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完全キャッシュレス生活の「お金の減りが見えない問題」解決法

author 山崎俊輔(ファイナンシャルプランナー)
完全キャッシュレス生活の「お金の減りが見えない問題」解決法
Image: Shutterstock

共働き、共家事、共育児中のファイナンシャルプランナー山崎俊輔さんによるマネーハックコラム。8月は完全キャッシュレス生活の落とし穴「お金の減りが見えない問題」の解決法を提案します。


Suicaなどの交通系ICカード、クレジットカード、スマホに設定するQRコード決済やおサイフケータイなど、キャッシュレス決済を活用しはじめると、「現金払い」をする頻度はどんどん減ります。

完全キャッシュレス生活も実現可能になったが

ここ数年は、店舗側の対応も一気に加速しました。レジの脇にはいろんなキャッシュレス決済のロゴが並び、「何らかのキャッシュレス決済に対応している」ということがほとんどです。

大手チェーンはもちろんですが、地元商店街の小さなお店でも、Suica(交通系)やクレジットカードに対応していることが増えています。これは中小店舗への端末導入の政策が行われたおかげ(私たち消費者側にも5%ないし2%の還元事業がありました)。

意識的にキャッシュレス決済を活用してみると、一日のほとんどがキャッシュレスで暮らせることを実感します。

自動販売機、電車やタクシーなどの交通機関、キオスク、コンビニ、スーパー、ドラッグストア…考えてみると小銭を出さずにすむシーンばかり。

私もこの2週間くらいで現金を使ったのは「100円自販機(安いのでときどき使う)」と「子どもの習い事の月謝(現金払いなのが1つある)」くらいでした。財布に入っているお札は2000円分しかありませんが、一向に減りません。

しかし、こうしたキャッシュレス決済ライフにも落とし穴があります。

「重さがない」のが、キャッシュレスの落とし穴

スマホを持って歩く
Image: Shutterstock

キャッシュレス決済の最大の利便性は「重さがない」ことでしょう。財布が分厚くなることもなければ、小銭を持っていてポケットが重く感じることもありません。

しかしお金の管理を考えたとき「使っていて、減っている」という感覚が感じられないのは問題があります。

現金払いであれば「1万円札をATMでおろす」→「買い物して1000円札8枚と小銭に崩れる」→「1000円札4枚と小銭、のように減っていく」→「1000円札がゼロ、小銭のみ」のように段階的に「減少」を実感していきます。

今まで私たちは「日常生活では1万円札を1週間くらいかけて使う」のような肌感覚を持ってお金を使っていました。そして財布の軽さが減り具合を実感させてくれます。

ところが、キャッシュレス決済ではこのような「減る感覚」がなく、使いすぎを無意識に抑える「コントロール」も効きません。

何せスマホを端末にタッチするだけで、100円だろうと10000円だろうと決済は完了してしまうからです。

つまり完全キャッシュレス生活においては、自分なりの家計コントロール方法を編み出しておく必要があります。

キャッシュレス家計をコントロールする2つの対策

空っぽ
Image: Shutterstock

対策1:チャージルールを決める

ICカードおよびICカード系のスマホ決済手段、QRコード決済の多くは基本的に「チャージ」の概念があります。

具体的にはSuicaやPASMO等の交通系、楽天Edy、nanacoにWAONなどがICカード系です。QRコード決済はPayPayやd払い、auPayなどのチャージ利用が該当します。

これらはチャージした金額の範囲内で利用することができる「プリペイド」型のキャッシュレス決済と呼ばれます。

だとすると、ATMでお金を下ろすとき、いくらおろすかを意識するのと同じように、「チャージする金額」をコントロールすることで、使いすぎを抑える方法があります。

「月曜日に1万円を毎週チャージ」のように自分ルールを決めます。

そのうえで「コンビニで1日あたり○○円くらい使う」「カフェでは週あたり○○円を予算上限」のように積み上げていき、一週間の支出額を決めておけば、お財布にお金がある感覚を残すことができます。

チャージ額が1000円を切ったら買い物を控えたり、ちょっとずつチャージ残高を残して少し高額の買い物に回すような流れを意識するといいでしょう。

クレジットカードを連携したオートチャージには、あえてしないことです。これはズルズルお金を使う直行コースだと思ったほうがいいでしょう。

ただし、落とし穴も。決済金額が直接クレカの請求に回るポストペイタイプの電子マネー(例えばクレカと連携させたiDとQUICPayなど)では、チャージの概念がないので注意してください。

対策2:家計簿アプリで「見える化」する

もうひとつの方法は、スマホアプリを有効活用する「見える化」です。

銀行、クレジットカード、ECサイト、電子マネーなどのアカウントを家計簿アプリに連携すると、支出状況を自動的に記帳できるようになります(アカウントアグリゲーション機能)。

国内で接続金融機関数が多いのは「Zaim」「マネーフォワードME」「マネーツリー」になります。本格利用をしなければ無料で試せますので、インストールしてみるといいでしょう。

銀行のモバイルバンキングを設定するだけで「収入:□万円」「公共料金支払い:□万円」のような記帳が自動的にスタートします。

クレジットカード、Amazonや楽天市場などのECサイト、電子マネーのアカウント情報を接続すれば、どんどん細かい履歴が登録されていくようになります。一部、金額だけ記帳されることもあるので、その場合はデータを修正していきます。

リアルなお金の増減を見えなくするキャッシュレス決済をアプリを使って「見える化」をしていくわけです。

アプリによっては、予算管理機能や前月との支出増を通知する機能があって、「今月、使いすぎていませんか」のようなメッセージを入れてくれます。アプリを使い続けていくうちに、お金の使いすぎを把握、コントロールできる仕組みです。

「見えないお金」を「見えるお金」にする

キャッシュレス決済の利用を、ムダづかいの恐れがあるからと戒める人もいますが、私はこれに反対です。かといって、便利さの誘惑に負けてずるずる支出をしていくのもうまくありません。便利なものを上手に使いこなしてこそライフハックです。

ここではシンプルな2つの方法を提案してみました。

「チャージルール」はシンプルですが、うまくハマれば有効なお金の管理方法です。財布の時代の「この残りで○日くらいやりくりしよう」という感覚がそのままキャッシュレス決済でも利用できます。

家計簿アプリは最低限度の利用であれば、無料で使えますので、まずは試してみることをオススメします。

自分の利用している銀行、クレジットカードが登録できれば、まずはOKです。現金払いの支出も、レシートをカメラ撮影すれば簡単に入力できるので、ぜひ「見える化」をしてみてください。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。

Source: Zaim,マネーフォワードME,マネーツリー

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