連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

自然と創造性の深い関係

生産性アップだけじゃない!「ワーケーション」の意外なメリット3つ

author 取材・執筆/大森りえ
生産性アップだけじゃない!「ワーケーション」の意外なメリット3つ
ワーケーションでよく利用するという「白馬東急ホテル」
写真:本人提供

私たち人間は、もともと自然の中で暮らし、生活してきました。都市化が進んだ今も、植物や自然に触れたい、落ち着くといった思いを抱くのは当然のことです。

しかし、自然が身近にあるメリットは、それ以上に大きいものかもしれません。リラックスできるだけでなく、仕事面でも効果があるようなのです。

この「自然と創造性の深い関係」特集では、そんな自然の力を紹介すると共に、その恩恵を享受するためのグリーン活用法についてお伝えします。

第3回は、ワーケーションという言葉が今のように広まる前から、山や温泉地などで仕事をするというワークスタイルを取り入れてきた山田竜也さんに話を聞きました。

自然の中や旅先で仕事と休暇を両立させることのメリットや、ワーケーションを効率的に行なう方法とは? 今回は前編です。

▼後編はこちら

オフシーズンのスキー場ほか何度でも訪れたい「ワーケーションスポット」

山田竜也(やまだ・りゅうや)

Q2CJiJe6_400x400

同志社大学哲学科卒業後、3年半の会社員生活を経て、2007年にフリーランスとして独立。株式会社パワービジョン代表取締役。専門分野はWebマーケティングで、成長スピードの激しいスタートアップやNPO法人を得意とするほか、コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所有するメディアからの広告収入、セミナー講師、著書印税、イベント売上など複数軸の収入を持つポートフォリオワーカーでもある。『すぐに使えてガンガン集客! WEBマーケティング123の技』(技術評論社)ほか著書多数。Twitter/@aryuaryu

「ワーク(労働)」+「バケーション(休暇)」の魅力とは

3年半の会社員生活にピリオドを打ち、山田さんがフリーランスになったのは2007年のこと。現在はWebマーケティングを中心に、10もの収入源を持つポートフォリオワーカーとして活動しています。

もともと旅が好きで、フリーランスになってからは学生時代を過ごした京都を訪ね、京都でしか出合えない本を探したり、カフェで仕事をしては寺社仏閣を散歩したりと「昔から、わりと自由に仕事をしてきた」という山田さん。

ここ5~6年は、週の半分は自宅やカフェ、シェアオフィスで仕事をし、あとの半分は「ワーケーション」というワークスタイルを続けているそうです。

ワーケーションとはご存じのとおり、「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語。働き方改革や地域活性化を掲げて政府や地方自治体が力を入れていたところに、コロナ禍が後押しとなって、ワーケーションを推進する企業も増えました。

僕がワーケーションを始めたのは、「PCとWi-Fiさえあれば、仕事をしながら大好きな旅行ができるから」という理由でした(笑)。フリーランスだから始めやすかったというのもあるかもしれません。

でも企業のテレワーク導入や旅先のWi-Fi環境が普及した今、ぜひ多くの方にワーケーションを体験してほしいと思っています。

「ワーケーション」は自分との闘い

00image_50398721
「THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA」2階のカフェ席にて
写真:本人提供

山や温泉地で、自然を感じながらリラックス。たまにPCを開いて、必要に応じてメールを返す…。そんなワーケーションならすぐにでも試してみたくなりますが、「その考えは甘いです!」と山田さん。

ワーケーションに対して、多くの人が誤解を抱いていると語ります。

バケーションのなかにワークを組み込もうとすると、たいていは遊んで終わってしまいます

仕事と休暇、相反するものを両立させるためには、しっかりとした意志のもとでどちらも効率的に行なわなければいけません。

必要なのはメリハリ。ワーケーションは闘いなんです。

ただでさえ仕事で一杯一杯の毎日。ワーケーションとなると、仕事は滞りなく進めながら、移動時間に加えて食事や観光の時間も捻出しなければいけません。

そのために考えたいのが、旅先で何をやるか

山田さんいわく「ワーケーションに向いている仕事と向かない仕事がある」とのこと。

向いている仕事とは、クリエイティブな作業。自然や旅先の街並みを眺めることはクリエイティビティを刺激しますし、客室やカフェといった非日常の空間にいることで集中力が高まります。

