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「学ぶ」に勝る投資なし

とっておきの本と出会い「要点」を記憶に残すための読書のアイデア

author 取材・文:ライフハッカー[日本版]編集部 丸山美沙
とっておきの本と出会い「要点」を記憶に残すための読書のアイデア
Image: Erich Karnberger/Shutterstock

何よりも大切で、投資するべき資産とは何でしょうか? それは、お金でも不動産でもなく、「自分自身」ではないでしょうか。

変化の激しい現代において、常に学び、成長し続けることは必要不可欠です。しかし、一体何を、どうやって学べばいいのか。その「学び方」は学校では教えてくれません。

この学ぶに勝る投資なし」特集では、自分自身を高める最高の投資としての「学び」について、最新の独学術やノウハウについてご紹介します。

第3回は、年間700冊以上の本を読む「毎日書評」連載でおなじみの作家、書評家の印南敦史さんに、読書から得る学びについて、今回は、本の「要点」を記憶に残すためのアイデアや、印南流「とっておきの本」との出会い方を教えていただく後編です。

▼前編はこちら

本に期待しすぎるな! 印南敦史さんに聞く「1%の学び」を大切にする読書術

印南敦史

印南敦史

作家、書評家。1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「文春オンライン」など多くのウェブメディアで連載を持つ。2020年6月、「日本一ネット」より書評執筆本数日本一として認定。書評からエッセイまでを幅広くフォローする。

『遅読家のための読書術─情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)など著作多数。

本の「要点」を記憶に残すためにできること

外で本を読む人
Image: Shutterstock

ーー1%のエッセンスや「要点」を忘れないためにどんな工夫をするといいですか?

1. 場所やシチュエーションを変えて読む

いろいろな場所やシチュエーションで読むこと。いつも同じ場所じゃなくて、状況を変えればそのときのことを映像で記憶に残しながら、体験とつながって覚えていられると思うんです。

よし学ぶぞ!と気負いながら読書をすると環境を楽しむ余裕がなくなってしまいます。

2. 引用メモを作る

ビジネス書や自己啓発系の本では、本を読みながら、気になった文章を抜き出し引用リストを残し、読み終わったあとにその中からベストを見つけてみると、本の凝縮したエッセンスが記憶に残りやすいと思います。このあたりは遅読家のための読書術の中でも、「1ライン・エッセンス」として、実践法を詳しく説明しています。

また、読んでて気になったことや思いついたアイデアは、iPhoneのメモに残しておくようにしています。メモは、手書きでもデジタルでもどんな方法でも自分のやり方でいいと思います。

これも「絶対手書きにする!」 「いつもスマホにメモする!」などとルールにしてしまうと、苦しくなってしまうので臨機応変に対応できるメモパターンをいくつか持っておけると良さそうです。

3. 重要ポイントは「折る」

本に直接書き込んだり、付箋を貼ったりはほとんどしません。一番やっているのは「折る」こと。本に線を引くのは感覚的に抵抗があるんですよね。だから、必要なポイントはいつも折ってわかるようにしています。

4. アウトプットする

読んだ本の書評をブログやSNSに書くようなアウトプットは大切です。記憶に定着させるというより、自分の「読書」という行為を肯定できて、自信にもつながると思うんです。

また、読書用のツイッターのアカウントをつくるのもいいんじゃないでしょうか。読んだ本のタイトルや著者名、あわせて気になったフレーズなどもつぶやいて備忘録として貯めておくのも記憶に残るのでは?

よかった読書の記録だけじゃなくて、もうひとつアカウントをつくって失敗だった読書記録だけつぶやいたりするのも面白いかもしれない。

そんな風にアウトプットすることが楽しめたら、読書自体がアクティブなものになるよね。

5. 本について人と話す

人と本について話をするのもオススメです。話すことで記憶に定着することもあるし、新しい本との出会いも生まれます。

僕の場合、人との会話の中で知らない本の話題が出たら、その場でスマホからAmazonにアクセスして買うようにしています。興味を持った瞬間に買うのが重要で、それを逃すと買わないことも多いから。そういう出会いは大切にしているんです。

印南流「とっておきの本」との出会い方

図書館
Image: Shutterstock

ーー読書習慣を身につけ、「自分が求める1冊」を見つけるには?

