最近では、パスワードマネージャーを使うことが、インターネットセキュリティの基本中の基本となっています。とはいえ、それほど気軽に扱える代物でありません。パスワードマネージャーを使ったことがない人は、扱うのが難しそうで、ちょっと見ただけで逃げ出したくなるかもしれません。『1Password』は最も簡単に使えるパスワードマネージャーの1つですが、セットアップにはある程度の助けが必要となるでしょう。
パスワードマネージャーは破られにくい強固なパスワードを生成し、一括管理してくれるので、ユーザーはパスワードを覚えておく必要がなくなります。どこかのサイトがハッキングされたときでも、すぐにパスワードを変えることができます。パスワードマネージャーにはたくさんの選択肢がありますが、このガイドでは1Passwordに絞って解説します。1Passwordでは、クラウドサービスを使って、複数のデバイス間でパスワードを同期することが可能です。Dropbox、iCloudが使えるほか、主要なOSはすべてカバーしています。1Passwordは、最大のライバル『LastPass』と違い、パスワードはクラウドだけでなくローカルに保存することもできます。どのパスワードマネージャーがいいかは、好みとニーズによります。どれも完璧ではないし、それぞれの強みと弱みがあります。
いずれにせよ、ここではあなたがすでに1Passwordを持っていると仮定して、その使い方を解説していきます。
支払いプランを決め、アカウントを作成する

1Passwordには30日まで無料で使える試用版がありますが、期限を過ぎると有料となります。サブスクリプション(定額課金)と買い切りの2種類の支払いモデルがあります。買い切りは65ドルで、アプリはMacでのみ動作します。デバイス間でのパスワードの同期はできません(パソコンとスマホなど)。ただし、DropboxかiCloudを使って手動でパスワードを同期させることは可能です。
別の購入方法として、月3ドルの個人用、月5ドルの家族用のサブスクリプション・プランがあります。家族プランは最大5人まで使用可能です。サブスクリプション・プランでは、1Passwordサービスを使ってパスワードを同期することができます。ほとんどの人がサブスクリプション・プランを選ぶでしょう。
支払いプランを選んだら、1Passwordのサイトに行き、アカウントを作成します。このとき、メールの確認や、PDFのダウンロードなどいくつかの手続きが必要です。このPDFは1Passwordを設定する上でとても重要なものなので、失くさないように気をつけてください。ここには、1Passwordアカウントにアプリを追加するために必要なQRコードや、パスワードを紛失した場合に1Passwordアカウントを回復する唯一の方法である「Secret Key」が記載されています。
パソコン版、ブラウザ版、スマートフォン版の1Passwordをダウンロードしてセットアップする

支払いプランを決め、アカウントを作成したら、ソフトウェアをインストールしましょう。 このプロセスは、あなたがふだん慣れているやり方とは少し違うかもしれません。
- Windows、Mac、iOS、またはAndroid用の1Passwordをダウンロードします。
- アカウントにサインインする
- 「Scan Account Details」をクリック、あるいはタップする
- アカウント作成時にダウンロードしたPDFの「Setup QRコード」をスキャンする。PDFが手元になければ、1Passwordのウェブアプリから取得することができる
- ブラウザ用に、1Passwordブラウザ拡張機能をダウンロードする。ほとんどの場合、1Passwordをブラウザから使うことになる
OSごとに、このプロセスを完了させなければなりません。セットアップがすべて終わったら、実際に1Passwordを使ってみましょう。
ブラウズしながら、サイトのログイン情報を保存する

1Passwordを開いて1つ1つログイン情報を登録したくなるかもしれませんが、一番簡単なのは、いつものようにネットを使い、新しいサイトにログインするたびに、パスワードを保存していくやり方です。ここで1Passwordのブラウザ拡張機能が活躍します。やってみると、とても簡単ですよ。
- サイトを訪れたら、いつも通りにログインする
- 1Passwordでプロンプトが表示されたら、 「Save Login(ログインを保存)」をクリックする
日常的な使い方はこれだけです。もっとも、パスワードマネージャを使う理由の1つに、強固なパスワードを生成することがあるのを忘れてはいけません。ですので、慣れてきたらパスワードの変更も検討してください。
同じく、新しいアカウントを作成するときは、ブラウザの1Passwordアイコンをクリックして、1Passwordにパスワードを生成させることができます。サイトで新しいパスワードを入力すると、1Passwordは自動的に検出し、そのパスワードを記憶してくれます。
1Passwordを使用してモバイルデバイス上のサイトにログインする

