音楽のリズムが、運動のパフォーマンスを左右することは、さまざまな研究からわかっています。今回はそれを活用して、エクササイズに最適な音楽プレイリストを作ってみましょう。
■科学速い音楽がエクササイズに効果的なのは、なんとなく誰もが感じているかと思いますが、去年発表された研究結果(英文記事)によると、「速い音楽と運動パフォーマンスは、直接的に関係がある」そうです。
テストの1つでは、参加者のボランティアに、ポピュラー音楽の曲を渡し、それを聞きながら自転車で走行してもらったそうです。参加者には、通常の再生速度のもの、再生速度を10%落としたもの、再生速度を10%上げたもの(3つとも同じ曲)を、何人かに分けて渡し、運動パフォーマンスの差を比較。参加者は、再生速度が違うことを聞かされていなかったにもかかわらず、運動パフォーマンスには大きな差が生まれたそうです。
テンポの落ちた曲を渡された参加者は、ペダルの回転数、心拍数、走行距離が落ちました。彼らは、あまり曲が好きになれなかったと報告しています。一方で、再生速度が10%速い曲を渡された参加者は、より長い距離進み、ペダルの回転数や心拍数も上昇しました。さらに、曲を心地良いと感じた参加者は、テンポを落としたものを渡された参加者より、36%多かったそうです。しかし、決してワークアウトを楽と感じたわけではなく、ハードワークだと感じた人の数は、他に比べて2.4%多かったとのこと。
テンポの速い曲は、エクササイズの辛さは軽減してくれないようです。ただし、運動へのモチベーションは高まったと考えられます。つまり「音楽のテンポを速くすると、運動に対するモチベーションが上がり、エクササイズの辛さを受け入れやすくなる」と言えそうです。
■選曲
米Lifehackerでは、以前、エクササイズに最適な曲のBPMは120~140と、ご紹介しました。でも、BPMってどうやって計測するの? という方に、アナログな計測法を、お教えします。
4拍子の曲であれば、1234、2234、3234...(1123、2123、3123...でもOK)のように、小節数を数えていきます(3拍子だったら、123、223、323...)。30~60秒ほど数えれば(長い時間数えるほど精度は上がります)、BPMを「拍子×1分/数えた秒数×小節」で算出可能です。上の動画では、4拍子の曲で、30秒間の間に17小節あったので、「4×2×17=136BPM」になります。
数えるのが面倒という方は『BPM Calculator』(Windows) や『BPM Assistant(Mac OS X)』を使えば、曲にノリながらタップすることで、BPMを計算できます。■曲順
「Nike+」(記事後半)には、iPod上のテンポの速い曲を「パワーソング」として、エクササイズ終了間際に再生してくれる機能がありました。モチベーションを上昇、スピードをブーストさせる助けをしてくれるわけです。
このアイデアを応用して、プレイリストを作ってみましょう。ランニングの距離が長くなっていくのに合わせて、BPMも上げていったり、坂に差し掛かるあたりで最速の曲をセットしたりと、自分のエクササイズに合わせて、曲を並べましょう。「パワーソング」が必要な場面を、よく考えて曲をセットすれば、エクササイズに最適なプレイリストができるはずです。
もっと良いエクササイズプレイリストの作り方があるぜ! という方は、コメント欄への記入お願いいたします。
Phys Ed: Does Music Make You Exercise Harder? [New York Times]
Adam Dachis (原文/訳:松井亮太)