ライフハッカー過去記事「ぼーっとしているとき、脳は活発に動いている」でご紹介したとおり、複雑な事象の分析や考察のときに使う脳は、ぼーっとしている状態こそ活性化するそう。多忙な日常から少し離れて、休みを取ることは、精神衛生上も不可欠のみならず、創造的な仕事を遂行する上でも必要なことのようです。こちらでは、7年周期で1年間、休みを取っているというデザイナーさんの実例を採り上げてみたいと思います。

冒頭の動画では、ニューヨークを拠点に活動しているデザイナー・Stefan Sagmeisterさんが、自身の仕事と休みのオリジナルサイクルを紹介しています。人生サイクルは、誕生後25才までが「育成期」、これ以降65才までが「仕事期」、65才以降が「リタイア期」となるのが一般的ですが、Stefanさんは定年を70才に延ばす代わりに、延長した5年分を「仕事期」に振り向け、7年周期で1年間の休みを取ることにしたそう。休みの期間はクライアントからの仕事は一切受けず、オフィスも閉鎖。自分の好きなことにだけ取り組む時期としているのだとか。

お金を稼ぐため、名声を得るため、と、つい仕事を近視眼的に捉えがちだった彼は、この休みサイクルを取り入れた結果、自分の本質的な高みへの追求に仕事の位置づけを変えることができたそうです。また、創作のクオリティが高まり、収入もアップ。彼の経験では、7年周期の1年間休暇サイクルは有効だったようです。

ライフハッカー過去記事「アル・ゴアの元スピーチライターが語る、新時代のモチベーションマネジメントとは?」でも触れたとおり、デザイナーなどクリエイティブ性の高い職種のみならず、あらゆる仕事が概念的になってきており、創造性や発想力が求められる時代。そのためには、日常業務から隔離し、自分の創造力をアソばせる時間を定期的に持つことが有効のようですね。「就業時間の20%は自分の好きなことに使える」というGoogleの「20%ルール」は有名ですし、かのビルゲイツも年に2回、「Think Week」といって技術書を読むだけに費やす時間を作っていたそうですよ。

Stefanさんのスピーチは18分と少し長めですが、ローリング・ストーンズやルー・リードといった有名アーティストのパッケージなど、彼のクリエイティブな作品も多く登場し、ビジュアルだけでも十分楽しめます。ぜひ合わせてご覧ください。

Burned Out? Take a Creative Sabbatical [HarvardBusiness.org via Smarterware]

Gina Trapani(原文/松岡由希子)