メール、SMS、チャットなど、テキストベースのコミュニケーションを一元化してくれる、Facebookの新機能「Messages」。様々なコミュニケーションツールを統合し、アプリケーションやデバイスをあちこち移動することのない、スムーズなコミュニケーションの実現を目指しています。
また、様々なチャネルを通じて受信する多くのメッセージを整理しやすくし、ユーザに、重要度に応じたメリハリのあるコミュニケーションを促すことも狙いのひとつだとか。では、この「Messages」は、具体的にどのようなコミュニケーションを実現してくれるのでしょうか?
1: 一元化されたメッセージハブができるFacebookの「Messages」の目的は、一つの場所にテキストベースのコミュニケーションを集めること。Facebookがほとんどのチャンネルで会話してくれるので、ユーザがどんなデバイスを使うか、どうやってコミュニケーションするかは、問題ではなくなります。
「そもそも、メッセージを一元化することが便利なの?」と感じる人もいるかもしれませんが、スマートフォンを見れば、その有用性は明らかでしょう。スマートフォンは、メール・SMS・インスタントメッセージ・通話など、異なるコミュニケーションを統合してくれる、素晴らしいコミュニケーションツールです。Facebookの「Messages」機能は、このパラダイムをコンピュータ上で実現しようとするものです。
2: コミュニケーションがスピードアップする Facebookは、メッセージを統合することにより、コミュニケーションのスピードアップを狙っています。これは従来のメールではなかなか実現しづらいものでした。なぜならメッセージを送信するときに、メッセージの本文のみならず、表題や送信先、CC先を決めるなど、入力しなければならない情報が多いからです。「Messages」は、コミュニケーションをシンプル化し、「書いている」というよりは「話している」感覚でのコミュニケーションを実現。特に若い世代に好まれる、スピーディなコミュニケーションができるのです。
3: メッセージを効果的にフィルタリングする Gmailの「優先トレイ」機能は、どのメッセージが重要かを判断し、ソートするというユーザの習慣を実装しました。Facebookも同様のことを、送信元ユーザの属性で実現しようとしています。Facebookに自分のリアルな友達を正しく伝えておけば、Facebookがその「お友達」とコミュニケーションしやすいように取り計らってくれます。具体的には、プライバシー設定で「自分がコミュニケーションしたいユーザ」として設定すると、そのユーザとのメールやテキスト、インスタントメッセージが保存される「受信トレイ」が作られたり、友達リストに載っていないユーザからのメッセージのための「受信トレイ」が生成される仕組み。送信元ユーザの重要度によって、メッセージが自動的に仕分けされます。
4: Facebookは自分が望むように機能してくれるFacebookは、ユーザについて知りうることをベースに、ユーザのコミュニケーションをより効果的にしてくれます。Facebookの基本的な考え方は、ユーザがコミュニケーションしたい「お友達」と効果的にコミュニケーションさせ、そうでない「お友達」にはコミュニケーションの手間を取らせないというもの。
実際は知り合いではないユーザが大量に「お友達リスト」に登録されている場合、この仕組みは特に便利です。Facebookは、自分がこうやって使いたいと思う方法で、活用できます。
ユーザ同士の、より効率的で効果的なコミュニケーションを実現すべく、日々進化しているFacebook。とはいえ、まだ完璧でない面も...。たとえば、スパムの悪用リスクで問題となった「グループ」機能は、自分の知らないところで勝手にグループへ追加されていないか、ユーザがFacebookを定期的に「監視」しなければならない、というデメリットがありました。Facebookにひとつ注文をつけるとすれば、新機能を導入するか否かを、ユーザ側に選ばせてくれるといいかもしれませんね。
とはいえ、Facebookファンの方も、そうでない方も、日々、複数のコミュニケーションツールを駆使している方々には、Facebookの「Messages」は魅力ある新機能といえるのではないでしょうか。Facebookの「Messages」は招待ベースで利用可能。この機能を使ってみたい方は、まずはこちらのページから、招待リクエストを送っておきましょう。
Adam Dachis(原文/訳:松岡由希子)