「その話、いま重要?」と心の中でツッコミつつも、上司との長~い会話に付き合うハメになったり、「この会議、何のために開いてるんだっけ?」と思いながら、何も決まらないダラダラした会議に時間を費やした挙句、まったくはかどらない自分の仕事は、残業や週末の持ち帰りに...。非効率だとはわかっていても、よくある光景ですね。

オンラインコラボツール「Campfire」の開発会社「37Signals」の共同創業者で、『Rework』の著者でもあるJason Friedさんは、ブログメディア「The Big Think」(冒頭動画参照)で、「現代のオフィスは仕事を邪魔するために最適化されている」とし、これが創造性や生産性を損なっていると指摘。オフィスを生産性向上につなげる方法について、以下のように語っています。

現代のオフィスはやたら会議が多く、四六時中電話が鳴り、人を呼ぶ声もあちこちから聞こえる。7~8時間の勤務時間があっても、何者にも邪魔されずに仕事に取り組める時間は限られているのが現状だ

 では、これをどのように改善すればよいのでしょうか?

私の会社では、チャットやIM、メールを徹底的に活用している。向かい側の人にも不用意に話しかけるのではなく、チャットなどでコンタクトし合うという具合だ。声をかけられるとヒトは反応せざるをえないし、これが仕事の邪魔につながる。一方、チャットやIMであれば、自分の仕事に集中したいときは、これらを立ち上げなければよい。相手にも、反応しないことで「忙しいんだな」とわからせることができる。

とくに仕事を邪魔する元凶となりがちなのが、管理職。遠くから「〇〇くん」「××さん」と呼びかけ、「アレ、どうなってる?」、「この間の件、先方からなんか反応あった?」などと話しかけがち。むしろ、メンバーの自主性を尊重し、助言や指示がほしいときに、メンバーから声をかけさせるように仕向けることが望ましい。

「この方法を徹底すると、緊急に対応しなければならないとき、機動力が損なわれるのではないか?」との懸念もあるかもしれないが、一分一秒を争うような緊急事態は実際、そうそう頻繁には起こらない。

日本のオフィスも、あちこちで聞こえる話し声や電話の鳴る音こそ「活気がある職場」と見る向きがありますが、思考力や創造力を要する仕事に取り組む環境としては、いささか賑やかすぎることも...。Friedさんの話を参考に、ある一定時間だけでも、「お互い邪魔しないタイム」を設定すると、生産性向上につながるかもしれませんね。

Why You Can't Work at Work [The Big Think via BoingBoing]

Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)