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東京発のイノベーションを追求し続ける。日本の医療を変える挑戦

author 取材・文: 中村真紀

Sponsored By メルクバイオファーマ株式会社

東京発のイノベーションを追求し続ける。日本の医療を変える挑戦
Copyright Merck KGaA, Darmstadt, Germany

日本における死因第一位である、がん。治療法の進歩は目覚ましいものがありますが、それでもアンメットメディカルニーズ(有効な治療方法が確立されていない疾患に対する医療需要)の高いがん種も、いまだ多く存在しています。

1668年創業、350年以上という世界でもっとも歴史の長い医薬品会社であり、 あくなき好奇心でイノベーションを追求し続けるメルクバイオファーマ

柱となるスペシャリティ領域のひとつとして「がん、がん免疫」を掲げる同社の取り組み、また現在のがん治療のトレンドについて、研究開発本部 本部長の松下信利さんにお話を伺いました。

松下信利(まつした・のぶとし)

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メルクバイオファーマ株式会社 取締役、研究開発本部 本部長、北東アジアハブ サイトヘッド

農学博士。複数の製薬会社で医薬品研究開発に従事。前職の外資系製薬会社では、自社製品のアジア独自の適応症取得のグローバルプロジェクトリーダーとして多国籍チームを牽引。 2015年10月メルクセローノ株式会社(現:メルクバイオファーマ株式会社)入社。

――日本における、がん治療の現状について教えてください。

2007年に、国際共同治験を推進するガイドラインが制定されたことで、がん治療薬の研究開発における状況が大きく変わりました。

それ以前は、欧米で開発された治療薬が日本ですぐに使用できないという、いわゆるドラッグラグの問題があったんです。

しかし2007年以降は、日本も国際共同治験に参加することで同時開発、同時申請が可能に。承認が下りるまでのタイムラグが解消されたことは、非常に重要なできごとでした。

しかし歴史的に見ても、がん治療薬の研究開発は欧米で先行することが多く、グローバルな開発の対象となるのは、どうしても欧米諸国で患者数の多いがん種が注目されることが多いと思います。

がんは比較的早期で発見された場合、摘出することで治癒も可能です。しかし、ご存じのように再発、転移することもありますし、発見時にはすでに手術が難しいという場合もあります。

そういう患者さんに対しては、薬物療法でがんを小さくすることで、体のコンディションをできるだけ良くする。言い方を変えれば、薬を活用することで、がんをコントロールしながら共に生きていく、ということになります。

そういったケースでは、継続して治療を行なっていきますので、患者さんがチョイスできる治療法の選択肢ができるだけたくさんあることが重要になってきます。

――にもかかわらず、アジアで多いがん種の治療法はまだ少ない、ということでしょうか?

そうなんです。そこがまさに、アンメットメディカルニーズなんです。

アンメットメディカルニーズとは、いまだに有効な治療方法が確立されていない疾患に対する医療需要のことをいうのですが、それこそがメルクバイオファーマが力を入れている分野です。

当社では研究開発の主要な拠点を、ドイツ・ダルムシュタット、アメリカ・ボストン、中国・北京、そして日本・東京の4カ所に置いています。

東京の拠点は「北東アジアハブ」と呼ばれており、アジアで発症頻度の高いがん種の臨床開発をけん引していくという大きな役割があります。韓国、台湾など、他のアジア諸国とも連携して開発を進めています。

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メルクバイオファーマ提供

「がん領域」と「がん免疫領域」

――がんの薬物治療というと、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

メルクの研究開発では、「がん領域」「がん免疫領域」という、ふたつのセグメントを設定しています。

わかりやすくお話しすると、「がん領域」では、薬物が直接がん細胞を攻撃してがん細胞を傷害する治療薬の研究開発。

対して、「がん免疫領域」ではがんに対する免疫を強化することによって、がん細胞を攻撃させるという治療薬の研究開発です。「がん免疫」は比較的新しい領域で、このアプローチが効きやすい特定のがん種があるということもわかってきています。

メルクグループのグローバル全体で、2020年の研究開発費は23億ユーロ。そのうちヘルスケアビジネスでは、全体の74%にあたる16.4億ユーロを研究開発に投じています

医薬品を扱う企業として、新しい製品を世の中に出し続けていくということは大きな命題。研究開発、そして製品化というプロセスには、当然多くのリソースを投下しています。

――年齢に応じて、がんとの向き合い方は異なりますか?

