梅雨が明けたら暑い夏がやってきますね。そんなときに、あえて「熱について考えてみた」という記事が、米lifehackerにありました。小学校高学年から中学レベルの考察なので、さっと読めますよ。
■熱力学の視点から熱を理解するということは、エネルギーについて考えることです。熱力学によれば、エネルギーというものは造り出すことも、破壊することもできません。エネルギーは移動を続けているのです。たいていの場合は、エネルギーが熱になり、熱が何か他のものに変化しています。たとえば、熱が光になったり、力学作用から熱が生まれたりしますよね。
熱力学には、もう一つ法則があります。それは「熱は高い温度から低い温度へ移動する」というものです。小学校の記憶がよみがえってきましたか? たとえば、温めたスプーンと冷たくしたスプーンを重ねた場合、冷たさは移動しませんが、熱は移動するので、冷たかった方のスプーンが温まります。誰かをあたためてあげたいときに、ハグするのも、理にかなっているというわけです。そして、両者の温度が同じになったときに、熱の移動は止まります。
■ということで、暑いときにはどうするか
暑さ対策は太陽の光との戦いです。でも、上の法則から考えると、太陽と私たちの熱が同じになったときに、熱の移動が止まるわけですから、勝てるわけのない戦いですよね。じゃあどうするかというと、まともに戦うのではなく、熱をブロックすればいいのです。つまり、室内に入るということです。

しかし、家の中にいるからといって、完全に熱から逃げられるわけではありません。熱は常に、温度の低いところを探して移動します。家の中も例外ではないのです。クーラーを入れるというのが、一番簡単な解決法ではありますが、米lifehackerの読者のThomas Templeさんは、こんな方法を提案しています。
- 西向き、南向きの窓を遮光する。カーテンを閉めて、電気をつけざるをえなくなっても、暑さ対策にはなります。
- 夜の間に換気をして、昼間はなるべく外気を入れない。
暑さ対策のできていない家でも、この二つの方法で、かなり家の中が涼しくなります。逆に、温度環境を十分考慮して建てられた家の場合、エアコンはほとんど必要なくなることでしょう。実際、北アフリカにある古代様式の家は、暑い時期の昼間でも、中はひんやりしています。ただし、これは湿度の低い気候であることが条件なので、日本ではあまり期待できないかもしれません。
光を遮断するだけでなく、家の中で、どこから熱が発生しているかを知っておいた方がいいです。電気を消したり、使っていない機器の電源を切ったり、オーブンや乾燥機を使わない、食洗機では冷たい水を使うなどして、熱の発生源をブロックしましょう。
■熱膨張物質を温めると、その粒子の活動が活発になります。粒子と粒子の間の距離が開くことによって、膨張が起こります(熱によって収縮するものもまれにあります)。熱気球がいい例ですね。元記事を書いたAdam氏は、あんたバカァな動画を貼り付けています...。
熱膨張はうまく利用できる
■光と熱の吸収
黒っぽい服装をしていると暑い、というのはよく聞きますよね。それは、白っぽい色が光を反射するのに対し、濃い色は光を吸収しやすいからです。
じゃあ、白い服を着ればいいと思いがちですが、どうやらそう簡単なことではないようです。なぜなら、白い服を来ているあなたの身体も熱を放出しているので、白い服を着ていると、中から生まれた熱を内側からブロックしてしまうのです。つまり、熱が服の外に出ていかないことになります。なので、薄手でゆったりしたデザインの黒いシャツを着れば、風が吹いたときに、身体の中から出た熱を外に出しやすくなります。これも、いい風が時折吹いてくる、乾燥した気候であることが条件になりますが...。
暑い夏に、クーラーの力を借りずに乗り切るのは不可能かもしれませんが、熱の特性を頭の片隅に置いて、ちょっとだけエコな夏を過ごしてみませんか?
Adam Dachis(原文/訳:山内純子)