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「学ぶ」に勝る投資なし

「耳学習」習慣化の鍵はスキマ時間〜実践のための7TIPS

author 取材・文/田邉愛理
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「耳学習」習慣化の鍵はスキマ時間〜実践のための7TIPS
Image: Shutterstock

何よりも大切で、投資するべき資産とは何でしょうか? それは、お金でも不動産でもなく、「自分自身」ではないでしょうか。

変化の激しい現代において、常に学び、成長し続けることは必要不可欠です。しかし、一体何を、どうやって学べばいいのか。その「学び方」は学校では教えてくれません。

この「学ぶに勝る投資なし」特集では、自分自身を高める最高の投資としての「学び」について、最新の独学術やノウハウについてご紹介します。

第2回は、音声コンテンツや音声広告領域に特化して事業を展開する株式会社オトナル代表の八木太亮さんに、世界の音声コンテンツのトレンドや、「聞く学び」の3つのメリットなど、音声コンテンツを活用した独学法について伺いました。今回は後編です。

▼前編はこちら

「ながら聞き」で学べる音声コンテンツはこれから伸びる最強ツール

八木 太亮(やぎ・たいすけ)

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株式会社オトナル代表取締役。2013年ウェブメディアを運営する株式会社オトナルを創業。ウェブメディア事業を事業売却ののち、音声コンテンツと音声広告領域に特化し、アドテクノロジーを活用した広告出稿とクリエイティブ制作をトータルサポートできる”音声広告カンパニー”としてデジタル音声広告事業を展開。その他、ラジオ局や新聞社など大手パブリッシャー向けの音声コンテンツの配信支援事業とデータ運用支援を行っている。

「音声コンテンツ」と「ラジオ講座」の2つの違い

近年増えているSNSやアプリによる音声コンテンツ。昔からある「ラジオ講座」のような聞く学習法と比べると、大きく2つの違いがあると八木さんは話します。

1.オンデマンドである

昔は、メディアやコンテンツの放送時間に人間が合わせるのが当たり前でしたよね。インターネット時代のコンテンツでは、ユーザーの好きなタイミングで視聴できる、より人間の都合に合わせられるコンテンツの楽しみ方が求められています。これは、動画コンテンツでいうと地上波のテレビ放送とYouTube、テレビ放送とTVerの視聴方法の違いを考えるとわかりやすいかと思います。

アプリ系の音声コンテンツは基本的にオンデマンドなので、「ながら学習」とは相性抜群。たとえば、私はご飯を作るときや洗濯物を干すときに、必ず音声コンテンツを聞いています。これもオンデマンドだからできるライフハックです。

2.誰でもコンテンツを配信できる

これにより、マスメディアでは取り扱えないニッチで多様性のあるテーマが増えてきています。

たとえば、大学教授が配信している昆虫のPodcastや農家の方が自身の農業体験をテーマに発信する番組など、人の肉声で語られるリアルな感じがおもしろい。学びの新しい可能性を感じます。

習慣化のポイントは「スキマ時間」を探すこと

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Image: Shutterstock

2018年に「株式会社オトナル」にて音声事業を開始した八木さんですが、その発端は0歳児の子育て。最初は子どもを抱いていると両手が塞がってしまうので、仕事ができないと悩んでいたそう。

しかし、情報のインプットは音声コンテンツがあれば可能だし、文書作成はGoogle音声入力が使えることを発見。「音声がライフハックに役立つ」ことを知ったことが、事業アイデアの種となりました。

当時の経験から、耳学習を習慣化するポイントは「耳学習をはじめるぞ」と思わないことだと考えています。それよりも重要なのは、生活のなかで「ながら聞き」ができるスキマ時間を探すことです。

八木さんの場合は子どもを保育園に迎えに行く時間、洗濯物を干す時間、ご飯を作る時間がそのタイミング。聴覚が空いている時間に“音”をはめ込む意識を持つと、耳学習を習慣化しやすいといいます。

さらに、スキマ時間に適した学習内容を選ぶことも大切。

単純作業の時は難しいコンテンツを。逆に疲れているときや複雑な作業の時、終電の電車などで乗り過ごしのリスクがある通勤中などは、エンタメ性の高い学習コンテンツがおすすめです。

良質な音声コンテンツに共通する2つのポイント

オトナルでは、音声広告や音源制作を手がける八木さんですが、人の耳を惹きつける良質な音声コンテンツには2つの共通点があるといいます。

1.わかりやすく楽しめる

世界的に人気があるPodcastとして、ニューヨーク・タイムズ紙の『ザ・デイリー(The Daily)』があります。

ニュースをBGMや効果音で、まるでドキュメンタリーのように演出・エンタメ化していて、楽しいからつい聞いてしまう。難しいものをわかりやすく、楽しく変換できるというのは、優れた音声コンテンツの特徴です。

2.配信者の人間性が表れている

日本のPodcastで上位にランクインしている『歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)』は、3人の配信者がそれぞれに魅力的で、難しくなりがちな歴史の話も楽しく聞けます。

朝日新聞のPodcast『ニュースの現場から』は、配信している記者のキャラクターの強さに惹き付けられる。配信者が自分の目で見て、感じたものを喋ってくれる、そんな人間性の表現は音声コンテンツの吸引力に直結します。

耳学習を実践する7つのTIPS

ここからは実践編として、耳学習を効率よく行うためのTIPSを八木さんに聞きました。

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Image: Shutterstock

Q1. 耳学習をはじめる際に用意すると良いものは?

