インライン返信ができるGoogle Waveの出発点は「もし電子メールを今、発明するとしたら、どんなカタチになるだろう?」という素朴な問いだったそう。Gmailと似た外観の「Google Wave」だが、メールとは異なり、一連のコミュニケーションが構造化され1つのスレッド・ドキュメントのように完結される(これを「Wave」という)。具体的にいうと、「Wave」の編集やコメントはひとつのスレッド上で行われ、インラインで表示される。いつどのタイミングで誰がコメントをつけたのがが一覧できる仕組みだ。
編集内容がリアルタイムに更新されるIM(インスタントメッセージ)のように、コミュニケーションの相手が編集している内容をブラウザでリアルタイムでみることができる(もちろん、相手から見えないように設定することも可能)。つまり、IMアプリを立ち上げずして、よりリアルタイムでコミュニケーションできるというわけ。
編集履歴を再生する「Wave」の作成途中に、他のユーザを追加すると、そのユーザはそれまでの「Wave」の編集・コメントの履歴を再生してみることができる。たとえば、Wikipediaの編集履歴が連続してレビューできるイメージだ。従来のメールを使うよりも、それまでの経緯をすばやく振り返ることができる。
プライベート返信できる「Wave」は3人以上のグループでのコミュニケーションに便利な機能が多いが、もちろん、個別のコミュニケーションにも対応している。特定のユーザにだけコメントを送りたいときは、アクセス制御を設定し、他のユーザには見えないようにできる。
Waveをウェブに埋め込む「Wave」をウェブページに埋め込むことができる。もちろん、いったん埋め込んだ「Wave」を再開することもできるし、その更新内容は埋め込み先のウェブページでも反映される。「Blogger」などのブログツールとの連携を想定しているとのこと。
「Wave」をリアルタイムで複数ユーザが編集できる「Wave」を同時に複数のユーザで編集することができ、他のユーザの編集状況もリアルタイムで見ることができる。「Google Docs」にも同様の機能があるが、よりリアルタイムで使えるのが魅力。
「Wave」での検索結果がリアルタイムに更新される「Wave」上で検索した結果は、リアルタイムに更新される。
文脈ベースでスペルチェックできるGoogle Waveでは、「Icland is an icland.(アイスランドは島だ)」を「Iceland is an island.」といった具合に、文脈に基づいてスペルチェックできる。明らかな間違いは自動的に修正でき、候補がある場合は候補ワードを表示してくれる。
いかがでしたか?「Google Wave」は、メール・IM・電子掲示板・ドキュメント共有などを、ひとつのプラットフォームで一気に実現しようというもの。「別々のツールでもう使い慣れているから、わざわざひとつにまとめなくてもいいんじゃないの?」という懐疑的な見方もあるようですが、こういうプラットフォームが広く使われていくことで、今は想定していないような画期的な使い方が生まれ、生産性の向上や創造性のアップにつながるかもしれませんね。ライフハッカーでも「Google Wave」の動向については随時取り上げていきますので、今後もお楽しみに。
The Google Wave Highlight Reel [Smarterware]
Gina Trapani(原文/松岡由希子)