編集委員のひらたです。

東京は一気に寒くなってきました。秋を通り越して一気に冬になってしまいそうな勢いです。ああ、まだいろいろ食べていないものがあるのに...。という冗談はさておきまして、先日、Apple で Back to Mac というイベントが開かれて、Mac OS X の最新版 Lion とともに MacBook Air が発表されました。中継が終わった直後、オンラインの Apple Store が開店するとほぼ同時に、新型Air Buy Now したところ、やっと届きましたので、レビューをお送りしたいと思います。といっても、すでに標準モデルは店頭に並んで Gizmodo などにもベンチマークやレビューやらが多数でていますので、わたしなりの視点、主に、これまで使ってきた初代Airとの比較でいろいろ語ってみたいと思います。

 まず、購入したモデルですが、Airを購入する理由は持ち運べる最軽量のMacであることなので、もちろん11インチ。1.6GHz モデルをベースに CTO してメモリは 4GB、SSD は 128GB にそれぞれ増設したものにしました。

最大にしたのは、基本、後から増設できないからです。いや、もちろん、がんばれば出来るんですけどね。ともかく、Mac OS X は富豪な作りをしていますので、基本、最大にしておくのが吉です。普段だと、メモリなどは非常に高価のですが、今回のモデルは増設モデルの差額もリーズナブルだと思います。

あ、ちなみにキーボードはUS配列。もう長年US配列で慣れてしまったので、いまさらJIS配列には戻れません...。あと、VGAケーブルも購入でチェックしておいたところ、ちゃんと箱に入ってきました。別パッケージになっていないのはエラいですね。

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そうそう、購入時で忘れてはいけないのがAppleCare Protectionへの登録です。というのも、わたしが購入した Apple 製品の大半、特にノートブックタイプについては、ほぼ例外なく修理に出しています。原因はさまざまなんですが、Apple 製品は壊れても泣かない、という忍耐強さと寛容さを求められます。そうそう泣かないためにも、このAppleCare Protection、Appleの回し者ではありませんが、登録を強くお勧めします

発注したのが10月20日未明、発送は10月23日、到着は10月26日の午前中でした。CTOモデルを購入するときには、若干、日程の余裕を見ておきましょう。

で、到着したMacBook Air 11インチを早速開封しました。初代Airと比較するとあきらかに一回り小さいです。初代もUniBodyだったような気がしますが、おなじ薄いといっても小さくなったからでしょうか、剛性感が増して薄過ぎの不安は感じません。フットプリントをA4用紙と比べると横幅はちょっとオーバーしますが、縦幅はA4より小さいです。ということで、A4ノートが入るカバンであれば、きっと問題ないでしょう。

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サイズを楽しんだところで電源の投入です。

手順はいつもとかわらないのですが、ディスプレイが綺麗な感じがしました。初代と比較すると、11インチにサイズダウンしているにもかかわらず、画素は1280x800から1366x768になり、ピクセル数で比較すると2.45%アップ、解像度は113ピクセル/インチから、135ピクセル/インチへと約20%もアップです。いや、その分、字が小さくなるので、視力に自信がないと活かしきれないかもしれませんが。

その後、自分で使うようにひとつずつセットアップです。インストール中もSSDの恩恵なのか、動作がキビキビしていてあまり待たされる感じがありません。初代AirはSSDに換装してあるんですが、それ以上に早い感じを体感できるのは、I/Oボトルネックがうまく解消されているのか、それともGPU搭載の恩恵でしょうか。

マシンのセットアップですが、今回は「Transfer Assistant」すなわち「移行アシスタント」は使わずに、アプリケーションを個別にクリーンインストールしました。ちょっと時間がかかります。

あと、データの移行ですが、いまどきのデータの移行は簡単です。KeyChainなどはMobileMeのアカウントを設定、データ類はDropBoxをインストールしてアカウントをいれるだけ。あとは「同期」するだけで、ほぼ普段通りの環境を構築することができました。同期にも一日もかからないですね。メールなど、ほとんどサーバ側というかクラウド化されているので、これで移行は完了です。

ということで、この原稿は MacBook Air 11インチで書いています。ほぼ一日しか使っていませんが、不自由がないというか、使い勝手としてはとても快適。ありとあらゆるアプリの起動時間が短くなりました。発熱もヒンジに近いところがちょっと熱くなるくらいでパームレストはほんのり暖かくなるくらいですね。

初代Airに比べると、重さも動作も軽くコンパクトになって、なおかつ、お値段も安くなっています。初代には発熱で、アッチッチになったり処理速度が遅くなったりする問題があったのですが、その心配は、少なくともいまのところはないようです。

なんか書いているといいことずくめのように思えてくる新型のAirですが、死角がないわけではありません。いくつか例を上げるとこんな感じでしょうか。

  • やっぱりCPUのスペックは変わっていません。激しくマシンパワーを必要とする重い処理、例えばApertureなどをバリバリ使うとグッときます。
  • *DVD/CD ドライブは別売で入手可能ですが、基本的にはセカンドマシンだと思います。
  • *USB ポートが2つになったけど、ディスク容量など、基本、拡張性を期待してはいけません
  • そういえば、こっそり(?) Apple Remote の赤外線受光部がなくなっているような...プレゼンであわてないようにしないと。

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そういえば、iPad との使いわけもみなさん気にする話題です。

わたしにとっては明快で、仕事の道具としてどうしても、互換アプリではなくマイクロソフトのOfficeを使う必要がどうしてもあること、あと滅多にありませんが、イザというときには Terminal が自由に使える環境も必要だということ、この2点です。

逆にいうと、個人の用途だけで、メールやメモや写真の整理だけなら、iPadだけでも結構使えます。画面サイズも解像度もワイドになっただけでほとんど変わらないですからね。いや、あとちょっとで、iPad だけでも、もっと使えるんだと思うんです。しかし、ちゃんとしたMacであることが必要なわたしにとっては、一番小さな持ち運べるMacとしての価値が高いと思いました。はい。

見た目や大きさ以上にディスクの性能でキビキビ感が次世代の MacBook Air、初代Airでがんばってきた人にはとてもお勧めです。ぜひぜひ。

ライフハッカー[日本版]編集委員・平田大治)