本を探す基本は、ワクワクと好奇心。自分の興味軸に合うもの、面白そう!と感じたものを手に取るようにしていて、出会う場所も書店やネットだけではありません。みんな気づかないだけで、本と巡り会うチャンスはいろいろなところにあるんです。もっと活用してほしい!

1.本を「ジャケ買い」する

大きな本屋さんの新旧織り混ぜて置いてある文庫の平積みの中から、パッと気になったジャケット(表紙)を買うこともあります。もちろんハズレもあるけれど、意外な収穫もありますよ。

2.「図書館」を積極的に活用する

ネットで多くの情報を得る人たちは意外とリアルなところに足を運んでいないかもしれないから、公立の図書館をもっと活用してみてほしいな。きっと読書の幅が広がると思います。

僕の図書館の歩き方は、まずぐるっと館内を一周する。自分とは関係なさそうなコーナーも見ていますね。そうするとぐるぐる回らなかったら見つけられないような本に必ず出会えるんです。

そして読まなくたっていいから、行ったら目に止まった本は借りられるだけ借りるようにしています。最近の図書館は新しい本も充実していますし、何よりタダです! 読まないまま返すことや、 気がついたら同じ本を何度も借りていて、それなら購入しようと自宅に迎えることもあります。

どんな関わり方でもいいので、図書館に行って本を探して借りるという読書につながる習慣を身につけることも重要だと思っています。

3.「古本屋」ならではの発見を楽しむ

古本屋も好きで、荻窪駅前の「古書ワルツ」によく通っています。

店の前に100円コーナーがあって、そこにいつもいい本がたくさんある。ここは回転が早いので掘り出し物も多く、いつ行っても楽しくてワクワクさせてくれるんです。

古本屋を楽しむコツは、好みの店を探して、自分の中で本を選ぶ基準をつくること。

僕の場合は、昭和の古い本の装丁が好きですね。僕の親父は編集者だったので、子どもの頃は部屋の壁一面に本が並ぶ環境で育ったんですが、その本棚にあった本を見つけたら、懐かしくなって買ってしまうこともよくあります。

今まで見たことない装丁の本や、あっと驚くタイトルの本など、手に取ってみたら、すごく面白かったという新書を扱う書店とは違う体験も。表紙やタイトルにビビっときて買ってみたら、意外な収穫だったというようなことも珍しくありません。

ブックオフの100円コーナーもオススメです。なぜなら冒険できるから。普段買わないような本をあえて買ってみることで、自分の好きなもののどういうところが好きなのか、なんでこれは苦手なのかなど見極める判断に使えると思います。100円ならたとえ失敗しても後悔しませんよ。

読書の呪縛を乗り越えて自由に楽しむ

本を楽しむ
Image: Shutterstock

ーー読みたいのに読めない。「読書の呪縛」から逃れる方法はありますか?

読書をもっとフラットに考えたらいい。まずは基本に立ち返り、たくさん読めない、忘れるのは当たり前と認めること。

自分だけが劣っているわけではなくて、みんな同じだから大丈夫(笑)。本を読めていなくても、何にも問題はないんだと今の自分を認めることは大切なんじゃないかな。

続けられる読書のポイントは、本を通して、学びを得るかどうかより、その読書が心地よいかどうか。心地よく本が読めていれば、結果的に学びは得ていると思うんです。

学びを得るのが目的になると心地よさが後回しになってしまうから続けられずに結果的に学びづらい環境になってしまいます。

気持ちよく読むことを意識して読書してみる。もし読んでいて気持ちよくないならその本は自分と相性が悪いと割り切って無理して読まなくてもいいんです。

「たかが読書」です! 期待しなくて問題なし。

でも本は愛おしいし、いくつになっても新しい本を見つけたときはワクワクするのは変わらない。そんな本を通して子どもの頃から脈々と身についた感性はきっと誰にでもあります。無理しなくて大丈夫。

人がそれぞれ違うように本にも個性があるから、時間をかけて、自分にとってのいい本との出会いを楽しんでいくことこそが、きっと最高の学びにつながるはずです。

▼前編はこちら

本に期待しすぎるな! 印南敦史さんに聞く「1%の学び」を大切にする読書術


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