2008年をソフトウェア的に総括するとすると、「携帯電話のオペレーティングシステムの台頭とブラウザー開発合戦」だったのではないでしょうか。新しく開発されたブラウザ、使いやすく改良されたブラウザ、モバイルプラットフォームやアプリケーション、どれを見ても、クラウドコンピューティングの時代がやってきたことを象徴づける開発が、今年はたくさんありましたね。そしてあっという間に12月。今年1年に発表されたベストソフトウェアを一緒に振り返ってみましょう。今回紹介するのは、米lifehackerが謹んでコインチョコを贈呈しちゃうくらいのアプリケーションです。

Firefox 3

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きっとみなさんも、Firefox 3のリリースに興奮したことでしょう。リリース日の6月17日にはギネス記録のダウンロード数を誇ったぐらいですから。ライフハッカー [日本版]でも、Firefox 3 についてはたくさん取り上げているので、ぜひ振り返ってみてください。

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次のベストソフトウェアの紹介は、以下へ続きます。

Google Chrome

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世界中のモジラン(Mozillian)とFirefoxユーザーが祝杯を上げていた夏には、実はGoogleもブラウザを作る計画をしてたなんて誰も想像してなかったですよね。Googleは、Firefoxファンもビックリの、ジャバスクリプトベースのアプリケーションをこっそり作っていたのです。9月2日にGoogleはChromeのベータ版を発表しました。米lifehackerの実験では、Chromeは実際にとても速いことがわかっています。読者も徐々に注目してきているようで、先月の統計では米lifehacker読者の62%がFirefox、22%がIE、8%がSafari、そしてChromeは6%の人が使っていることがわかりました。発表されて数ヶ月でこの数値はまずまずと言えますよね。

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iPhone 2.0 and the App Store

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アメリカでiPhoneが発表されたのは2007年のことですが、今年はiPhone 2.0ソフトウェアが出たり、通信速度が速くてGPSが内蔵された3Gモデルが日本などでも発売されたりしました。これは、前の年のiPhone発表と同じぐらいの大きなニュースだったと言えるでしょう。サードパーティのアプリケーションが動くオペレーションシステムと、ピンポイント表示できるGPSの組み合わせ。これを目の当たりにした私たちは、次世代のスマートフォンがどのように進化していくのかを期待できるようになりました。もっと速い通信速度、フルブラウザ、正確な位置表示、など。iPhoneには無料のアプリケーションがたくさんあります。米lifehackerは最初、これをとても評価していましたが、のちに疑問もうまれてきました。iPhone 2.0 の発表直後は、ソフトウェアがクラッシュ、フリーズするので、アプリケーションをインストールし直したり、設定をリセットしたりしなければいけませんでした。キーボードの反応が遅い、というのもありましたね。また、Appleの承認したアプリケーションしかApp Storeにないので、Appleに阻まれたアプリが宙に舞うことにもなってしまいました。これらのマイナス面もあることはあるのですが、iPhone 2.0は魅力的なモバイルプラットフォーム、かつ、アプリケーションという今までなかった市場を生んだことは確かです。

iPhone 2.0 Jailbreak Utilities and Apps

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Appleの規制が厳しくてiPhoneでやってみたいことの範囲が狭まっても、決して泣き寝入をりしなかった人たちがいます。「jailbreak(ジェイルブレイク)」という言葉、今年はよく耳にしませんでしたか。Appleが高い砦を作っているのなら、壊して入り込んでやろうというハッカーたちです。jailbreakしたiPhoneになら、Appleが承認していないアプリケーションでも入れられます。ただし失敗するとbrick(再起不能)になり、Apple Storeに持って行っても直してくれないのですが。それでも、米lifehackerでは、勇気あるハッカーたちに敬意を表します。彼らのおかげで、SSHできたり、テーマやビデオクリップをiPhoneにダウンロードすることができたのですから。あなたがまだiPhoneをjailbreakしたことがなかったら、米lifehackerのこの記事を参照ください。脱獄したくなってきました?

