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完璧なステーキを塩を極めて焼く方法

author Sam Palazzi - Lifehacker US[原文]/訳:ぬえよしこ
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完璧なステーキを塩を極めて焼く方法
Image: Shutterstock

なぜ家でつくるステーキは、レストランのようにはできないのか?

その秘訣は、塩をただ使うのではなく、正しい方法で使うことです。

塩を極める

塩は料理の最も重要な素材の1つです。うまみを加え、苦味を抑え、味にコントラストを出し、食感を加えます。とはいえ、塩分の取りすぎによる健康への影響を軽視しているわけではありません。

塩の魔法は、塩がつくり出すバランスにあります。 そのバランスを味わうために塩を使いすぎる必要はありません。

ただ、適切な量とタイミング、それからどの塩でも良いというわけでもありません。

完璧なステーキをもう一度思い浮かべてください。

そのステーキにとってもっとも重要な2つの要素は、ちょうど良い焼き具合の表面(強い加熱が必要)と柔らかくてジューシーな内部(じっくり加熱が必要)です。

肉のエキスパートであるマックス・グレブさん(別名はMaxTheMeatGuy)は、「調理においてこの2要素は矛盾していますが、ステーキに塩を加える方法によってもっと効果的に調理してそのバランスを取ることができます」と述べています。

塩をふりかけると肉はどうなる?

ステーキに塩をふりかけるのは主に味を付けるためですが、それだけではありません。 塩は、肉を柔らかくして保水するためにも欠かせないのです。

肉(または水分を含む食品)にコーシャーソルトをまんべんなくふりかけると、浸透作用が起こるのがすぐにわかります。

数分以内に液体の粒が表面に現れて塩の結晶が溶けだします。こうして、ステーキの表面に濃縮塩水(ブライン)ができます。

時間が経つとこの塩水は肉に染み込んで、風味と柔らかさを肉に加えるのです。

(肉の厚みを考慮して)塩が染み込む時間を長くすれば、もっと肉の内部へと染み込んでいきます。

「ステーキに塩をまんべんなくふりかけて置いておくと、肉に完全に吸収された塩分は肉の分子に結合して水分を逃しにくくなり、保水性が高まります」とグレブさん。

このように塩によって、風味だけではなくずっとジューシーにもなるのです。

塩をまぶすタイミングが重要なわけ

料理本やブログを読んだりセレブシェフの動画を見ると、準備段階でステーキに塩をふりかけるタイミングについてはいろいろな意見があります。

しかし、塩をふりかけてから3〜45分以内にステーキを焼くのは間違い(大間違いです)だという意見には大部分が同意しています。

その時間ではステーキから水分は出ますが、それがまた肉に吸収されるには十分ではないからです。風味と柔らかさの足りない食事でもかまわないなら別ですが、この方法で焼くと表面をカリッとほどよく焼くのがずっと難しくなります。

カリッと茶色に焼き上げるには水分は禁物です。

メイラード反応のためには表面にはできるだけ水分が少ないほうが良く、少なければ少ないほど素晴らしい焼き具合になります。3〜45分で調理すると、水分がタンパク質から引き出されてもその水分がまた肉に吸収されていないので、もったいないかぎりです。少なくとも1時間は置いてください。

ステーキが塩水を再吸収する時間が長ければ長いほど、ステーキの表面から適度に水分がなくなり、また、肉がもっとおいしく、柔らかく仕上がります。

グレブさんいわく、「こうすれば、ステーキを少し低い温度で調理しても、ステーキの表面はカリッと素晴らしく焼けて、中はすみからすみまでミディアムレアに仕上げることができます」とのこと。

いやはや、タイミングもたいへんです。じっくり計画する時間がないなら、味付けしてすぐ、たとえば1分以内にステーキを調理するというのが経験則です。

そうすると、塩がステーキから水分を引き出す時間がありません。

塩のふりかけかたと使うべき塩のタイプ

「普通、皆さんがステーキにふりかける塩は少なすぎますね」とグレブさん。

特に厚めのステーキに対してはそうなのだそうです。

塩を雪にたとえると、厚いステーキなら大雪、薄いステーキなら粉雪がいいでしょう。

雪の結晶といえばそれぞれが独特ですが、同じことが塩の粒にも当てはまります。食用塩のほとんどは塩化ナトリウムですが、塩の種類ごとに違うテクスチャーと形状によって食材に異なる作用があります。

ステーキの調理については、水分を引き出して肉にまた染み込ませる方法が関係します。

ダイアモンドクリスタル(製品名)などの粗いコーシャーソルトの形状は、ステーキ(またはほかの肉)に吸収されて肉の分子に結びつくのに理想的です。

軽くて粗いので、塩の使いすぎが防げます。

食卓塩は粒が細かいので均一にふりかけるのが比較的難しく、水分を適切に引き出して濃縮塩水ができる前に肉に吸収されてしまいます(ちなみに、ヨウ素添加塩では味がかなり違います)。

シーソルトの粒の大きさはいろいろあるので、私は普通これは選びませんが、ライトグレー・ケルティック・シーソルト(製品名)を一押しする人たちもいます。

この塩には余分に水分が含まれています。シーソルトとマルドンフレークは、仕上げに少量を使って風味と食感を加えるのに最適です(それに見た目もアップします)。

私は粗い粒のコーシャーソルトを愛用していますが、どんな塩を使うにせよ、容量ではなく重量で測ることが重要です。ある塩の小さじ1杯は、別の塩の小さじ1杯よりもずっと塩からいということがありますから。

塩をまぶしたらラックに置く理由

ステーキに塩をふりかけて置いておく際にやりがちな間違いは、片面だけに塩をまぶすことです。

「ホイルで包んだり、皿に置いたりするのではなく、カバーをかけずにラックに置いてください。(皿に置いたままだと)上面は空気に触れて乾燥するでしょうが、下面は塩水に浸かってしまい、塩の効果が得られません」とグレブさん。

その時点では、肉のタンパク質分子が塩水を保持するためにしっかり作用してくれています。

ステーキに塩をふりかけて置いておく際には、余分な水分はしっかり空気乾燥させて、肉の両面がカリッとうまく焼けるようにしたいものです。

ステーキに塩をまぶして何時間も置いたあとに肉が水分に浸かっているのに気づくとがっかりします。ラックを使えば肉全体に空気がゆきわたり乾燥させられます。

塩を欲するのには理由があります。

人の体には(適度な量の)塩分が必要だからです。ステーキも同じです。グリル、フライパン、真空調理、どんな調理法でも塩はステーキの重要なパートナー。

塩を丁寧に、敬意を払って使いましょう。

そうすれば完璧なステーキはそれほど苦労せずとも現実のものとなります。


Source: Instagram, Serious Eats, Cook's Illustrated

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