みなさんは最近、イライラしたり、むかついたりしませんでしたか? おそらく、多くの人がうなずいていることでしょう。でも、そんな自分を責めないでください。憤慨するのは、 自分の思い通りに事が進まないもどかしさだったり、 相手に対してそれ以上傷つけられたくないという防御機能だったり、逆に、こんなに自分をさらけ出せるのはあなただけなんだから、あなたも心を開いて、という欲求が原因だったりします。
心理学のObject Relations Theory(対象関係論)では、怒りはsplitting(分離)の一つで、自分を守り、自立し、健全な人間関係を築くための自然な感情とされています。だから、怒ってもいいわけです。
では、どうやって自分の中に沸き上がる怒りと向き合えばいいのでしょうか? 先日、小学二年生の娘が学校(カリフォルニア州の公立学校に通っています)でもらってきたプリントにそれがシンプルにまとめてあったので、ご紹介しますね。
怒りとは
- 怒ってしまうのは、人生の中で普通にあること。
- しかし、怒りをコントロールするのは他の誰でもなく自分。
- 怒りが生まれたら、立ち止まって深呼吸し、10数えて、よく考えて、落ち着きましょう。
何があなたを怒らせる?今までどんなことや人が、あなたを怒らせましたか? 書き出してみましょう。
- (娘の例)学校で何か間違えてしまったときに、笑われたこと。
何があなたを落ち着かせる?怒りの感情を持ったときに、何があなたを落ち着かせますか? 書き出してみましょう。
- (娘の例)ママとパパ、お友達、ぬいぐるみ。
怒りを取り除くためのルール
- 怒りが生まれるとき、自分の身体に起きるサインを確認しましょう。おなかが痛くなったり、歯を食いしばったり、手をグーにしたりしていませんか?
- とにかく深呼吸。
- 1から10までゆっくり数えましょう。
- 怒りをコントロールするように心がけましょう。コントロールできている状態が、気持ちがいいことを知りましょう。
- いったん動作をを止めて、今何が起きているのかをよく考えましょう。
- あなたが怒っていることだけでは、周りの人を傷つけません。大丈夫、怒っていいのです。
- 怒っていることを伝えるのに効果的なのは、落ち着いた声であって、ゲンコツではありません。
- 相手にはちゃんと、「キミが◯◯◯すると、ボクは頭に来るんだ」と、落ち着いた声ではっきり伝えましょう。
- 怒りがおさまるまで時間がかかるのは、普通のことです。
- 怒りをおさめるのには、静かな場所で一人になるのも一つの方法です。そこでブツブツ独り言を言ってもいいですよ。
- お友達や、信頼できる大人に話してみましょう。
- お友達や信頼できる大人から、ハグしてもらいましょう。
- 自分で自分の背中や肩をトントンと軽く叩いて、怒りを外に出してしまいましょう。
いかがでしたか? 自分がどんなときに怒りを感じるのか、そしてどうやったら落ち着きを取り戻せるのか、まず自分を知ることが、anger management(怒りの管理)の第一歩なのですね。
(山内純子)