倹約家、節約上手、ケチ...。
表現は様々あれど、無駄を省いて、出費をできるだけ抑えることを実践している人がいます。彼らには、何かしらの共通点はあるのでしょうか? このテーマについて、ファイナンス系メディア「Daily Finance」が専門家にインタビューしています。
Jeff Yeager氏は、300人以上の「自称ケチ」さんたちにインタビューを行い、この内容を著書『The Cheapskate Next Door: The Surprising Secrets of Americans Living Happily Below Their Means』にまとめました。そんなYeager氏が、ファイナンス系メディア「Daily Finance」で行ったインタビューを通じて、多くのケチさんから学んだポイントを語っています。
まず、Yeager氏が驚いたのは、ケチさんの多くは、お金のためにケチケチ生活をしているわけではないということ。宗教的信念や環境意識など、より大きな信念を持ち、人生には、お金やモノより大事なものがたくさんあることを自覚しながら、クリエイティブな工夫を凝らして、そのライフスタイルを営んでいるそうです。
また彼らは、自分が本当に求めているものが何たるかを知り、それ以外のものは無視できるとか。ゆえに、住宅ローン以外の債務を抱えている人は、5%程度だったそう。中古品を利用する傾向も見受けられたようですが、新品よりも割安だという理由のみならず、むしろアンティーク家具や車などでは、今後、さらに価値が上がりそうなモノを見越して今買っておく、というツワモノもいたそうです。
社会学の観点からは、これまでも「一定レベルを超えると、より多くのお金とモノを持つことは、必ずしも人々の幸せにつながらない」ことが指摘されていますが、実際、ケチさんたちの幸福度はどうなのでしょうか?
Yeager氏は、この点についても調査。その結果、米国人は通常、自分が購入した物品の80%に対して、何らかの後悔の念を持つそうですが、ケチさんたちは、その割合がわずか10%程度だったとか。つまり、ケチな人のほうが少なくとも、買い物に対するストレス度は低いようです。また、Yeager氏がインタビューした人の90%が、「普通の人よりも自分のほうが、お金にまつわるストレスが少ないと思う」と答えたそうです。
自分にとって、必要なものとそうでないものをきちんと自覚し、創意工夫で生活をより便利に豊かにすることこそ、ケチの極意であり、ライフハックの真髄かもしれませんね。「ちょっとケチの垢でも煎じて飲んでみようかな...」と感じている方は、ライフハッカーアーカイブ記事「ケチな(自称)Kenさんが伝授する、上手なお金の使い方」なども実例として、参考にどうぞ。
The Cheapskate Next Door: Author Jeff Yeager Shares Secrets of Happiness
[DailyFinance via The Consumerist]Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)