新しい年も11日と半分が過ぎました。今年こそは!という誓いを立てた人も多いことでしょう。新たな決意を持続させるのに一番必要なものは、強い意志。今回は、それにアドオンとして加えたい、ちょっとしたマインドハックを10個紹介します。

10. 目標を具体化する

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ブロガーのJohn Richardson氏は、人間の習慣による力を信じていて、一度習慣化すれば無意識に続けることができる、と言っています。彼は2006年に、抽象的な目標、例えば、無駄遣いに気をつける、ではなく、無駄遣いをなくすための習慣を12項目書き出してみたそうです。オリジナルの記事はもうなくなってしまったのですが、彼のエントリーに触れたGina(元米lifehacker編集長)の記事によると、目標を具体化するために分割し、達成度を測りやすくすることが重要だそうですよ。たとえば、「もっと水を飲むようにする」ではなく、「一日に2リットルの水を飲む」というように。このように設定すれば、日ごと、週ごと、月ごとの結果をまとめて、一年間の達成度を確認することもできますね。

 

9. 誘惑に負けない

上の動画、ちょっとかわいそうな感じもするのですが、子供を被験者とした実験です。実験者は被験者の前にM&Mを4個置いて、しばらくいなくなります。いなくなる前に、食べないで待っていられたら、ご褒美にあと4個あげるよ、と言っておきます。これは有名なマシュマロテストが元になっているのですが、食べたいという気持ちに打ち勝ったのは、気持ちを逸らす、という行為でした。子供たちは、目の前のお菓子を見ないようにしたり、髪の毛で遊んでみたり、歌を歌ってみたりと、誘惑を断ち切ろうとがんばりました。これは大人も学べる実験結果ですね。オリジナル記事はこちら

8. リマインダー機能を使う

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Photo by Haundreis

新しいことを始めるとき、それが習慣化するまでは、リマインダーの力を借りるといいですよ。Stephanie Burns博士によると外からの刺激を与えて行動を起こすようにするのがいいそうです。

リマインダーにもいろいろあって、ポストイットをコンピュータのモニタや、トイレの鏡に貼る、というのも効果はあるのですが、2010年なのですからマルチメディアを存分に使ってみませんか。アラームクロックや、カレンダーツールのアラーム機能など。もちろん、友人に毎日決まった時間に電話をかけてもらうとか、お菓子が入っている棚に鍵を付けるとか、そういうシステムでもかまいません。しばらく続ければ身体が覚えて、習慣化されます。それまでは、リマインダー機能(友人?)に頼りましょう。オリジナル記事はこちら。日本版の、リマインダーに関する過去記事からは「リマインダーし続けると貯金が増えるらしいという研究結果」、「「Launchy」からリマインダーを自分に向けてメール送信」、「リマインダーをアドレスバーから送れるWebツール「Futz.me」(無料)」、「忘れちゃいけないことをメールでリマインダーしてくれる「Remindd」」などが参考になります。

7. 誓いは一度に一つ

脳の中で意思の力を司るのは、前頭前野という、おでこのすぐ内側の部分です。ここも、他の人間の細胞組織と同じで処理できる情報量の限界があるのです。そこに、短期記憶、ストレスマネジメント、一日に5つも6つもタスクをかけるのは、負荷が多すぎます。「Wall Street Journal」の記事を引用すると、

2002 年にニューヨーク州のアルバニー大学によってある実験が行われました。被験者は男性で、5分間白いゾウについて考えないようにしつつ、自分の頭の中にある考えを書き出すように言われます。これは、単調な仕事に集中しなければいけないのと同じくらい難しいチャレンジでした(比較対照するための被験者グループには、簡単な計算問題を解いてもらいました)。

さらに、「白いゾウ」被験者たちに、ビールの味についてのテストをしてもらいました。ここでも、このあとの実験では車を運転してもらうことになる、と告げています。するとやはり、「白いゾウ」グループのほうが、比較対照グループよりも、たくさんビールを飲んでしまった、という結果が出ました。運転にさしさわるから、飲まないようにしよう、と思えば思うほど、逆に飲んでしまったようです。

(中略)

私たちが自分の脳に、好きなお菓子を食べるのをやめて、もっと仕事に集中しなさい、と指令を出すのは、もしかしたら負荷が大きすぎることなのかもしれません。

まさにその通りですね。あれもこれも、とたくさんの誓いを立てるのは逆効果になるようです。

6. タイマーを活用する

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今年はオフィスの机回りを片付けるようにする、と誓ったとしましょう。きれいにするのにかかる時間は、毎日5分か10分ですよね。でも、その時間は自分で設定しないと来ないのです。ブログ「Millionair Mommy Next Door」(サイトはリンク切れですが、米lifehackerの記事はこちら)や、ファイナンスブロガーのMerlin Mann氏のサイトによると、方法は至って簡単。ただ、タイマーをかけて、よーい、どん!で作業をすればいいのです。これも慣れで、しばらくすると、タイマーをかけなくても集中してタスクを完了できるようになりますよ。ちなみに、セットする時間は10分や15分など、短い方が集中力が持ちます。

