Twitterが少しずつ市民権を得るにしたがって、企業が販促や、調査に使ったり、著名人がプロモーションや告知に使ったりして、その使い方もだんだんバラエティに富んできましたね。日本では企業ユースなどで成功している例というのは、まだなかなか生まれずらい状況にあるようですが、
Twitterがお先にブレイクした欧米では、企業のみならず、アーティストやミュージシャンの利用も盛ん。ライブ会場の場所をTwitterのみで報告して、シークレット型ライブをやったりなんて試みもちらほらとやられたりしているようです。
イギリスのアーティストMIKAは、「いまから、とある店に来たら俺がおごるよ」とつぶやいたところ、ファンが殺到、300万円以上もの飲食代をおごる羽目になったり、なんて事になったそう(これはイベントとはよばないかもだけど)。
で、最近Twitterにすっかりはまってる筆者なわけですが。
筆者のバンド、Sweet Vacationでも先日Twitterをフューチャーしたイベントをやってみました!!
おそらくまだ日本ではほとんど例のないケースだと思うので、その様子をちょっとご報告しまっす!
今回行ったのはライブ&DJ、それにネットラジオの公開収録、という形のイベント。そしてそのイベント中ずっとTwitter画面をプロジェクタで壁に映して、皆でつぶやきつづけよう!!という趣旨なのです。
さて、このイベントをやるまでは、
- ほんとにみんなつぶやいてくれるのか?
- 音楽イベントなのにみんな下向いて、PCいじってるなんてことになったら...。
- そもそも盛り上がるのか?
とか、いろいろ心配はしていたのですが、
やってみたら!
Twitterならではといえるさまざまなおもしろい現象が発生したのです。
- 出演者とオーディエンスとのコミュニケーション
DJプレイ時は掛けた曲をつねにつぶやき、感想や、リクエストが流れ、盛り上がりを共有できる。ライブ時は感想が即座にフィードバック!!。「あれ今かかってる曲なんだろう?」「あ、この曲についてちょっと感想言いたい!」なんて時、そうです!つぶやくのです!- オーディエンス同士のコミュニケーション
お互い知らない人どうしでも、twitterタイムライン上では自然に会話が発生するわけで、そうなると、実際のコミュニケーションも起きるのも当然のこと。その場で見知らぬ人とすぐ仲良くなれたり。こういうことはなかなか普通のライブイベントだと発生しずらかったりしますよね。- 会場外の人が参加できる!
タグを検索さえすれば、会場内の盛り上がりや、進行を疑似体験することができます。ライブ中継ではないので音が聞こえるわけではないですが、それとはまた違った、楽しみ方を自分のペースで楽しめる。ほんでもって、会場の皆に口も出せる!- イベントに"プチブーム"が
誰かが会場内のカレーがうまいらしい、ということをポストすると、皆がカレーを食べだし、あっというまにカレーが売り切れになったり、なんてこともありました。一瞬の"プチブーム"が発生。これもTwitterの即時性、参加のしやすさによるところなのです。- おうちに帰るまでがライブです!?
会場へ向かう様子、さらには終わってから帰路につく間も、皆のポストがあったりして、出演者も参加者も余韻や、始まる前のワクワク感も共有できるのです!ライブ等参加したら、翌日にブログ等を検索して感想をみて、また楽しむなんて楽しみ方、ありますよね。それがすぐみなと感想が共有できる!!
さてさて、そんなわけで、いざやってみるといろんなことがおこるもんだなあ、と勉強になりつつ、実り多いイベントだったわけですが、ちょっとライフハッカーらしく技術的な話をフォローしておくと...。
今回、参加者はTwitterの筆者および、バンド公式アカウント、フォロワーのみ100名様限定としました。会場は地下だったので、携帯電話は使えなかったのですが、無線LANを開放して、自由に使ってもらうことにしました。iPhone、Netbookなどが多かったですが、おおきな15インチノートを持ち歩く猛者もいました。
Twitterの画面は壁にプロジェクタで映すことにしましたのですが、困ったのが使用ソフト。現状Twitterソフトはフォントのサイズが調整できなかったり、ウインドウが全画面にできなかったりと、大画面でのプレゼン的用途には適さないものが多いのです。
そこで、いくつか試してみた結果、マシン自体の解像度を640*480とし、「Tweetdeck」を画面いっぱいに映して、プロジェクタで上下のウインドウ部分をカットしてやるのが一番見栄え的にもいいという結論になりました。
#svpという共通のハッシュタグを決めて、参加者にはそのタグを使用してポストしてもらうことにしました。
というわけで、このイベント、実際にやってみると、Twitterは単純な仕組みながら、ライブ中継とも、myspaceなどとも違う不思議なコミュニケーションツールだなあ、ということが、よくわかります。
これからもまたアイディアしだいでどんどんおもしろく使えそうですね!
みなさんのアイディア、期待しています!
(twitter上で"#svp","#svq"と検索すると、このイベントの実際の"つぶやき"の様子がご覧になれます。)
[All photo by INMUSIC]
(ライフハッカー[日本版]編集委員・早川大地)