール転送のための手間は転送ボタンをクリックするくらい。一瞬でできるちょっとした手間で、他人から感謝してもらえるなら、もうけものではないでしょうか。他人から感謝されることは、個人的にもプロとしても嬉しいことですよね。また、万が一送信元、送信先のいずれからもお礼を言われなかったとしても、メールを削除して「自分は関係ないや」と、何も受け取ってないかのように振舞うよりは、マシです。

間違いメールの正しい送信先がわからないなら、送信元に返信しましょう。自分宛てではないメールを自分が受信したことを知らせるだけでOK。正しい送信先を探してあげる必要はありません。送信元が自動メーラーや企業である場合は、何の反応もないかもしれませんが、少なくとも、送信元に「間違いメールを受信した」ことを伝えれば、間違いメールを受信した側の役割は果たしたといえます。

■頻繁に受信する間違いメールには自動対応する

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間違いメールの正しい送信先への転送は、あくまでも自分の好意でやっていること。あまりにも頻繁に間違いメールを受信し、その対応にイライラさせられるなら、メーラーの機能を使って自動化しましょう。メールのフィルタとルールを作り、間違いメールは正しい送信先に自動的に転送させ、自分の受信トレイを荒らさないようにするのです。

勤務先がGmail、もしくはGoogle Appsを利用しているなら、フィルタ機能を使って正しい送信先へのメール転送やアーカイブ、頻繁に間違いメールをする人への返信用定型文を自動化できます。また、先にも述べたとおり、ccを使って送信先と送信元の双方に転送するのがオススメです。

『Microsoft Exchange』を利用している場合は、、こちらのOutlookのフィルタガイド(英文)やマイクロソフトの公式ページ(英文)が参考になります。『Outlook』は、Gmailほどフィルタ機能に優れているとはいえませんが、そこそこ使えます。『Thunderbird』(英文)やその他のメールクライアントでのフィルタ設定は、ヘルプなどでチェックしてみてください。

頻繁に間違いメールを受信するようなら、受信するたびにマニュアルで対応するのではなく、フィルタ機能や定型文機能を利用して、自動的に処理するほうが効率的です。

■頻繁な間違いメールには、気をつける

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ほとんどの場合、他人に宛てたメールかどうか大体わかるもの。他の人に宛てたつもりであろうメールを自分が受信したら、正しい送信先に転送するか、送信元に送り返すのが基本です。ただし、繰り返し間違いメールを受信するなら、送信元の企業に連絡し、自分のメールアドレスやその他の個人情報が利用されていないか、確認しましょう

こちらのMetafilterの記事(英文)では、知らないうちに個人情報が盗まれていた事例が紹介されています。インターネット詐欺に遭わないための方法としては、ライフハッカーアーカイブ記事「インターネット詐欺に騙されないために押さえておくべき6つの基本事項」もあわせてご参考まで。

倫理的な義務はないにしろ、そのメールが間違いであると知っていながら放置することで、誰かの運命が変わってしまうかも...。「間違いメール」を受け取ったら、まずは性善説に立って、できるだけ届けるべきところに届けてあげるのが、良さそうですね。

Alan Henry(原文/訳:松岡由希子)