ワーケーションと相性が悪いと感じているのは、単純作業的なものや時間がかかるもの、いわゆる“タスク”をこなすような作業。

移動などに時間をかけてしまえば、こなせる仕事の絶対量が減る。そのため、山田さんは単純作業的な仕事は家やオフィスで、執筆や企画書といったクリエイティブな仕事はワーケーションでやるようにしているそうです。

はじめの1歩は「タイムスケジュールを作ること」

ワーケーションでやる仕事を考えることと同じように大切なのが、タイムスケジュールを作っておくこと。

山田さんは自身のワーケーションを以下の3つに分け、「限られた時間で、何をするか」を事前にシミュレーションしているそうです。

1. 宿ごもりワーケーション

仕事を目的とし、観光は一切しない。非日常の環境に身を置くことで集中力を高め、効率と生産性の向上を図る。

2. バランス型ワーケーション

仕事と観光の両立を実現するスケジュール。仕事は朝と夜を中心に4~5時間。観光や自由時間は日中に設ける。

3. プチワーケーション

観光をメインにし、仕事は2時間以下に。パートナー同伴や家族連れ、初めて訪れる旅先のお試しとしてもおすすめ。

例えば、山田さんのある日のワーケーションスケジュールがこちら。

ある日の「バランス型ワーケーション」(宿泊先:白馬東京ホテル)

 6:00 起床
〜7:30 仕事
〜8:30 朝食
〜10:00 仕事
~10:30 LAND STATION HAKUBAに移動
〜11:30 LAND STATION HAKUBAのスタバで読書
〜12:30 レストラン「雪峰」で昼食
〜15:00 白馬岩岳マウンテンリゾートでコーヒーブレイク
〜18:00 ホテルに戻って夕食まで温泉+仕事
〜20:00 ホテルで夕食
〜21:00 のんびり温泉
〜22:00 メールの返信など簡単な作業
 22:00 就寝
太字部分が仕事をしている時間帯

お店などが営業していて観光を楽しめる昼間の時間帯で休暇を満喫し、朝と夜を中心に仕事をしているそう。

どんな仕事をするか、仕事と観光にどれだけ時間を割けるかをあらかじめ考えておけば、訪問地や宿泊先を選ぶときにスムーズです。

もちろん、訪れたい場所から仕事内容やタイムスケジュールを決めるのも大いにありです。

生産性アップの他には? ワーケーションの意外なメリット

ワーケーションのスタイルを確立して5~6年。仕事に生産性に変化があったかどうかを聞いてみると「クリエイティブな仕事の生産性は、間違いなく上がったと思います」と山田さん。

さらにメリットだと感じているのは「仕事にムダがなくなること」だそうです。

限られた時間で効率よく仕事をこなすためには、「やるに越したことはないけど、やらなくてもいい仕事」を捨てることが大切になってきます。

やるべきことは何か、やらなくていいことは何かを判断することは、オフィスや自宅で仕事するときにも大事なので、そのトレーニングにもワーケーションは有効でしょう。

また、山田さんにとってワーケーションの最大のメリットは「ストレスが減ったこと」

人とのコミュニケーションをそつなくこなせる一方で、疲れてしまうというタイプの山田さんは、「積極的に人と交流しなくていいワーケーションが自分には向いている」と話します。

また、非日常の空間にふれることで思わぬ発見も。

都心から離れることで、自然に癒やされ、リラックスができると同時に、都心の便利さに気づけることもワーケーションのメリットです。

山のような不便なところにいると、すぐにWi-Fiがつながることにも、さらには蛇口をひねるだけで水が出てくることにもありがたみを感じることができます。

両方の良さを享受する、そんな好循環も感じてもらえたらと思います。

山田さんが語るワーケーションの魅力。後編は、ワーケーションを成功させるエリアや宿の選び方と注意点、持参したいおすすめのギアについて紹介します。

▼後編はこちら

オフシーズンのスキー場ほか何度でも訪れたい「ワーケーションスポット」

swiper-button-prev
swiper-button-next