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iPhone購入時、AppleCare+に加入しないほうがいい?

author Jake Peterson - Lifehacker US[原文](訳:長谷 睦/ガリレオ)
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iPhone購入時、AppleCare+に加入しないほうがいい?
Image: Shutterstock

「iPhone」の画面が割れてしまったら、最悪の気分になります。修理する場合は、出費がかかるからです。

とはいえ、「どの方法」を使うかによって、修理にかかる費用も変わってきます。それだけでなく現在は、修理方法によってはiPhoneの大事な機能が損なわれることさえあるのです。

この問題の根本的な原因として挙げられるのは、Appleの保証プランである「AppleCare+」、そしてAppleの企業体質です。

「AppleCare+」に加入すべきか否かという難問

AppleCare+の料金は、使っているiPhoneのモデルによって変わってきます。

一括払いで2年間の保証が受けられるプランの料金は、「iPhone 13」「iPhone 13 mini」の場合は150ドル(日本では税込1万8800円)、「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」なら200ドル(日本では2万4800円)です。

さらに料金をプラスして「盗難・紛失プラン」を選ぶこともできますが、これはこの記事の論旨にさほど大きな影響を与える要素ではありません。

こうしたAppleCare+の料金は、すでにiPhone本体に1000ドル(10万円)以上を支払っていることを考えると、購入時に追加で喜んで払いたくなる額ではありません。

しかも、たとえAppleCare+に入っても、画面の修理は無料にはなりません。

1回につき29ドル(日本では3700円)のサービス料がかかりますし、修理回数も1年間に2回までという制限があります。

私自身、以前iPhoneを購入した時には、「これからは新しい端末をすごく丁寧に扱おう」と自分に言い聞かせ、AppleCare+への加入を見送ったことがあります。

「たとえ画面を割ってしまったとしても、その修理費用は、AppleCare+の料金とそれほど変わらないのでは?」と考えたのです。

しかし、今はそうは思いません。まずは、こちらのページに記された修理費用をご覧ください。

保証対象外の場合、iPhone 13 Pro Maxの画面修理には、329ドル(日本では税込4万2680円)かかります(これは、「iPhone 12 Pro Max」でも同じです)。

この金額は、あと少し出せば新品の「iPhone SE」が買えるほどの大きさです。

AppleCare+に入っていれば、画面修理の追加サービス料を加えても、100ドル安く済みます。

また、端末を水没させた場合も、AppleCare+に入っていれば99ドル(日本では税込1万2900円)で端末を交換してもらえます。

保証対象外の場合にiPhone 13 Pro Maxを修理するのにかかる599ドル(日本では税込7万7480円)と比べると、夢のような安さです。

サードパーティーの業者に依頼する(あるいは自力で解決する)メリット

サードパーティーの修理ショップでは、多くの場合、Appleよりも安い価格で端末を修理してくれます。

これには、近隣や地元のお店の売り上げに貢献できるというメリットもあります。

こうした修理ショップは、修理の技術に情熱を傾けている点でも、非常に好感が持てます(金もうけのためにハイテク製品の修理ビジネスに参入した、という話はあまり聞いたことがないはずです)。

それに、ある程度までの作業なら、無料で引き受けてくれるショップも多いのです。

ネットで修理ショップのレビューをチェックすれば、「ちょっとした修理を無料でやってくれた」と喜ぶユーザーの投稿が目に入るはずです。

それだけ、こうしたショップのスタッフは、困っている人を助けたいという気持ちが強いのです。

もう1つの選択肢として、iPhoneを自分で修理する方法もあります。

iFixitのサイトには、自分でデバイスを修理したいというユーザー向けに、非常に役立つ情報が掲載されています。

このサイトに、自分のiPhoneの機種名とモデル番号を入力すれば、修理の手順や、必要なものに関する情報を手に入れられます。

修理の難易度は、内容によってさまざまですが、iPhoneの画面修理やバッテリーの交換は、初心者や中程度の知識のあるハイテク好きの人なら、挑戦してみたいと思えるレベルでしょう(ただし、バッテリーの扱いにはくれぐれも気をつけてください)。

サードパーティーの修理ショップは万人に愛されていますし、テクノロジーに関しては、「何でも自分でやってみる」というDIY精神が賞賛されています。

けれども、こうした風潮を面白く思っていない関係者がいるのをご存知でしょうか? こう書くと、それが誰なのか、読者の皆さんにも察しがついたことでしょう。

サードパーティーによる修理は避けたいApple

Appleが理想として思い描いているのは、すべての人があらゆるニーズを満たそうとして自分たちのところにやってくる世界です。

「タブレットが欲しい? それならApple経由でiPadを買いましょう」

「操作方法がわからなくて困った? 製品情報を教えてくれるAppleのセッションに申し込みましょう」

「iPadが壊れた? Apple自慢のGenius Barに修理を依頼しましょう」

Appleはユーザーの一番の親友になりたいと考えているので、ほかの人とユーザーが時間を過ごしていると知ると嫉妬に駆られます。

2021年11月4日には、Appleが持つ力をまざまざと思い知らされる一件が浮上しました

AppleがiPhone 13に仕込んだチップにより、非正規ショップで画面の修理が行われた場合にはFace IDが無効化されてしまう、とiFixitが告発したのです。

ただし、この件に対する反発を受けて、Appleがこの方針を取り下げました。

Appleはまもなく、iPhone 13シリーズ向けのアップデートをリリースし、画面修理の際に、Appleや正規の修理業者を選ばなかったとしても、Face IDが無効化されないようにするとのことです。

「修理する権利」がユーザーの福音となる可能性

この状況を改善したい私たちユーザーにとって、何より頼りになるのは、「修理する権利」という理念です。

修理する権利とは、大きく2つの主張から成り立っています。

1つ目は、消費者は自分が購入した製品を、その人が適切と思うように修理・改善することが許されるべきだということ。

もう1つは、適切な修理サービスを提供するために、メーカーは、ほかの事業者に対して部品や設計図を提供すべきだということです。

さらに、この権利をめぐって事態の進展がありました。

バイデン大統領が2021年7月、連邦取引委員会(FTC)に対して、修理する権利を推進する規則やガイドラインの草案を作成するよう命じる大統領令に署名したのです

とはいえ現状では、大手のテクノロジー系企業の横暴な方針から、消費者やサードパーティーの事業者を守る法律はそれほど多くはありません。

「修理する権利」が尊重される世の中であれば、非正規の業者が修理したiPhoneでFace IDを無効化するというAppleの決定は、到底受け入れられなかったでしょう。

Appleは、こうした仕組みを組み込むこと自体を断念していたはずです。

また、仮に実施に踏み切った場合でも、訴訟や罰金など、FTCが設定した規則による罰則を受けていたことでしょう。

「修理する権利」は、サードパーティーの修理ショップ、そして自分で修理をしたいと考えるユーザーにとっての正解です。

ただし残念ながら、これが認められるまでは、Appleが提案するAppleCare+のシステムが、新たにiPhoneを購入したユーザーにとっては「ベストな」選択肢だと言わざるを得ないのです。


Source: NPR, iFix(1, 2), Apple(1, 2

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