スマートフォンからアカウントを大量に作成することはないと思いますが、大量のサイトにログインすることはあるはずです。1Passwordはこのプロセスをとても簡単にしてくれます。やり方はいくつかあります。
Android、iOSとも、1Passwordのアプリからブラウザにパスワードを簡単にコピー&ペーストすることができます。iPhoneユーザーなら、拡張機能を使ってSafariから直接サイトにログインすることも可能。Safariのログインページで、共有ボタンをタップして1Passwordをタップし、使いたいログイン情報を選ぶだけです。最初にこのボタンを有効にするには、共有ボタンをタップして、次にmoreをタップしてから、1Passwordのスイッチをオンにします。
Androidでは、1Passwordキーボードを使用します。1Passwordを開いて、「設定」>「filling」をタップします。つづいて、「キーボードを有効化」をタップします。ブラウザのログインページに来たら、キーボードボタンを押して1Passwordキーボードに切り替え、「Fill Username」と「Fill Password」ボタンをタップし、ログイン情報を入力します。
1Passwordを使用してパスワードを検査する

1Passwordには、大量のパスワードを保存したあとに使える、セキュリティ検査機能があります。この検査では、重複したパスワードや弱いパスワードをチェックできるほか、あなたがアカウントを持っているサイトが攻撃を受けたことも教えてくれます。
1Passwordアプリを開き、サイドバーのセキュリティ検査をクリックします。すると、メニューリストが表示されるので、Watchtowerを使ってみましょう。Watchtowerをクリックして、有効ボタンをクリックします。すると、Watchtowerがウェブサイトの脆弱性を監視し、問題が見つかれば教えてくれます。たとえば、eBayがハッキングされた場合、WatchtowerはeBayのパスワードを変更すべきであることを通知してくれます。このとき、該当ページに赤色のバーが表示されます。ここをクリックして、ハッキングに関する詳しい情報を見てもいいし、ただちにパスワードを変更してもいいでしょう。
セキュリティ検査セクションで、脆弱なパスワード、重複するパスワード、古いパスワードを確認できます。これらのメニューのどれかをクリックすれば、変更が必要なパスワードがどれなのかがわかります。パスワードマネージャを使い始めたばかりのときは、重複するパスワードや脆弱なパスワードがたくさんあると思われますので、この機能が本当に役に立ちます。最初はこうしたパスワードをすべてチェックし、変更するのは面倒に感じられるかもしれませんが、やるだけの価値はあります。必要なすべてのパスワードが更新されると、セキュリティ検査セクション全体が空っぽになります。
フォームに記入のための個人情報を登録する

1Passwordには、パスワード以外にも、たくさんの情報を保管することができます。クレジットカード番号や住所など、サイトのフォームに自動で記入したい情報や、そのほかの個人情報を保存する場所もあります。
サイドバーの「Identities」をクリックして、編集をクリックします。ここに、住所、電話番号、生年月日などの情報を登録できます。一度登録しておけば、こうした情報を入力させるWEBフォームを開いたときに、1Passwordが自動で入力してくれます。同じく、サイドバーの「credit cards」をクリックして、クレジットカードの番号を登録しておけば、商品を購入するたびに番号を入力する必要はなくなります。
1Passwordを使って、どこかで必要となるかもしれない、そのほかの個人情報を保管することもできます。デスクトップアプリなら、「ファイル」>「新規項目」とすると、運転免許証番号や、ソフトウェアライセンス、ワイヤレスパスワードなどを登録する項目を選ぶドロップダウンメニューが表示されます。これはあくまで補完機能であり、パスワードのセキュリティには関係ありませんが、たくさんの個人情報を補完しておく便利な方法です。
The Beginner's Guide to 1Password| Lifehacker
Image: Lifehacker US
Source: 1password.com
Reference: 1Password / YouTube