日本って不思議な国です。日本で暮らしていると、円とだけ付き合っていればいいわけで、その他の通貨を意識することはほとんどないし、街中に両替所があったりもしません。円高だろうと円安だろうと、生活する分には知ったこっちゃありませんし、つまり、自分の円の相対的な価値を考えることは、日々の生活の中ではほとんどないはずです

 しかし、そんな国は実は少数派だったりします。一夜にしてお金が紙くずになってしまう国とか、逆に価値が上がり続ける国とか、実際に存在するわけです。世界中のたいていの人がお金持ちだろうと貧乏だろうと、日本人よりもずっとお金というものをリアルにとらえながら生活しています。少々大げさになりましたが、お金の面でもほんのちょっとだけ、グローバルになってみるために...

「国際キャッシュカード」って今あるの?

以前は、ほとんどの国内大手銀行で発行していたのですが、利用者があまりいなかったのか、大半はもう停止してしまいました。いまでは(外国資本がメインだけど、日本での銀行免許を持つ)外資系邦銀のシティバンクと、新生銀行が持っているだけになりました。このあたりも日本社会の閉鎖性を示してる気がします。ちなみに、僕はシティバンクを持っています。海外への送金のときなどは、手数料の面からも必須になります


海外に証券会社を持ってみる

株や投資といったギャンブルみたいなことには興味ないから、証券会社なんて自分には関係ないと思っている人も多いかと思います。しかし、海外に証券会社を持ってみるというのは、その国の経済のみならず、近隣諸国のリアルな実態がわかり、便利なだけでなく勉強にもなります。別に投資をする必要はないのです。お金なんて大してかからずに口座は開けます。

たいていの証券会社では、独自にニュースを送信するサービスがあり、それらも魅力です。また海外に証券会社を持つと、お金を外貨で預けることにもなるので、そういった面にも敏感になれます(その分リスクはあるのですが)。僕はアメリカのFIRSTRADE(口座開設の日本語解説はこちら)と、タイのSamico証券に口座を持っていますが、どちらも現地に行かずに開設が可能です。日本から口座開設ができる銀行もいくつか出ています。これ以外にも多数あります。


インターネットバンキング

ライフハッカー読者の皆さんなら愛用しているのでは、と思いますが、これはもう日々の生活を大きく変えましたね。ちょっとした買い物はもちろん、家賃等の払い込みなど、家にいながらにしていろんな支払いができます。海外だとさらに必須です。


両替について

最後は、海外旅行者や在住者にしか意味はないですが、正規レートと町中のレートがほとんど一緒というのは、一部先進国以外にはほとんどありません。旅行者などが空港で両替して損をした、と後で憤慨している様子をよく見ますが、これもお金の価値というものをどう認識しているかにかかわってくるのです。


中国で飛行機に乗ったら、全席のヘッドカバーが投資の宣伝だったことがありました。タイでは新卒の社会人一年生が、マンション投資の話をしていました。彼らの経済はバブル状態なわけです。誰もがそういう話を始めたら、バブル経済も末期だなんていわれてますが、お金は決してお金持ちだけのものでなく、僕たち庶民も一生付き合わなくてはならないものです。日本にいると、円というものが絶対的に強いため、お金というものに関しての感覚が麻痺してしまいます。たとえ貯金はなくとも、経済の視点だけはグローバルにしておきたいものです。

ライフハッカー[日本版]編集委員・早川大地)