タイマーアプリなどに関する記事には「簡単に使えるWebベースのシンプルタイマー「E.ggTimer」」、「タイマー機能で時間を賢く使うスクリプト(Mac版)」、「短時間タスクに集中してGTDにつなげる「キッチンタイマー方式」」、「『Alarm Clock by Tarry91』で複数のタイマーを一括管理」などがあります。2010年のGTDリスタートに活用してください。

5. 恥を忍んで人目にさらす

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Photo by a2gemma.

ブロガーのDrew Magary氏は、約23kg減量し、腰痛を緩和させることに成功しました。どうやって成し遂げたのかというと、もちろん食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけたというのもありますが、恥を忍んで「Twitter」に毎日その日の体重をつぶやいていったのだそうです。彼のフォロワーは、毎日の微々たる変化にいちいち反応しないかもしれませんが、人目にさらすことで、彼のダイエットを続けなければ、という気持ちはより強くなったようです。ギークな歌手兼ソングライターのJonathan Coulton氏も似たようなことをしています。彼は「Thing A Week」というプロジェクトを立ち上げて、毎週新しいコンテンツをファンに提供することを、ブログで約束し、一年間続けましたました。達成できなかったときの恥ずかしさや悔しさが大きいので、あとには引けなくなりますね。そこまで公開しちゃう勇気がないという人は、家族や友人に決意を宣言する、というのはどうでしょうか。関連記事はこちら。乗るだけで、勝手にTwitterへ体重をつぶやいてくれる「Wi-Fi Body Scale」という体重計もありますよ。

4. ビジュアル化する

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だんだん下がっていくあなたの体重グラフや右肩上がりの貯金額など、ビジュアルに訴えた方が現実を捉えやすいということはありますよね。元米lifehackerのKyleは、パーソナルファイナンスサイトの「Mint.com」を使って、毎月のコーヒー代をグラフにしてみました。Ginaもドリンクグラフなどを作って、悪い習慣を改めようと提案しています。支出管理も「携帯とGoogle Docsで、超簡単に支出管理」の記事を参考にビジュアル化すると、具体的な節約目標が確認できますよ。

3. メールボックスを「非武装化」せよ

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年も明けたことだし、一気に未読メールを整理したくなったりしませんか? 思い切って一気に消去しちゃいます? いや、そんな勇気はないという人は、「非武装地域(DMZ)」を作るといいかもしれません。全部まとめて、「DMZフォルダ」に入れ、必要なときはそこから持ってくる、というように。あまりにたくさん未読がたまっていて、一度に処理するには忍びないという場合には、Jason Clarke氏の「Inbox 0.5 approach」もありますよ。この方法では、今日は未処理のメールのうち半分だけを処理し、残りの半分は明日にします。数百通たまっていたとしても、おそらくほとんどはメールマガジンや、古くなってしまった情報でしょうから、サクッと捨てられるのではないでしょうか。こうすれば、「メールの不渡り」を出さなくてすみますね。未読メール処理については「FirefoxでGmailの未読メールページを一発で開く方法」、「Gmailに「既読ラベルを非表示にする」機能が追加されました」もご覧あれ。

2. 定期的に振り返る

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月日はあっという間に過ぎてしまいます。何もしないでいると、それまでどれだけ目標を達成したか、もしくは、全然到達できていないか、ということを確認しないままに毎日が過ぎていってしまいます。GTDでは、週ごとに生産性について振り返りますが、生産性に限らず、一週間単位でレビューをするのはいい習慣です。いや、一週間では長過ぎる、という人は、ベンジャミン・フランクリンの毎日レビューを参考にしてもいいかもしれません。米オリジナル記事はこちら。日本語記事は「GTD実現のために週次レビューの習慣をつけよう」をどうぞ。

1. 進歩があればよし

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Photo by cherryjet

私たちは完璧ではありません。ダイエット中でもお菓子の誘惑に負けてしまうことだってあるのです。だからといって、そのティラミスを一口食べてしまった時点で、ダイエットに失敗したことにはなりませんよね。大きく変化するためには、間違いや、少しの後退がつきものです。節度が大事というのはお菓子を食べる量についてではなく、達成度にも言えます。当初の目標にたどりつけなくても、近ければよしとしましょう。また、そこまでのプロセスも評価しましょう。オリジナル記事はこちら。ダイエットについての日本語記事は「食べたものを全てメモするダイエット法」、「ダイエットしたいなら洋菓子よりも「あんぱん」がいい!」、「記録をしてダイエット:iPhoneがサポートします」などもどうぞ。

Kevin Purdy(原文/訳:山内純子)