世の中、コーヒーが注目されることが多いですが、お茶派もいますよね。今日は米lifehackerから、アジアを旅してお茶に出会ったという、シカゴ出身のTony Gebelyさんのお茶豆知識を紹介します。
Tonyさんは「Chicago Tea Garden」というオンラインストアの運営や、「World of Tea」というサイトで、お茶に関する啓蒙活動を行っています。
■そもそもお茶とは何?:端的に言うと
すべてのお茶は、カメリアシネンシスという植物が原材料です。違う植物(カモミール、ミント、ルイボス)を原材料として作られたものは、厳密にいうとお茶ではありません。
白茶、緑茶、ウーロン茶、黄茶、紅茶、プーアール茶は、すべてカメリアシネンシスから作られています。摘み取った茶葉をどう加工するかで、種類が変わってきます。
お茶には、アミノ酸の一種のテアニンという物質が含まれていて、カフェインと一緒に摂取することによって、心の集中ができるとされています。
基本的なお茶のいれ方は、茶葉をお湯に浸し、飲む前に茶葉を取り除くというものです。茶葉の酸化の度合いと、お湯の温度は比例します。
■そもそもお茶とは何?:科学的に説明すると上記のように、お茶にはテアニンが含まれています。日本やイギリスでの研究(英文)から、50mgのテアニンを摂取すると、脳のアルファ波の活動が活発になり、その後80分間はその状態が続くことが明らかになっています。この50mgのテアニンは、およそ3杯のお茶に相当します。
アルファ波が出ているということは、リラックスしつつも何かあったときにはすぐ対応できる状態、言い換えれば、反応すべき刺激にだけ反応し、余計なことに気を取られないで作業に集中できる状態です。お茶に含まれるテアニンの効果は、コーヒーでは見られません。ちなみに、下はテアニンの化学式です。

つまり、お茶を飲むと、集中して作業する必要のあるときや、気持ちの乗らない午前中、一日の終わりなどでも、高い洞察力を保てます。ただ、一つ納得がいかないのは、ティーバッグのクオリティです。
最近では、よく工夫して作られた三角錐タイプのものもありますが、一般的な平べったいティーバッグに入っている茶葉は、様々な質ものものがブレンドされていたり、後付けのフレーバーが含まれているものもあったりします。
■知っておいた方がいいこと繰り返しになりますが、お茶と呼べるのはカメリアシネンシスからとれたもののみです(上の画像)。
茶葉によっては、20回以上お湯を注いでも出がいいものもあります。他のものでも数回は出ますが、香りは次第に弱くなっていきます。
お茶を買うときには、その茶葉がどこで栽培されたか、どう加工されたか、いつ摘み取られたかを明らかにしているお店を選びましょう。
■お茶をいれる
お茶をいれるときは、茶葉がお湯の中で動くスペースが十分にあるか、気を配ってください。平べったいティーバッグや、小さい密閉型の茶漉しでは、おいしいお茶はいれられないので、茶葉を直接お湯に浸して十分に泳がせてから、飲む前に漉すのがいいかもしれません。茶漉しにお湯を注ぐ場合は、上の画像のような大きめなものを使うことをお勧めします。
茶葉の種類にもよりますが、注意したいのはお湯の温度と浸しておく時間です。ちなみに、お茶の98%は水なので、いい水を使ってください。塩素の強い水はお茶には不向きです。一般的に、酸化が強い茶葉には高温のお湯を使ってください。説明書通りにいれるよりも、自分好みの香りや味を見つけ出すまで、いろいろ実験してみると楽しいです。渋かったらお湯の温度を下げるとか、あまり濃く出ていなかったら浸出時間を長めにしてみるとなど。
Tonyさんのお店、「Chicago Tea Garden」では、次のようなガイドラインを示しています。(150°Fは約65℃、170°Fは75℃、195°Fは90℃、212°Fが100℃です。)

温度は目安なので、きちんと測る必要はありません。たとえば195°F(90℃)なら、お湯を沸騰させてからやかんを下ろし、1分ほど待てば大体そのくらいになります。これも実験のうちなので、沸騰させて何分待ったら自分好みのお茶をいれられるか、いろいろ試してみてくださいね。

お茶のいれ方について、もっと極めたいという人は、中国の宜興市で作られた蓋碗という陶器を探してみてください。また、エネルギー補給には抹茶がおすすめだそうですよ。茶葉の粉末を飲むことになるので、他のお茶を飲むよりも効果があるとのことです。
心を鎮めるためにお茶をいれてみたいという人には、「Gongfu Tea Ceremony」はいかがでしょうか? オランダ人がゆったりとウーロン茶をいれている動画(英語字幕付き)がこちらにあります。茶葉は冷暗所で保存してください。賞味期限は摘みたてならば2年ほどですが、酸化加工されたものは、もう少し早く飲みましょう。
忙しい師走を乗り切るのにも、ほっと一息つくのにも、お茶は有効なツールになりそうですね。
Hacker's Guide to Tea [World of Tea]
Tony Gebely(原文/訳:山内純子)