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「察する力」を身につける|こっそりできるEQのトレーニング方法

author Rachel Fairbank - Lifehacker US[原文](訳:ガリレオ)
「察する力」を身につける|こっそりできるEQのトレーニング方法
Image: Shutterstock

答えに窮する質問をぶつけられて、困ってしまう……そんな経験が、きっと誰にでもあるはずです。

その状況はさまざまで、職場にいる時もあれば、友人たちと一緒にいる時もあります。

何と答えればいいのかわからない(本当にわからない場合もあれば、まだ人に言う心の準備ができていない場合もあります)。

それなのに、あなたが何か言うことを期待して、あなたに視線が集まります。それはまさに、悪夢のような状況です。

自分が質問する側に回り、(たいていはうっかり聞いてしまった内容に罪悪感を覚えることもあります。

たとえば、友だちに人前でデリケートな質問をぶつけてしまう。会議の最中、おとなしい同僚をひじで小突き、意見を言うように促してしまう、というようなケースです。

あるいは、気に食わない人をちょっと困らせてやりたくて、わざとそうすることもあります。

いずれにせよ、相手が困ってしまう質問をするとその人との信頼関係にヒビが入るという悪影響があります。それが意図的であっても、そうでなくても同じです。

信頼関係維持の鍵はEQにあり

マサチューセッツ大学アマースト校の心理学/脳科学名誉教授のSusan Krauss Whitbourne氏は、信頼関係を保つ秘訣は「心の知能指数(EQ)を高めることだと述べています。そして、EQの中でも重要なのが、相手の気持ちを認識したり予想したりする能力だとしています。

先日配信された「Psychology Today」の記事の中で、Krauss氏は次のように書いています。

相手があなたからできるかぎり遠ざかろうとしていたら、それは、あなたに感受性が足りず相手にプレッシャーを与えてしまっているサインです。

EQ=相手の気持ちを感じ取る能力

EQとは、自分の気持ちをコントロールできるだけでなく、相手の気持ちを感じ取り、推測できる能力のことです。

相手の気持ちに気づき、それをもとに、目の前の状況を改善できる人。その一方で、自分の気持ちもしっかりとコントロールできる人。それが、EQの高い人なのです。

信頼関係の維持には、一定レベルのEQが要求されます。相手が何かに不安を感じているかどうかを感じ取りどうすればその不安を和らげられるかを理解できるレベルのEQです。

私たちは、自分については、何に気まずさを感じ、何に不安を感じるのかを知っています。

けれども、相手がそうした感情を何に抱くのかについては、必ずしもわかっているわけではありません。誰もがみんな、それぞれ違っているからです。

うっかりした質問で相手を困らせてしまう事態を避けるには、あなたが意図せずして相手の不安の1つに行き当たってしまった時にその人の気持ちに気を配ることが重要です。

EQはトレーニングできる

EQは先天的なものか? それとも、後天的なものか? この問題については、一部で議論が繰り広げられています。

人は、高いレベルのEQを発達させる能力を持って生まれてくるのでしょうか? それともその能力は、教えられて身につけるものなのでしょうか?

たぶん、どちらも部分的には正しいと言えるでしょう。たしかなのは、EQは誰でもトレーニングできるということです。

私たちの多くは、歳を重ねるにしたがって、次第にEQを高めていきます。多くの場合、人の話に耳を傾けて共感し、じっくり考えるというプロセスが、そうしていなければ困惑していたであろう状況の理解につながります。

話を聞き共感しじっくり考えることによってEQをトレーニングする。そのプロセスは、私たちの多くが、時間の経過とともに、専門家の力を借りたり試行錯誤を繰り返したりしながら身につけていく術なのです。

1人でできるEQのトレーニング法

Krauss氏が前述の記事で述べているように、近年は新たな研究が発表され、人との信頼関係の維持に役に立つかもしれないヒントが提案されています。

ご想像のとおり、EQはとても扱いにくい研究対象です。数値化して検証するのが非常に難しい、つかの間の特性だからです。

ですが、最近行なわれたある研究では、過去のさまざまな研究の有効性と手法が評価され、効果を裏づけるエビデンスがもっとも多い研究が特定されました。

その中の2つを、「1人でできるEQのトレーニング法」としてご紹介しましょう。

方法1:音声を消して映像を見ながら、役者の感情を推測する

Krauss氏によると、このトレーニングを行なえば、自分自身のためになる、有益な情報を引き出せるようになるそうです。以下で説明しましょう

役者の顔のアップが含まれている映画やテレビ番組を録画またはストリーミングします(ただし、アクション映画は除きます)。

音声をオフにして映像を再生し役者たちの感情を推測します。その後、音声をオンにして、そのシーンを見直します。

そして、あなたが推測した感情と役者たちのセリフが物語る感情を比べます。

映像を見ながら役者の感情を推測する時には、あとで答え合わせをしやすいように、あなたが最初に受けた印象をメモしておくようにしましょう。

方法2:ソーシャルメディアの写真を見ながら、被写体の感情を推測する

Krauss氏が勧める2つ目の方法は、あなたがSNSでフォローしている人の写真を、キャプションに目を向けないで見るという方法です。

こちらのトレーニングのほうが、あなた個人の状況にあてはめやすいと同時に、いくらか簡単でもあります。

写真だけを見ながら表情を頼りにその人の感情を推測します。その後、あなたの推測と写真のキャプションを比べます。時には、その2つのあいだにずれが生じることもあります。

「遊園地で乗り物に乗りながら怯えたような表情をしている人が、『最高に楽しかった!』とコメントしていることだって、きっとあるはずです」と、Krauss氏は語っています

これと同じようなギャップに遭遇した場合、1つには、あなたがその人の表情から受けた第一印象が間違っていたということが考えられます。

もう1つの可能性として、その人が気まずくて自分の感情を率直に表現できなかった状況を示しているとも考えられます。

たとえば、あなたの友だちが、恥ずかしさのあまり、自分は高所恐怖症だと言えないとしましょう。あなたはそれに気づかず、「いっしょにジェットコースターに乗ろう」としつこく誘ってしまいます。

このような状況では、少しばかりのEQが、友情を保つ上でおおいに役立ってくれそうですね。

Source: Psychology Today(1, 2), verywellmind, APA PsycNet

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