ワイヤレスイヤホンです。スキマ時間の有効活用が鍵なので、煩わしいケーブルがなくなるとグッとハードルが下がります。

Q2. 耳学習に適した時間帯はありますか?

できるだけ単純なことをしている時間帯。仕事中は厳しいと思うので、朝や夜のスキマ時間を探してみてください。

Q3. 耳学習に向いているカテゴリーやテーマは?

日本国内ではやはり言語学習、かつ英語が人気です。海外ではPodcastの上位ランキングにくるのはニュースとコメディ、次いでビジネス系。しかし日本では必ず上位ランキングに英語番組がきます。あとはビジネス系、自己啓発系のトレンドを押さえたコンテンツも人気があります。

私のおすすめは、ちょっとニッチな専門分野のプロが配信するコンテンツ。自分の関心ある業種や分野の実践をしている人の話を聞くことは、いい学習になります。たとえば私の場合、メディアのあり方やマーケティングをテーマにした番組をよく聞いています。

Q4. 八木さんが勉強や情報収集に利用しているチャンネル/Podcastは?

音声メディアは書籍と違い、編集が入っていない“生の意見”が飛び交うのが醍醐味。よく聞いている番組をご紹介します。

こんにちは未来

NY在住のジャーナリスト・佐久間裕美子さんと、コンテンツメーカー「黒鳥社」の若林恵さんによるPodcast。音楽、アート、政治、ビジネス、ライフスタイル、コンテンツやメディアのあり方までカテゴリーにとらわれず語るトークセッション。

All Ears English Podcast

全世界に多くのリスナーがいる人気の英語学習Podcast。日常で使う英語の語彙や、自然なイディオムなど、ネイティブな英語の学習に最適。内容はすべて英語なので、中級から上級の英語学習者向け。

ビジネスウォーズ

任天堂対ソニー、マクドナルド対バーガーキング、Tik Tok対Instagram、ナイキ対アディダスなど、企業対決をテーマにしたニッポン放送のPodcast。創業秘話から語られる丁寧なストーリー展開が面白い。経営や起業に関心のある人は必聴。

週刊 日経トレンディ&クロストレンド

日経トレンディと日経クロストレンドの編集部員が、旬な話題やキーワードをテンポ良く解説するインターネットラジオ。最近の世の中のトレンドや、注目の新商品などについて知ることができる。

ゆる言語学ラジオ

言語学のさわりのおもしろい部分を、丁寧かつざっくりとわかりやすく学べるPodcast。なんとなく学んだり使っていたりしたものについて、「そことそこがつながっているのか」という発見が多く、聴いてるだけで雑学が深まる。

三木鉄也のミキミキ!アドミキサー

デジタルマーケティングをテーマにした三木哲也さんのPodcast。第一線で活躍するゲストが豪華で、今のアドテクノロジーの最新トレンドを知ることができる。メディア業界や広告業界の専門性高め。

Q5. 聞くだけでなく、得た知識を生活の中で実践する上で効果的なアウトプット法は?

端的に言うと、自分でもアウトプットすること。私は必ず人に話すか、ブログにまとめて公開します。学習定着率を高めるためには、学んだ内容を人に教えることが最も効果的。これはアクティブラーニングの手法として知られています。

おすすめは、耳学習で学んだことを翌日必ず誰かに話すなど、アウトプットに関するマイルールを作ること。一番いいのは自分が音声コンテンツの発信者になることです。

Q6. アプリでは音声の速度を変えられる仕様も多く見られますが、おすすめの速度は?

私はけっこうせっかちなので、ニュースやエンタメ系は1.2~1.3倍で聞いています。逆に言語学習で発音を学びたいもの、オーディオ小説やビジネスドキュメンタリーなどストーリー性のあるものは、1〜0.8倍くらいにしてゆっくり楽しみます。

Q7. 最後に、聞く学習法を楽しく続けるためのアドバイスをお願いします。

2つあって、ひとつは自分の「楽しく聞けるタイミング」を探すこと。もうひとつは「楽しんで聞けるコンテンツ」を探すこと。いろいろと番組を聞いてみて、自分に一番マッチするものを選んでください。


移動中、運転中、家事中、食事中、単純作業中など、耳学習に適したスキマ時間は、忙しくても見つけられるもの。このように考えると、これまで忙しくて学習をあきらめていた人も、実は学べる余白があることに気づけるのではないでしょうか。

音声コンテンツの特性を生かしたスキマ時間の学習は、積み重ねるほど大きな結果をもたらしてくれます。ぜひ実践してみてください。

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「ながら聞き」で学べる音声コンテンツはこれから伸びる最強ツール

Source: otonal, ポッドキャストランキング(1, 2, 3, 4, 5, 6

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