何とも馬鹿馬鹿しいような、いや実感としては分かるような...。そういった事象が科学的に検証されています。「トイレに行きたいのを我慢している時のほうが正しい決断をできる」のだそうです。
心理科学団体が発行している『Psychological Science(心理科学)』という冊子に載っていた研究によると、トイレを我慢していると、先のことに関する決断をより正しく行えるとのこと。一体なんでまたこのようなことが起きるのでしょうか?
科学系ニュースブログ「Science Daily」によると、性的興奮、空腹、喉の乾きなどがあると、全然関係ない物でも、実際に何かがほしくなる引き金になるとあります。
長時間の授業を受けている間に、研究に関するアイデアが浮かびました。授業中寝ないようにと、何杯かコーヒーを飲んでいたら、コーヒーのせいで尿意をもよおしたのです。そこで、「トイレに行くのをかなり我慢している状態では何が起こっているのだろう?」という疑問が浮かびました。
実験をしてみたところ、ある被験者にコーヒー5杯(約750ml)を別々のコップで、少しずつすすりながら飲んでもらいました。40分後(コーヒーが膀胱に達するくらいの時間)に、被験者の自己管理力を調べるために、8つの選択を迫る質問をしました。すると、トイレを我慢していない状態の被験者より、トイレを我慢していた被験者のほうが、すぐに得られる少ないメリットよりも、少し後に得られる大きなメリットを選ぶことが多かったとか。明日もらえる16ドルよりもおそらく得である、35日後にもらえる30ドルを選んだわけです。
人間はトイレを我慢している時には、すぐに手に入る小さな報酬を我慢して、遠くの大きな報酬を選ぶ模様。排泄だけでなく、本能的な欲求を我慢している時は、自然と目の前の欲求を我慢して、実際に報酬の大きいものを選べるのかしれません。
大事な決断をしなければならない時は、冷静な判断をするために事前に水を飲んでおくと良いかもしれませんね。
Science Daily
[Science Daily via Slashdot via damis648]Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)