1~2度使ったきりの蜂蜜、買いそろえたものの、あまり活躍の場がないハーブなど、「腐ってはいないようだが、本当に使えるのか?」と、疑心暗鬼になってしまう食品はありませんか? こちらでは、キッチンに常備されている食品の保存方法と、その期限について、いくつかご紹介しましょう。
米フード誌「Cooks Illustrated」では、キッチンに常備されている代表的な食品に関し、その望ましい保存法と消費期限について、以下のように述べています。
1: 小麦粉小麦粉には湿気が大敵。紙袋のままで保存せず、必ず真空容器に移し替えること。また、小麦粉に含まれている天然油分が、数ヶ月経過すると、においを発するようになる。全粒小麦粉を少しづつ使う場合は、大きめのジップロックにパッケージのまま入れて、冷凍庫で保存しよう。
2: 甘味料グラニュー糖は、真空容器で保存すれば、いつまでも使える。
ブラウンシュガーは、数ヶ月で岩のように硬くなる。真空容器で保存すれば、乾燥するまでのペースを、緩めることはできる。一度硬くなった砂糖を復活させる方法としては、ボウルに砂糖の固まりを入れ、食パンを加えてボウルをカバーし、10~20秒電子レンジにかけるとよい。
蜂蜜はいつまでも使える。冷蔵庫で保存すると、結晶化してしまうのでNG。時間がたって、フタがベタベタに固まるのを防ぐには、ペーパータオルにサラダ油を浸し、瓶の周りを拭いておくとよい。
メープルシロップは、蜂蜜よりも水分を多く含むので、カビや細菌に気をつけよう。開封後、冷蔵庫で保存すれば、1年はもつ。未開封であれば、常温で2~3年は大丈夫。
3: チョコレート チョコレートは、冷蔵庫や冷凍庫に入れない。表面が白い粉を吹いたようになってしまう。開封したチョコレートバーは、ラップにきちっとくるんで、涼しいところで保存しよう。ミルクチョコレート・ホワイトチョコレートなら6ヶ月、セミスイートやビターなら1年は大丈夫。
4: 油油には光が大敵。涼しいところで保存していても、オリーブオイルやごま油など、香りのある油は、数ヶ月でいやなにおいを発する。ごま油は冷蔵庫で保存するのが、お勧め。一方、オリーブオイルは冷蔵庫に保存すると濁るので、常温保存とし、あまり買いすぎないこと。収穫日や消費期限のチェックも忘れずに。ちなみにオリーブオイルは、収穫日から1年以内の使い切るのが理想。
キャノーラ油やサラダ油は、1年以内に使いきろう。においがあったら、廃棄する。また、フタはきちんと閉めること。フタがゆるくなっていたら、その油は捨てたほうがよい。
5: 香辛料・ハーブ 挽く前のスパイスは、挽いたスパイスよりも、2倍長持ちする。挽いたスパイスは1年経つと、味が飛んでしまう。購入日を瓶などに書いておき、「いつ買ったものか」を確認できるようにするとよい。乾燥ハーブの風味を最大化させるには、ふるいにかけるか、指でハーブをこすりながら、オリーブオイルなど、香りのある油に入れると効果的。
6: 卵 冷蔵庫の卵トレイには卵を入れない。卵トレイは、たいてい冷蔵庫のドア部分についていて、ここは開閉の影響で温かくなりがちだからだ。紙パックのまま、冷蔵庫の棚で保存しよう。紙が冷蔵庫のにおいの吸収を妨げてくれる。
7: バターバターは、冷蔵庫に保存すると、ラップをしていてもにおいを吸収し、数週間で、いやなにおいを発するようになる。冷凍庫に保存するほうが望ましい。
8: コーヒー 挽いたコーヒー豆は冷凍庫で保存すること。真空容器に入れていても、数週間でザラザラし、苦くなる。冷凍庫に保存したコーヒー豆を10分間、常温に置けば、美味しいコーヒーが淹れられる。
9: ナッツ類 ナッツは冷凍庫に保存すれば、最低6ヶ月は新鮮さが保てる。開封したものは、涼しいところで保存しても、早くにおいが出てくる。
10: ふくらし粉などイースト、ベーキングソーダ、重曹は、時間が経つにつれて威力がなくなる。イーストは冷蔵庫、もしくは冷凍庫で保存し、消費期限に従うこと。ベーキングパウダーと重曹は、6ヶ月経過すると効果が落ちる。涼しいところに保存して、開封日をパッケージに記録しておこう。
このほか、食品の期限については、ライフハッカーアーカイブ記事「食品にまつわる様々な 期限~結局、いつまで食べられるのか?」もありますよ。これらのコツを参考に、貴重な食品を無駄にすることなく、できるだけ長く美味しい状態で利用しましょう。
Keeping Kitchen Staples Fresh [Cooks Illustrated]
Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)