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Google Android

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Appleがソフト、ハードの両面での権限を持っているiPhoneに対するGoogleの答え、それが、10月に発表された独自のオペレーティングシステムを持ったAndroidです。iPhoneとは違って、Androidの新しいモバイルプラットフォームはGoogleらしくオープンソースで、電話機の種類も選びません。現段階では、HTC G1のみがAndroidの機種となっていますが、機種は増えていく続く予定です。米lifehacker編集長のジーナはiPhoneユーザーなのですが、iPhoneの限られたアプリケーションや、よくクラッシュすること、コピー&ベーストができなことには不満を持っているそうです。だから、ジーナにとってAndroidは気持ちよく吹いてくるそよ風のような存在だそうですよ。Androidのモバイルオペレーションシステムはまだ新しいのですが、オープンソースということはたくさんの新しいアプリケーションが入ってくる余地があります。あなたのモバイルプロダクティブティをアップさせるためのAndroidのアプリケーションについては、米lifehackerのこの記事をどうぞ。

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Digsby

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今回紹介しているソフトウェアの中で、Digsbyは珍しい存在です。Digsbyはオープンソースでもないし、有名な大企業が作ったものでもありません。これは、インスタントメッセージ、email、ソーシャルネットワーキングをひとつにまとめてしまうソフトウェアアプリケーションなんです。Digsbyのベータ版は2月に発表されたのですが、4月には既に米lifehacker読者のお気に入りIMツールに選ばれています。

XBMC (Xboxメディアセンター)

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米lifehackerでは遅ればせながら去年、XBMCをクラシックXboxにインストールしてみたところ、それ以来この贅沢なオープンボックスのメディアセンターにハマってしまいました。Xbox自体が流行らなくなってきているからといって、XBMCソフトウェアプロジェクトもなくなったわけではないようです。XBMCはさまざまなハードウェアプラットフォームにつなげられるので、古いXboxをハッキングしないでも同じメディアセンターを楽しむことができるんですよ。米lifehackerでは次の3つのブランチを、今年お勧めしました。

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Ubuntu 「Intrepid Ibex」 と 「Hardy Heron」

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今年もまた、2種類のUbuntuのリリースがありましたね。フリーでオープンソースのアプリケーションを1年間に2つも出すなんて、AppleやMicrosoftなど、高価なソフトウェアを出す会社が真似できることではありません。あなたがもし、デスクトップでLinuxを試してみてうまくいかずにイライラしたことがあったとしても、「Hardy Heron」はもう一度試してみる価値がありますよ。その次のバージョンの「8.10 Intrepid lbex」はさらによくなっています

Gmail Labs, ガジェット, テーマ

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みんなが大好きなウェブアプリケーション、Gmailは今年もやってくれました。「Labs」が加わったために、パワーユーザーは実験的な作業を安全にできるようになりました。米lifehacker編集長のジーナは、Gmail Labsに関する6月の記者会見に参加したのですが、その時には「最初の13のフィーチャーは見かけ倒しで、それ以上改良されないのではないかと思った」そうです。それが、ふたを開けてみると6ヶ月後には10個のLabフィーチャーが加わっていました。その中で特に使いやすいガジェットが、サードパーティアプリをインボックスに組み込む「Bit.ly」や「Basecamp」というものです。Gmailがテーマを変えられるようにしたり、GmailでGoogle Desktop ガジェットを使えるようにしたというのは、記憶に新しいところですね。また、Gmailのセキュリティチームは、何人かのユーザーが経験したセキュリティの脆弱性についても調査し、その結果をオフィシャルブログに書いています。急速に進化するウェブアプリケーション開発者が見習うべき姿勢ですね。

地味だけれど忘れてはいけないもの

以上のリストは、今年目立ったソフトウェアでしたが、地味でも忘れてはいけないスグレモノがありました。ここで二つ挙げておきますね。一つは、Firefoxのアドオン「Ubiquity」(もうひとつは「Flickr」が動画に対応したことです)。

2008年にみなさんを驚かせたアプリケーションはありましたか?アンケートに協力お願いします。

今年のリストを見てみて、去年はどうだったのかなと気になった人は、2007年2006年2005年のリストもどうぞ。

Gina Trapani (原文/訳:山内純子)

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