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印南敦史の「毎日書評」

自分で決めて幸福になる。「自尊感情」を高める4つのルール

author 印南敦史
自分で決めて幸福になる。「自尊感情」を高める4つのルール
Photo: 印南敦史

どうかご自愛ください 精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』(ユン・ホンギュン 著、岡崎暢子 訳、ダイヤモンド社)の著者は、「自尊感情専門家」という肩書きも持つ韓国の精神科医。

数年前に独立した際、長く先送りにしてきた宿題を解決したいと思ったのだそうです。それは「人生に満足できるとはどういうことか?」という問いの答えを探すことで、その過程において行き当たったのが「自尊感情」という単語。

自分をどれだけ愛しているかについての指標で、「自己肯定感」とも呼ばれるものです。

ちなみに、いまこそ落ち着いたものの、ご自身の人生もかつては「自尊感情が落ちては上げての繰り返しだった」のだとか。

自尊感情が健やかになった今、ようやくまともな幸福感を感じられるようになったと思います。

自尊感情の回復は幸福の結果であり、自尊感情の回復の結果が幸福でもありました。「自尊感情が回復した」という言葉と「幸せになった」という言葉は同じ意味だったのです。

だからでしょうか、自尊感情を取り戻す過程は、多少つらく困難な道のりでしたが、それでも耐えることができました。(「Prologue 問題は、自尊感情だ」より)

そんな経験があったからこそ、自尊感情が低下している人たちがどんなことばに傷つき、どんな行動をとるのか、そして自分が彼らとどう接したらいいのかがわかるようになったそう。そこで、本書を書き上げようと決心したというのです。

きょうは第7章「自尊感情を高める5つのワーク」のなかから、「自分で決める訓練をする」をクローズアップしてみたいと思います。

自分で決める訓練をする

自分を尊重できない人は、なにかを解決すべきとき他人に頼ろうとするもの。

著者のクリニックにも、「大学院にいくべきか?」「常習的に浮気する夫と離婚すべきか」などの答えを求め、思い詰めた表情で訪れる人がいるそうです。

しかし著者は、彼らに答えを提示することはできないと断言しています。もちろん自分なりの答えを出すことはできるけれど、それでもあえて答えないのは「彼ら自身を尊重しているから」。

彼らが望む通りに答えてしまえば、結果的に彼らを尊重しないことになり、彼らのためにならないのです。(318ページより)

他人に選んでもらうと満足度が下がる

世の中にはさまざまな選択肢があるため、人は一日に何度も「A、B、Cのうちどれがいいのか」というような選択肢を前にして悩むもの。

けれど、多くの場合はどれを選んでもさほど大きな差はないものでもあります。

たとえるなら、ランチメニューを選ぶのと同じです。寿司、カレー、うどんのどれなら一番賢明な選択でしょうか?

最初は点数にして寿司が67点、カレーは71点、うどんは69点程度の満足度だったものが、フードコートに行く途中で気分が変わることもあります。到着したら寿司が半額だったために72点に上がることもあります。

ところが、寿司を注文したところ、キャンペーン中で注文が殺到して待たされることになり、結局は60点に落ちたりもするのです。(319ページより)

ここで重要なのは、「それを誰が選択したか」が満足度に大きく影響するということ。

もともとはどのメニューも大差がないものの、同行した上司が「きょうは時間がないから全員うどんで済ませよう」といった瞬間に点数が変わったりするわけです。その結果、満足度が50点以下になることも考えられるでしょう。

もちろん、人生の帰路に立たされた際の選択肢は、ランチメニューとは比較にならないかもしれません。とはいえ判断が他人に委ねられている以上、満足度は下がるということです。(319ページより)

自尊感情を高める「決定」のルール

1. 何よりもまず自分で決める

自分のことは自分で決めるべきで、それができていないなら訓練すべきだと著者。

どのみち自分の人生は自分の責任。人にアドバイスを求めるときも、「最終的には自分で決めますが」という前置きをしてから相談するといいそうです。

大事なのは、「自分のことは自分で決める」という強い意志。その気持ちがあれば、他人にゆだねることは減っていくわけです。

2. 自分の決定に従う

自分の決定に従うべきで、もし選ばなかったほうの選択肢が心配で怖くなったら、先のランチメニューの話を思い出すべきだといいます。別のものを選んでいたとしても、結果は似たり寄ったりだということです。

つまり選択肢があるというのは、どちらも同じ程度の比重であるということ。それに、仮に損する結果になったとしても、自分で下した決定である以上はよい学びになるはずです。

3. 結果が思わしくなかったら、未来系で後悔する

結果はよい場合も悪い場合もあるものですが、結果が芳しくなければ後悔してもOK。それは、結果の責任や苦しみを丸ごと自分で負うことです。ただし後悔する際には、“未来形で後悔する”ことが重要。

「あのとき、ああすべきじゃなかった」という過去形の後悔は自尊感情を害するので、「この先、似たようなことがあったら、必ずこうしよう」と未来系の後悔をすべきだという発想。著者はその後悔を、ひとつの決心でもあると記しています。

4. 結果がよかったら他人に感謝する

結果がよければ素直に喜び、その喜びを享受すべき。なぜなら自分が決めた決定が、自分を成功に導いたのだから。そして感謝の喜びを他人ともシェアすれば、それを聞いた人も気分がよくなり、引き続き応援してくれるはず。(322ページより)

自尊感情の維持は水泳に似ていると著者はいいます。上手に泳がないと、沈んでしまうということ。しかし、生きていれば自尊感情が地に落ちることも、ミスを犯すことも、気持ちが落ち込むこともあるもの。

だからこそ、そんなときどうやってその瞬間を克服すべきか、具体的なマニュアルを整理しておこうと本書を綴ったのだそうです。心の悩みをお持ちの方は、本書を活用しながら自尊感情を立てなおしてみてはいかがでしょうか?

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Source: ダイヤモンド社

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