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印南敦史の「毎日書評」

後悔しない決断のための思考法「ファイナンスマインド」とは?

author 印南敦史
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後悔しない決断のための思考法「ファイナンスマインド」とは?
Photo: 印南敦史

どんな場面であっても、最高の決断を下すためには物事を決めるための「思考法」が必要。その思考法に「ファイナンス」の理論を使うことを勧めているのは、『何でそれに決めたの? ビジネスから日常まで、迷ったときのファイナンス思考』(而二不二 著、総合法令出版)の著者です。

でも、なぜファイナンスの理論が有効なのでしょうか?

ファイナンスは、簡単に言うと、企業のお金のやりくりをすることです。 企業を存続させるためには、将来における企業の価値を高める努力を続けなければなりません。

そのために「どの事業に投資すべきか」「利益の出ていない事業をどこで打ち切るか」「今後どのような事業を展開していくべきか」などを決めます。

企業の価値やお金の話と言うと、難しく思うかもしれません。 しかし「企業の価値」を「個人の価値」と置き換えると「自分の価値を高めるために最適な決断をするための理論」ということができます。(「はじめに」より)

こうした考え方を軸として、本書ではファイナンスの理論から「考え方」の部分だけを抽出し、誰もが大切な場面で実践できるメソッドを紹介しているわけです。すなわちそれが「ファイナンスマインド」。

きょうは第1章「比べてわかる! 『ファイナンスマインド』」に焦点を当て、基本的な考え方を確認してみることにしましょう。

ファイナンスマインドとは?

著者による造語であるファイナンスマインドは、ファイナンス理論をベースにした“決断の思考法”。決断のプロセスにおいてなにを優先すべきかなど、決断に至るまでの方向性を示してくれるのだそうです。

たとえば海外旅行をしたいと思っていたとしても、「いつかは行きたいな」とぼんやり考えているだけではなかなか実現しないもの。本当に海外旅行へ行きたいなら、どんな旅行にしたいのか、旅先でなにがしたいのか、どれくらいの時間や費用がかかるのかなど、十分な「情報」を集める必要があるわけです。

そんなときにファイナンスマインドがあれば、余計な情報に惑わされることが少なくなるということ。

たしかに十分な情報が集まれば、「パリで美術館めぐり」「ロンドンで紅茶の飲みくらべ」「台湾で小籠包三昧」など、いくつかの選択肢をつくることが可能になります。

そして、そこからは最終的な決断へと移っていくわけですが、そのとき「パリも台湾もロンドンも捨てがたい」ということになってしまう可能性も否定できません。しかしそういう場合でもファイナンスマインドがあれば、冷静に選択肢の比較ができるというのです。

ファイナンスマインドでは、選択肢の「価値」を「お金」に換算します。

選択肢の価値を「◯円(いくら)」という形で「見える化」することで、比較が容易になります。

「お金」という、決断する際の一つの基準を示すわけです。 さらに、ファイナンスで重視するべきいくつかのポイントを踏まえて、選択肢の価値を測っていきます。(35〜36ページより)

ファイナンスマインドを使ってさまざまなことを考慮していけば、選ぶべき道が少しずつ見えてくるということです。(34ページより)

「価格」よりも「価値」を重視する

「価値」に似たことばに「価格」がありますが、この「価格」とファイナンスマインドで測る「価値」はイコールではないのだそうです。なぜなら価格は「客観的」なものだから。

お店のメニュー表やウェブサイトに「ラーメン1杯800円」「宿泊費1泊1万円」と提示されているとしたら、その金額を払えば誰でもモノやサービスを得ることが可能です。どのモノやサービスを選ぶべきか、自分の財布と相談して決断することもできます。

一方、高級寿司店で「時価」と表示されているネタは、予算に余裕がない限りは頼みにくいものでもあります。自分がなにかを売りたいときも、価格を明示していない限りなかなか買ってもらえないものです。

市場ではモノやサービスの「価値」をいくつかの評価方法によって「価格」として表示しています。

私たちはその情報をもとに「その金額を払ってでも、手に入れたいかどうか」決めています。

買い手が手に入れたい価値と、売り手が提供するモノやサービスの価格が合致したとき取引が成立します。

つまり、客観的な「価格」に対して「価値」は人によって異なります。(37ページより)

週末に有名なヴァイオリン奏者のコンサートがあるという場合、その演奏者の熱心なファンであれば10万円を出してでも観たいと思うかもしれません。

しかし音楽に興味のない人であれば、たとえ無料だったとしても会場に足を運ぶことを面倒だと感じることも考えられます。

また、開催場所がアクセスしやすい都市部のホールなのか、バスが一日数本しか通っていない山奥の公民館なのかによっても、チケットの価値は変わってくることでしょう。

つまり価値は流動的であり、主観的なものだということ。

自分にとって正しい決断を行うためには、その対象が「自分にとって価値を持っているか」を正しく認識するスキルが必要です。

他人にとって、現代社会において価値があるかどうかはあなたにとって関係ありませんし、気にする必要はないのです。(39ページより)

大切なのは、目に見えてわかりやすい「価格」に惑わされることなく、自分にとって「価値」ある選択肢を見極めること。そのために、ファイナンスマインドが役立つということなのでしょう。(36ページより)

著者のまわりでも、ファイナンスマインドがある人はさまざまな分野で活躍しているのだといいます。人生をよりよいものにするため、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: 総合法令出版

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