今回は毎年この時期のお待ちかね、「ボジョレーヌーボー」をいつもより楽しめる、薀蓄も含めた、ちょっぴり上級な味わい方をご紹介します。
■ボジョレーヌーボーとは?
「ボジョレーヌーボー」という言葉は、日本人に一番よく知られているワインワードと言っても過言ではないほど、有名ですよね。だからこそ、今さら「ボジョレーヌーボーって何?」と聞けずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「ボジョレー」は土地の名前、「ヌヴォー」は試飲用の新酒を指します。また、ボジョレーを名乗ることのできるワインは赤ならガメイ種、白ならシャルドネ種を使用したものだけに限定されています。簡単に言うと、毎年ワインの出来を確認するために試飲するというのが本来の意味です。
■ボジョレーヌーボー大国・日本!本場フランスよりも、日本の方が盛り上がっていると感じている方は結構多いです。極東の日本は、先進国の中で最初にボジョレーヌーボーが解禁となるので注目も高く、テレビや雑誌媒体では定例ネタとなっています。「旬のワイン」と認識されている事から、流行に敏感な日本人の気質も手伝っているのかもしれません。
2004年頃を目処に、少しずつ輸入量は減少傾向にあるのですが、その理由はワインに詳しい日本人が増えた事にあると思います。私の周囲にも、ボジョレーヌーボーが味わいのわりには割高に感じる方、自分の好きな作り手や味わいを求めたい方、TPOに合わせたワイン選びをするようになった方、いわゆるワイン通が増えたように感じます。
それでも、まだまだ日本人の飲むボジョレーヌーボーの消費量は他の国と比較にならないくらい多いです。最近流行のペットボトルの格安ボジョレヌーボーが牽引しているように感じます。去年実際に飲んでみましたが、味わいは瓶のボトルの物とあまり変わらず、ブラインドで飲んだら、恐らく私でも見分けがつかないと思いました。そのくらい良くできています。
■ワンランク上のボジョレーヌーボー!ワインは嗜好品なので、一人一人の好みがあり、なかなか「これが美味しい」と断言するのは難しいものですが、今回は値段はもちろんのこと、希少価値の高い、ワンランク上のボジョレーをご紹介します。
ボジョレーヌーボーの中には、ワンランク上の葡萄から作られる「ボジョレーヴィラージュ」と呼ばれる、普通のボジョレーより厳しい基準をクリアした限定品があります。本来、その年の葡萄の出来を確認するために作られた試飲用の新酒で、プロがその年の成績をつけ、それを指針に業者が取引高を決めるという流れになっています。
是非、今年はヌーボーとヴィラージュを飲み比べてみてください。一年に一度しかないイベントなので、是非ご友人と葡萄の出来を味わい、語り合ってみてはいかがでしょうか。ちなみに、ボジョレーとボジョレーヴィラージュの違いは、ラベルで確認できます。
■失敗しないボジョレーヌーボーの選び方毎年、フランス本土では解禁日前の日曜日にボジョレヌーボーコンクールが開催されます。「トロフェリヨン」と呼ばれ、ワイン専門家が集結して評価を行うので、大量に購入される方はこちらの結果を元に購入するのも一つの手です。
最後の薀蓄です。ボジョレーヌーボーは、当初12月15日が解禁日だったのですが、週末にあたる年は祝日との兼ね合いで流通が止まってしまうため、現在では11月の第三木曜日が解禁日となったそうです。
これだけ色々とご紹介してきましたが、ボジョレーヌーボーはやはり気の合う仲間でわいわいお祭り気分で楽しむ、これが一番かもしれませんね。是非楽しくボジョレーヌーボーを味わってみてください。
(浅田資継)