毎年のように手帳を変えても、忙しさからは解放されません。何種類ものマーカーを使い分けたり、ポストイットを使ったりと工夫を加えてみても、それは同じ。

理由は簡単。仕事を速くするためには、「スケジューリング(予定の立て方)」をマスターすること、言い換えると「手帳の正しい使い方」を覚えることが鍵だからです。

仕事が速い人の手帳を見ると一目瞭然。時間に振り回されることなく、時間の主導権を持つ彼らは、予定を「入ってくるもの」ではなく「自らが埋めていくもの」と考えています。結果、来月、再来月の予定も書き込まれており、やるべきことが明確なのです。

しかし、企業研修講師として時間管理研修を提供するなか、私が見る限りでは多くの人の手帳はそうなっていません。

そこで、今回は仕事を速くする「スケジューリング・手帳活用術」について解説します。

時間を無駄に消耗しない「優先順位」の見極め方

冒頭で、予定は「自らが埋めていくもの」といった通り、まずは「重要度」の高い予定から先に埋めていきましょう。

下図のように「重要度」「緊急度」で整理すると良いでしょう。もっとも優先すべきは、この2つが高いタスクです。   

次に見るべきなのが「第2領域」。つまり緊急性は低いものの、重要度が高いタスクを2番目に優先します。ここは、あなたの「未来への投資時間」に該当するからです。

一方多くの人が、何が自分にとって「第2領域」のタスクなのかを整理せずに、業務に翻弄されて無駄に時間を消耗しているのです。

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Image: らしさラボ

ぜひ、あなたにとっての「第2領域」を考えてみてください。「急ぎの仕事に振り回されている場合ではない」とより強く意識できるはずです。

突然入ってくる「緊急」の仕事については、「第3領域」であるスキマ時間でこなせるように予定を調整すればOK。そのためにも、先々の予定を埋める際に「特急仕事」を処理するための時間を確保しておくことも重要です。

時間の達人が選ぶのは「1週間型バーティカルタイプ」

手帳はアナログであろうが、デジタルであろうが、基本的には使いやすいものを選ぶのがベスト。

でも、1日の予定が3件以上あり、かつ“時間の達人”を目指すなら、曜日ごとの予定を時間帯別に記入できる「1週間型のバーティカルタイプ」をオススメします。

理由は次の2つ。

1週間型バーティカルタイプのメリット

  1. 一瞬で1週間を俯瞰できる
  2. スキマ時間を可視化できる

「なる早でお願い」と言われた時、後先を考えずスグに対応しているようでは、自分のぺースで仕事ができなくなります。

仕事をゲームにたとえると、この“仕事のゲーム”を征するのは、スグやる人ではなく「時間の主導権」を持つ人。だから、一目で「この曜日」の「この時間」で対処すれば良いとわかる「1週間型バーティカルタイプ」が最適なのです。

仕事のできる人が手帳にメモする「ある予定」

こんな出来事に遭遇したことはありませんか?

・返事をもらおうと催促の連絡をしたところ、相手が出張のため不在にしていた…。

・仕事をお願いしようと思っていたら、有給休暇で休みだった…。

そうならないために“時間の達人”がしていることがあります。それは、「相手の予定を把握しておくこと」。そしてそれを手帳にメモしておくとさらに確実です。

たとえば、あなたが営業職だとして、お客様にあるプランを提案したとしましょう。

先方は1人で決めるわけではなく、まずは課長、その次に部長…と社内で稟議を回すことになります。担当者は、その都度上長に説明を行なうわけです。

そんな時、“時間の達人”は次のように提案します。

「今週の会議で部長にご提案する予定でしたよね。お返事を3日以内にいただければ、スグに動かせるのですが、可能なものでしょうか?」

こうしたことを伝えられると好印象につながるでしょう。

つまり、「スケジュールを自分の予定だけでなく相手の予定を考慮したうえで設定する」ことが、仕事のできる人がやっている時間管理の習慣なのです。

なお、「1週間型バーティカルタイプ」の手帳を使用している場合、相手の予定もメモしておけばさらに一目瞭然です。

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今回は、予定・時間管理を円滑化する「スケジューリング・手帳活用術」について解説しました。このセオリーを取り入れて、改善できることがないか、考えてみることをおすすめします。

そして、まだやるべきことがあれば、早速次の機会に試してみてください。今回の内容が、皆さんの仕事効率アップの一助になれば幸いです。

伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に15万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『できる営業は、「これ」しかやらない(PHP研究所)』のほか、新刊の『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(アスコム)』をはじめ、他多数の書籍がある。

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