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「孤独」と「孤立」はどう違う? メンタルヘルスに与える悪影響

author Rachel Fairbank - Lifehacker US[原文](訳:長谷 睦/ガリレオ)
「孤独」と「孤立」はどう違う? メンタルヘルスに与える悪影響
Image: Kedardome /Shutterstock

「孤独」と「孤立」は、意味の違いを意識することなく、同じように使われることが多い言葉。

そして、この1年あまり、私たちはこの2つの言葉の意味を、否応なしに噛み締めてきたはずです。

「孤立しているけれど孤独ではない」「孤立はしていないが孤独だ」という状況もあり得ます。そしてどちらも、私たちの肉体的・精神的な健康状態にかなりの影響を与えます。

人との交流がない状態は、「社会的孤立(Social isolation)と呼ばれます。隔離生活や人里離れたところでの生活、一人暮らしなどが原因になり得ますが、そのほかにもさまざまな理由で、困ったときに頼ったり悩みを打ち明けたりする、人とのネットワークが消えてしまうことがあります。

一方、孤独(Loneliness)」とは、社会的に孤立していると「感じること」。実際に社会的孤立の状態にあるとは限りません。「人との交流は頻繁にあるのに孤独を感じる」場合もあり得ますし、逆に、「社会的孤立状態にあって交流する人はごく限られているが、孤独感はない」というケースもあるかもしれません。

孤独と社会的孤立は、今に起こったことではない

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起きる以前から、孤独と社会的孤立は大きな問題でした。

学術誌「National Academics of Science, Engineering and Medicine」に掲載された調査報告によると、65歳より上のアメリカ人のうち実に4分の1が、社会的孤立状態にあるとのことです。

さらに、45歳を超える年齢の人たちのうち、孤独を感じる人はかなりの数にのぼり、しかも年齢が高くなるほどその割合が増しています。

この調査報告が発表されたのは2020年2月。ちょうどコロナ禍によって私たちの暮らす世界が激変し、隔離や人との物理的距離を保つ生活を余儀なくされる直前です。

この報告の執筆者の1人で、老人医療研究を専門とするカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部の准教授、Carla Perissinotto氏は、高齢化に関する上院特別委員会でこう述べています

「現実問題として、私たちはデータのない領域に足を踏み入れたと言えるでしょう。孤独や孤立がどのくらい続けば、あるいはその程度がどれほど深刻であれば永続的なマイナスの影響が現れるのか、私たちは理解していません」

孤立と孤独は健康に悪影響を及ぼす

社会的孤立と孤独への対策に関して、私たちは今、新たな領域に入っています。現時点で確かなのは、社会的孤立と孤独が健康に悪い影響を及ぼすということです。

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社会的孤立は、死期を早めるリスクや、認知症発症のリスクを高めます。

社会的孤立と孤独はともに、心臓発作や脳卒中のリスクを高める要因です。また、孤独感を覚える人の間では、不安やうつといった症状を訴える人の割合が高くなることが多いとされています。

長引くコロナ禍の中で、社会的孤立を解消しようとしても、新型コロナウイルスの感染防止対策がその壁になる状況が続いています。また、誰もがいわゆる「Zoom疲れ」にも直面していますし、ソーシャルメディアなどのデジタルコミュニケーションでできることにも限界があります。

デジタルな手段を用いた人との接触が、孤独感の緩和にどれだけ効果があるのかをめぐっては複数の研究がありますが、その結論はまちまちです。

ある研究では、デジタルコミュニケーションが増えてもかえって孤独感が高まると結論づけています。

その一方で、50歳以上の大人を対象としたロックダウンの影響に関する別の研究では、社会的孤立の程度が高まった一方で、デジタルコミュニケーションは特に変わらず、孤独感にも変化は認められなかったと結論しています。

「孤独感」を和らげる「人とのつながり」とは

とはいえ、社会的孤立と孤独の問題に関しては、「孤独感を和らげるために、『自分にとって』必要なことは何か?」を考えることはできるはず。

どのような人との接触が意味あるものとなるかは、本当に人それぞれです。つまり、ある人にとって効果があっても、別の人には効果がないかもしれません。

Perissinotto氏がニューヨーク・タイムズ紙の記事で語っているように、私たちにできるのは、「自分が必要としている人とのつながりはどういうものか」、そして「どうしたらそれを得られるのか」について考えることでしょう。

孤独感を少しでも和らげてくれるものがあるのなら、それが何であれ、探し出して、必要な時間を割くことが大切。そうやって自分をいたわることが、心身の健康につながっていくはずです。

Source: CDC,National Academics of Science, Engineering and Medicine,NYTimes(1,2),AGS,オックスフォード大学

Reference: Carla Perissinotto

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