いよいよ日本でも、先週金曜日にiPadが発売されました。
ライフハッカー読者諸兄であれば、各所のレビューで、すでにご承知のこととは思いますが、改めて言います。
iPadは書類を閲覧するのに、現時点では最適な端末だと言っても過言ではないでしょう。モバイル端末としても、据置端末としても、その使いやすさは格別。でも、そんなiPadも中に読みたいデータが入ってないと、その便利さは味わえません。
そこで、iPadに読みたい、または読まなきゃならないデータを保存するアイテムとして、キヤノンのドキュメントスキャナー「DR-150」が、かなりオススメできるので、iPadと連携した具体的な使い方を中心に、ご紹介したいと思います。
■メモ入りレジュメをスキャンして、より情報量の多い議事録作り出席者はもちろん、欠席者への情報共有に、そして意識のすりあわせに欠かせないのが、会議の議事録です。話し合った内容や、決定に至るプロセスが記憶に残らない、なんていう甲斐のない会議を防ぐには一番効果的な方法です。議事録の出来が、会議の質を左右すると言ってもいいでしょう。
テキストをまとめただけの議事録でもかなり有用ですが、より会議を活性化させる方法として、議事録の情報量を増やしてみるのはいかがでしょう。情報を増やすには、書記を増やしたり、入力スピードを上げるのもアリですが、ヒューマンリソースを増やすのはライフハッカーらしくありません。そこで、DR-150の出番です。
出席者に配った会議のレジュメを、終了時に一度回収し、メモごとまとめてDR-150でスキャンしちゃいましょう。スキャンしたPDFデータを、テキストで打った議事録と一緒に、関係者へ配布します。これなら、走り書きや思いついたのに声には出さなかった内容も、メモで残せますから、書記が聞き漏らした情報も全員で共有できます。あとでスキャンすると知っていれば、タイミング悪く言いそびれたことも、しっかりデータに残ります。あとで「あー、あれなんだっけ」って言われることが、案外ポイントだったりするんですよね。
継続する会議ならば、議事録をEvernoteにアップして、アーカイブにするのもいいでしょう。ここでiPadを使えば、複数人でも見られるし、無駄な紙資料もなくせますね。途中からの参加者も経緯を一目で理解できるうえ、議論の推移もメンバーで共有できます。一人で見るにも、みんなで見るにも、DR-150+EvernoteとiPadとの相性は良すぎです。
DR-150に同梱されているソフトウェア「CaptureOnTouch」にはEvernote連携機能がデフォルト装備。WindowsでもMacでも、ワンクリックでスキャン&Evernoteへアップロードできます。
AbuRasusを使っているような、手書きメモ派が会議のメンバーにいたなら、そのメモ紙をスキャンさせてもらっちゃいましょう。手書きメモになれている人のメモと、議事録とが重なれば、情報量がかなり増えること請け合いです。また、仕事ができる人の会議メモテクニックも盗めますよ。手書きメモソフトという手もありますが、紙+筆記用具の汎用性にはまだまだ追いつきません。
■現実的に一緒に持ち運びできるiPadとDR-150の組み合わせライフハッカーでは過去にiPhoneのカメラをスキャナー代わりにするDIY(その1、その2)や、撮った書類写真をスキャナー風に補正してくれるソフトを紹介してきました。また、iPhone用のスキャナーアプリを使っている方も多いでしょう。
たしかに、DIYも、カメラで撮った写真を台形補正したりするのも、たいへん楽しいです。でも、それは往々にして最初だけ。もしくは、作業するまでが一番楽しいのかも知れません。
書類スキャンの頻度が1ヶ月に1~2回程度であれば、DIYするスキャナー風なものや、スキャナー風アプリでもストレスはたまりませんが、まとめて何枚もスキャンするときや、頻繁にスキャンする場合は、やはり本物のスキャナーの方が圧倒的に効率がいいものです。