そもそもがんというのは、本来ある特定の臓器の機能を果たすべき細胞が、遺伝子変異によって臓器の細胞として機能せずに際限なく増殖してしまうという病気です。

高齢になればなるほど免疫機能は低下するので、がん細胞を自らの力で排除しづらくなっていく。つまり、年齢を重ねるほど、がんのリスクが高まるという現実があります。

働きざかりの30~40代にとっては、まだ自分自身のこととして想像しづらいかもしれませんが、まずはご両親のことを思い浮かべてみてください。

身近な人の顔を想像しながら、がん治療の情報に接していくと、受け止め方が違ってくると思います。

また、がんのリスクを上げる生活習慣については、わかってきていることもいろいろあります。たとえば喫煙など、そういうことは若いうちから意識的になるべく避けていくことが、将来的に見てご自身のためになるといえるでしょう。

――メルクバイオファーマでは、がん治療以外にどのような事業を展開しているのでしょうか?

日本では、がん治療に加えて、不妊治療が大きな柱となっています。グローバルでは、国や地域によって自己免疫疾患に加え、General Medicine(ジェネラルメディスン)といった生活習慣病などのQOL改善を目指す事業も展開しています。

メルクバイオファーマは、ドイツに本社を置くメルクグループの3つのビジネスのうち、医療用医薬品を取り扱う企業です。

メルクグループは、ヘルスケアに加えて、ライフサイエンスエレクトロニクスという、3つのビジネスから成り立っています。

メルクの歴史は古く、創業は1668年。日本でいえば江戸時代、しかも江戸のかなり初期。四代・家綱の時代にあたります。

ドイツ本社とはフラットな関係。お互いをリスペクトするフラットな社風

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Copyright Merck KGaA, Darmstadt, Germany

――外資系医薬品会社の日本支社ということですが、松下さん自身どのような会社だと感じていますか?

私は採用面接を担当させてもらうこともあるのですが、研究開発本部の本部長という立場であると同時に、松下信利という個人としてもお話をさせてもらっています。

そのときにいつもお伝えするのは、とにかく本社との関係性がフラットだということ。単なる子会社の従業員としてではなく、グローバルチームの一員として本社サイドが私たちをリスペクトしてくれていることを強く感じます。

私は別の外資系企業でも勤務経験があるのですが、雰囲気はまったく異なりました。

それは、先ほどお話しした「北東アジアハブ」という拠点の機能を見てもわかると思います。日本、アジアが主導する臨床開発はもちろんですが、時にはグローバルレベルの臨床開発のリーダーシップを、ここ東京の社員がとることもあります。

親会社・子会社というと、上下のヒエラルキーを連想されるかもしれませんが、メルクではそれをあまり感じさせない、フラットなカルチャーが特徴です。

――そんな社風のメルクバイオファーマでは、どのような人材が求められているのでしょうか?

チームで目的を共有し、しっかりとコミュニケーションをとりながらプロジェクトを進めていく能力が必要不可欠です。

チームメンバーは、スキルレベルはもちろん、ときには国籍も違う。そんななかで、いろいろな考え方があるのだということを理解し、相手の話をしっかりと聞いたうえで合意形成していく姿勢が重要です。

医薬品開発の分野では、すべてのことが劇的なスピードで進んでいきます。英語でいうとアジャイル、つまりビジネスにおける俊敏性、機敏性も求められるスキルのひとつです。変化に対する迅速な対応、現状よりもさらにいいアイデアがあれば提案していける積極性のある人材を求めています。

――昨今のパンデミックで、社内における働き方は変化しましたか?

在宅勤務が非常に増えたことはたしかですが、メルクではパンデミック前から日本のメルクグループ全体で、「MyWork@Merck」という名称でフレキシブルな働き方を推進する制度を導入していました。

多様な働き方を認めながら効率的に仕事の成果を出し、ワークライフバランスをより良いものにしていこう、というグローバルレベルでの取り組みを日本においても導入しています。

在宅に限らずリモート勤務を可能にすることで、必ずしも毎日オフィスにいる必要はないだろうと。子育てをしながらリモートでしっかりと成果を出している社員もたくさんいますし、今後はこの働き方をさらに進化させていきたいと考えています。

――働き方改革に力を入れている理由はなんでしょうか?

純粋に、今いる従業員はもちろん、将来働いてみたいと思ってくれる人たちに、魅力的な会社だと感じてもらえるようにしたいです。ちょっと古い表現かもしれないですけど、会社にとっては人がすべてなんですよね。

優秀な人たちに働きたいと思ってもらうために、いかに企業として進化していけるか。そのテーマに対して、非常に前向きに取り組んでいる会社だと思います。

サイエンスとテクノロジーで世界を変える、というのが私たちメルクの揺るがぬミッションです。そこに共感してくれる仲間と共に、より良い世界をつくるための研究開発にまい進することこそが、私たちの大きな使命だと考えています。

Source: メルクバイオファーマ(1,2,3,4,5,6), 国立がん研究センターがん情報サービス

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