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30代からのケアのトリセツ

【新連載】プロに聞く「身だしなみ」のためのメンズケア入門

author 取材・文/高見沢里子 撮影/前手秀紀
【新連載】プロに聞く「身だしなみ」のためのメンズケア入門

最近耳にするようになった「メンズ美容」というワード。

一見特別なことのように感じるかもしれませんが、ビジネスパーソンにとっては、自分の印象アップのために、ファッションと同様身につけておきたいハックでもあります。

そこで新しくスタートする30代からのケアのトリセツ連載では、身だしなみとしてのスキンケア、ボディケア、ヘアケアの大切さ、最小限の手間でできるケア法をビジネスパーソンのために徹底解説。教えてくれるのはメンズ美容のパイオニア的存在、ヘアメイクアップアーティストのKUBOKIさんです。

第1回は、KUBOKIさんへの特別インタビュー。メンズケアの必要性に気づいたきっかけや、ビジネスパーソンにとってのケアのメリットなどについて伺います。

KUBOKI

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画像提供:Three PEACE

ヘアメイクアップアーティスト。Three PEACE所属。都内のサロン勤務後、資生堂SABFAメーキャップスクール卒業。アシスタントを経て独立し、媒体や広告、ショーなどで幅広く活躍。その卓越したセンスと自身の経験に裏打ちされた美容理論に多くのファンが。著書『男の美容武装』(ワニブックス)で男性に向けたビューティ哲学と実践的なメソッドを披露。サロン『umber』主宰。@kuboki_hairmakeup/Twitter

“自己流ケア”で大丈夫? 大人の男のアップデート

30代あたりからケアの必要性を痛感するようになったというKUBOKIさん。

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普段、鏡を見ている時は、自分の顔を都合がいいように脳で変換しちゃうんですよね(笑)。でも、写真で自分を見るとびっくりするくらい年齢と共に変化しているのがわかる。

今はマスクをしていることが多いから、口まわりの表情が動かず筋肉も衰えています。ほうれい線が出てくるなど、この1〜2年で気づかないうちに口元の印象が変わった方は多いと思いますよ。

もともと、道ゆく男性のヘアスタイルやシェービングの仕方にも疑問を持っていたそう。

電車に乗った時などに見ていると、髪がボサボサであったり、肌がテカっていたり、シェービングをしたあたりが赤くなっていたりする男性が多いんです。

働き盛りの30代、40代あたりの男性の肌が疲れていたり、ヒゲや眉毛がイマイチだったりして、それが“清潔感のない印象”につながっているとしたらもったいないですよね。

もともとメンズ美容にも関心があったこともあり、気づけば仕事で担当するヘアメイクの半数近くは男性が占めるように。

そんな中で「一般の男性もアップデートが必要」と思うようになり、自身のサロンをオープンさせたそう。

仕事や年齢、環境、社会的なステータスが変化していく男性こそ、ケアが大切と語ります。

「男のカッコよさ」が昭和で止まっていない?

ライフハッカー読者と同世代でもあるKUBOKIさんが気にしているのは、自分たちが育った時代に理想とされた男性像

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僕が若い頃に理想とされた男性像って、昭和なんですよね。自分のルックスに無関心であることが、ある種の男らしさと考えられる傾向がありました。

メイクはもちろんですが、スキンケアをきちんとしたり、すね毛を処理したりするのを恥ずかしいと感じる人が多い世代。

一方で「多様性」の考えが浸透している今の20代は、ナチュラルに化粧水や乳液を使うし、眉毛を整えるし、なんならファンデーションにも抵抗がない人が多いと感じます。  

30代、40代がそのまま20代の美容を真似する必要はないけれど、ビジネスパーソンとして取り入れたときのメリットは計り知れないと話します。

たとえば飛び込み営業で来た方が、汗だくでギトギト、髪はボサボサ、場合によっては汗臭かったりしたらどうでしょう? さらりとした清潔感ある肌や髪なら、印象はまったく違いますよね。

営業でもプレゼンでもプライベートでも、清潔感ってプラスにしかならないですよ。

美容を意識すれば、男性はもっとポジティブに

女性タレントやモデルのメイクも多く手がけるけれど、男性のヘアメイクも積極的にトライしてきたというKUBOKIさん。

きっかけは、今の仕事を始めて1年目くらいに担当させていただいたEXILEさん。

肌や髪はもちろん、体への意識もすごくシビアなんですよね。体を鍛えている方ってスーツもカッコよくキマるし、近くで関わらせていただいたのはすごく勉強になりました。

そして自身も美容を学んでいく中で、男性の方がケアによるポジティブ効果が高いと思うようになったそう。

女性はファッションでもメイクでも、“かわいい”が前提にあって成立することが多い。

でも、男性は何かがカッコいいと思った時に、背景となる歴史や哲学もすごく大切にする。そういった意味では、男性が時計や車にこだわる感覚と近いものがあるかもしれません。

たとえば世界的なデザイナーで建築家でもあるトム・フォード。

“彼が監修したコンシーラーをつけていると、やっぱり気分がいい!”といった形で、バックボーンを知ると身につけた時に自信も生まれるもの。

いいと納得したもの、理由や物語のあるものを選ぶことが、内面も豊かにしてくれると語ります。

まずは日々のケアから。その第一歩が、気持ちも見た目も上げる!

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とはいえ、たいしたケアをしてこなかった、知識がないというビジネスパーソンにとって、どんなケアを始めたらいいかはわかりにくいもの。

まずは簡単な保湿を取り入れてください。化粧水や美容液、乳液などたくさんあってわかりにくいですが、最初はオールインワン1つでもいいんです。

そして、1日に3回、鏡を見るようにしてください。自分を俯瞰的な視点から見るという習慣がないから、それだけでも大きなファーストステップになります。

そしてもう1つ、KUBOKIさんが教えてくれたおすすめが「行きつけの美容室を変えてみる」というトライです。

男性は気に入ったお店があるとなかなか浮気しませんが、同じところに行くと、良くも悪くも“いつも通り”に仕上がるんですよね。僕も美容室をやっているから、サロン選びがいかに重要かはよくわかっています。

年齢を重ねたり社会的ステイタスが変わっていく中で、ルックスもそれに合わせてアップデートしていかなければ。色々提案してくれる美容師さんであればいいのですが、“いつも通り”になってしまうならサロンを変えてみること。

ルーティンの道を変えるとちょっと違う発想が生まれるのと一緒で、ラクな“いつも通りのヘア”を変えてみると、内面にも変化が生まれるはずですよ。

男性の美容は特別なものではなく、ビジネスパーソンにとってのマナーでもあり、自身へのいい刺激にもなると教えてくれたKUBOKIさん。

次回からはより具体的に、ヒゲの手入れの仕方、ファーストステップとしての洗顔選びなどを指南いただきます。


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