DR-150の利点は「現実的に持ち運びできるサイズ」という点。似たサイズとしてはタバコのカートンです。ちょうどカートンを一回り小さめにしたくらいのサイズで、マチのあるカバンの底にピッタリはまります。ゴテゴテとした突起や段差がない筐体は、ケース無しでもカバンに入れやすいですね。移動時に最小限必要なものは本体とUSBケーブルが1本。これだけです。
厳密に言うと、母艦となるPCが1台必要ですが、Windowsマシンであればドライバを事前にインストールせず、接続するだけで使えるモードがあります。。つまりWindowsの入ったネットブックがあれば、どんなものでも母艦になります。出先の会議でも、スキャン時にちょっとUSBケーブルを接続させてもらえば、快適にスキャンができます。
スペック表によれば、
USBケーブルのみ:モノクロ 片面 12枚/分/両面 14面/分=7枚/分 (200dpi)
カラー 片面 10枚/分/両面 10面/分=5枚/分 (200dpi)
USBケーブル+ACアダプター or 給電用USBケーブル:モノクロ 片面 15枚/分/両面 30面/分=15枚/分 (200dpi)
カラー 片面 10枚/分/両面 20面/分=10枚/分 (200dpi)
一番多いだろうと思われる、片面でのスキャン速度を比較すると、USBケーブル1本での使用時と、USBケーブル1本+ACアダプター接続時のスキャン速度がそれほど変わらないのも、外出先でのスキャンに役立つポイントです。「ACアダプターを忘れると、とたんにスキャン速度が遅くなる」なんていうありがちなことがないため、相手を待たせる心配もありません。
さて、実際のところ、スペック表のとおりなのか? ということで、動画を撮ってみました。
USBケーブル1本の場合
USBケーブル+給電用USBケーブルの場合片面にモノクロで文字が印刷された、5枚のスキャン速度を比べてみると、USBケーブルが1本のときと、2本のときと、ほとんど差がありません。この低電力でもサクサクスキャンできるストレスの無さは、実際に使用した体験の中でも、特にオススメできる点です。持ち運べてもスキャン速度が遅いんじゃ、モチベーション下がりますしね。
iPadは、恐らく持ち歩いて使う人が多いと思いますが、そんな移動する人にもDR-150の機動性重視フォルム&スペックは、とても相性が良いのです。
■閲覧に最適なiPadとDR-150の組み合わせで、場所も時間も節約できるDR-150と連携させて使うことで、iPadの利用価値が一段と高まりますよ。iPadの購入に二の足を踏んでいるなら、iPadへの投資効果を高めるアイテムと一緒に使うことを想像してみると、踏ん切りがつくかもしれませんね。雑誌に書類に資格試験のテキスト類...。いまあなたが目を通すべき、または、読みたいと思っている紙はどれくらいあるでしょうか? 引越しをしたことがあれば、読んでいない雑誌や書類が、段ボール何箱分かご存知かも知れません。井伏鱒二の言葉を借りれば、そんな読まれないままの紙類は夜な夜な夜泣きしているかも。
そこでiPadとDR-150の登場です。たまりにたまった雑誌と書類を処理するには...
- たまっている書類は、無条件にスキャン。原本が必要なものだけ保存。
- 雑誌は、読むと思われるところ(買うきっかけになった特集など)だけを切り取ってスキャン。
- スキャンしたものは、すべてゴミ袋直行。
- 切り取らなかった雑誌は、古本屋直行。
この4つのルールを厳格に適用するのが一番。例外を認めると、同じことの繰り返しになる危険性が高いのは、ご存知のとおりです。
すべてスッキリとiPadのなかに収まれば、スペースが空きますし、読む機会がなかった書類や紙に目を通す契機にもなります。いつでも読める安心感に耽っているのは「ただの家賃の無駄遣い」と言えるかも。iPadなら移動中の時間でも、じっくり読めますから、隙間時間の有効活用にもってこいです。
(常山剛)