どんな会社でも組織でも、個人のスペースの問題、騒音問題、耐えられないほどの臭いを放つ人など、職場に悪影響を及ぼすものの向き合うのが厄介な問題を、何か一つは抱えているものです。このような不快な問題を解決するのはなかなか難しいですが、同僚や上司に真実を言う時がきたら、間違いなくうまくいく方法はあります。

筆者の友人は、どうしようもないと思われる臭いを放つ人とかつて一緒に仕事をしたことがあり、あまりの酷さに耐えきれず、仕事を辞めてしまったそうです。何とかこの問題を解決してもらえないかと、思い切って上司に相談したらしいのですが、何の効果もありませんでした。
筆者は、毎日職場でしゃべってばかりで、仕事も一切していないように見える人たちと働いていたことがありました。彼らのせいで仕事の能率は限りなくゼロに近くなるほど下がり、時には家で仕事をしなければならないこともありました。他にも、個人のスペースを侵略してくる同僚がいた人は、「断りもなく自席でご飯を食べるのはOK」ということで(喜ばしくないやり方ですが)決着をつけたそうです。
このような微妙な問題というのは、どれも問題を抱えた人はその問題にすら気づいておらず、他人に不快な思いをさせているという気持ちもない、ということを覚えておかなければなりません。すべての場合がそうだとは言い切れませんが、同僚に微妙な問題について切り出す時は、疑うことと敏感でいることの大切さを伝えることが重要です。 ■気まずくても話しましょう
社員の行動規則などがある会社なら、問題の同僚と話す前に、それをチェックした方がいいでしょう。また、直属の上司や、さらに上の上司に前もってその問題に気づいてもらい、同僚が取り乱している状況から逃れられるように、アドバイスをもらった方がいいかもしれません。いったん外堀を埋めてしまえば、あとは「言わなければならないことを言う」という一番めんどくさい仕事が始まります。
筆者は、このような微妙な問題を何度も解決してきた「Brightcove(筆者の前の会社!)」の人事部長のEd Godin氏と話しました。状況や環境は様々ですが、Godin氏のアプローチは大体同じです。友だちの臭い問題を例に解説していきましょう。以下がその問題を解決するためのGodin氏の手順です。
- プライベートなことなので、同僚を呼び出して、あなたが近くにいる時に変な臭いがすることに気がついた(おそらく他の人も気づいている)ことを伝えます。そして、臭いの原因が何かは別に言わなくてもいいということも伝えましょう。ただ、シンプルに自分はそれに気づいているということを伝えてください。この段階で、同僚が大声を上げたり、ひどいことを言ったら、もう少し具体的に言わざるを得ません。
- 似たような経験を共有してもらうために、同僚の靴を履かせてもらいましょう。例えばジムなどでは、靴を履いている間は運動しているので、気づきません。しかし同僚には、その靴の臭いがキツいというのを経験してもらう必要があります。
- そして助け舟を出します。本人もどうやったらその問題が解決できるのかわからないこともあります。相手の言い分を聞く機会を設けましょう。一緒に問題を解決する方法を探すことができれば、お互いの絆も強くなります。しかし、そこまでしたくない場合は、その前に上司と相談して、助けてもらえるようであればお願いしましょう。上司に問題を任せることができれば、同僚もその上司に助けを求めることができます。
ここでは、へりくだったり、見下したりしないようにするのが大切です。人間誰しも、自分の行動が他人にどんな影響を与えているのかは気づかないものです。ほとんどの人は、他人をひどく傷つけたりしたくはありませんし、その問題に関わりたくないからこそ、問題を突きつけることにネガティブな反応をするのです。相手がネガティブな反応をする人の場合、どんなに気を遣っても、優しくて理解ある言い方をしても、難しいかもしれません。
■問題のある同僚にも愛の手を
同僚が問題に気づいていないこともありますが、気づいていても解決の仕方がわからないという場合もあります。臭い、中毒、奇行と言われるようなおかしな行動は、周囲が思っている以上に問題の根が深いこともあります。同僚には、この世の誰もが経験したことのないような問題ではないけれど、解決しないことには仕事に差し支える問題だということを伝えることも大事です。
一般的に「私には解決できない」という場合は、「解決方法がわからない」もしくは「解決してみようと思ったがダメだった」のどちらかです。解決する段階で直接手助けしてあげられないとしても、問題を解決しようとする気を持たせ、良くなってもらうことを目標にしましょう。できることなら、ちょっとした会話を心がけて、問題を少しずつ切り崩していくのがいいと、Godin氏は言っています。こういった支援行動は、どんな同僚にも必要なものです。もしくは、その問題を解決していくことにそこまで関われないという場合は、会社に何らか助けになるものがあるはずです。健康保険でカウンセリングや、何か関連するプログラムが受けられるかもしれません。また、会社が従業員支援プログラムを持っているなら、どんな問題でも解決するのに必要な支援を見つけるお手伝いをしてくれる無料のホットラインに、従業員が内密に相談することができます。悪臭問題から、喫煙問題まで請け負ってくれるでしょう。プライバシーを保てるので、助けを必要としている同僚にとってはありがたい方法です。
微妙な問題というのは、一筋なわではいかないものですし、必ずしも自分一人で解決できるものではないかもしれません。ですから、信用できて気兼ねなく一緒に働ける人を見つけるよう、常に心がけましょう。微妙な問題について話す時は、からかわないように問題を現実的に解決する一番いい方法を考えるようにしましょう。問題の同僚があなたに嫌な思いをさせているとしても、自分がされたくないような扱いをその人にしないように気を遣ってください。そうすれば、問題を解決するかなり良い機会が巡ってきます。
このような微妙な問題を解決したことのある方は、ぜひその経験や秘訣を教えてください。
Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)