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印南敦史の「毎日書評」

独立まもない個人事業主こそ意識すべき、現状維持にならない「7つの習慣」

author 印南敦史
独立まもない個人事業主こそ意識すべき、現状維持にならない「7つの習慣」
Photo: 印南敦史

個人事業主1年目の強化書』(天田幸宏 著、日本実業出版社)の著者は、起業支援情報誌編集者を経て独立し、個人事業主として長年にわたり活動を続けてきた人物(2008年に法人化)。

2020年には一般社団法人「ひとり起業ファーム協会」を設立し、現在は早期退職者のためのセカンドキャリア・独立支援を中心に、個人事業主、ひとり起業家のための各種支援事業を行っているそうです。

つまり本書は、そうした活動を通じて全国地で出会ってきた個人事業主の方々、また自身の経験を軸として書かれているわけです。タイトルからわかるとおり、目的は個人事業主1年目の方々を“強化”すること。

ところで、これまでの経験を振り返ってみると、個人事業主として活躍する魅力的な方々には、以下のような7つの共通点があるのだといいます。

・「強み」にもとづいた事業を行っている

・圧倒的な「付加価値」を武器にしている

・「継続して儲かる仕組み」をつくっている

・「下請け仕事」を極力避け、自ら顧客を開拓している

・主力事業(本業)が苦境に陥ったときの「備え」がある

・将来の引退に備えて資産形成の準備をしている

・仕事とプライベートとの垣根がなく、人生そのものを楽しんでいる

(「はじめに」より)

これらを実践すれば、それが力強い「事業の継続」の礎になるということ。

そんな考え方を軸に「独立1年目から備えておくこと」を100項目に厳選してまとめた本書のなかから、第8章「人生はマラソン。息切れせずに成長し続ける習慣づくり モチベーション&スキルアップ&心と体のメンテナンス編」に注目してみたいと思います。

仕事の質は常に磨き、改善し続ける

会社員の評価は人事によって決まりますが、独立して個人事業主になると、自身の評価は基本的に「顧客」に委ねられることになります。

きちんと評価に見合った仕事をしなければ、顧客が離れてしまうばかりか、新規顧客の獲得もままならない状態になってしまうということです。

そのため必要になるのは、仕事の質を常に磨きつつ、改善の手を止めないこと。別の表現を用いるなら、飽くなき利便性や顧客満足の追求です。

では、具体的にどうすべきなのでしょうか?

個人事業主にとって「現状維持は衰退あるのみ」と心得るべきだと主張する著者は、“現状維持に陥らないためにやってほしいこと”として次の7つの習慣を挙げています。

現状維持に陥らないための7つの習慣 1:先輩や同業者の成功例を模倣する → まずは追いつく

2:読書 → 多読よりも「お気に入りの精読」

3:定期的な情報発信 → 定期的 > 単発

4:顧客と定期交流 → 本音を聴ける関係性を構築

5:身につけたスキルや経験を教える → 学習効果が高い

6:自分に「意見してくれる人」を持つ → メンター効果

7:他業界の成功を創造的に模倣する

(199ページより)

著者の場合、若いころから心がけてきたのは「読書」だそう。

ビジネス書や実用書だけにとどまらず幅広いジャンルを読んでいたおかげで、多くの知識を得ることができ、その知識が「引き出し」となって、年上の経営者との会話にも困ることがなかったというのです。

また、30代後半になってからは経営の勉強に目覚め、「自分に意見してくれる人」と出会うことに。それは、独立後最大の財産だと実感しているそうです。

また、身につけたスキルをセミナー形式で「教える」ことが、仕事の幅を大きく広げることにもなったとか。そうしたことが、現在の独立人生の礎になっていると実感されているようです。(198ページより)

「理想の先輩」を創造的に模倣する

上記7項目のなかから、「1:先輩や同業者の成功例を模倣する」に注目してみましょう。

著者はここで、変化の激しい時代に生き残るべく、「理想の先輩」をベンチマーク的存在にしてみようと提案しているのです。

とくに個人事業主にとって、それは大切なこと。なぜなら理想の先輩を「創造的に模倣」することで、自分のなかに「基本」と「基準」ができるからです。

「理想の先輩」に学ぶ7つの効能 1:効率的な「稼ぎ方」が学べる

2:物事の「とらえ方」や「考え方」が学べる

3:何かあったときに「相談」できる

4:先輩の「失敗談」を教えてもらえる

5:慢心しそうなときに諌めてくれる

6:「仕事の紹介」が期待できる

7:独自のワークスタイルや「価値観」を確立できる

(205ページより)

理想の先輩に学ぶことは、仕事の効率化だけでなく、自身の価値観にも刺激となるもの。先輩の物事に対する「とらえ方」や「考え方」も参考にするべき。

「先輩はなぜ、その事業をはじめたのか」

「事業を行ううえで最も大切にしていることはなにか」

たとえばこうしたことを参考にし続けることが、自身のワークスタイルや独自の価値観の醸成につながるわけです。

先輩と会うたびごとに、自分の成長度合いも感じるはずです。できれば理想的な先輩とは、定期的に交流できるような環境をつくりましょう。(205ページより)

著者はつい最近、独立事業者のための資産形成を学ぶ勉強会を先輩と立ち上げたそうです。

一緒に勉強会を定期開催してみたり、新たな企画を先輩に提案したりして、自ら場をつくっていくことで、交流は続いているといいます。そうやって先輩に学ぶことで、おのずと視野も広がっていくのでしょう。(204ページより)

開業準備から環境の整え方、マインドセット、ビジネスモデル構築法など、個人事業主に必要な情報を幅広く網羅した一冊。個人事業主の方々はもちろん、将来的に独立を目指している方にとっても大いに役立ちそうです。

Source: 日本実業出版社

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