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印南敦史の「毎日書評」

お金の「NG」行動していませんか?〜ポイントはすぐ使わないと損!

author 印南敦史
お金の「NG」行動していませんか?〜ポイントはすぐ使わないと損!
Photo: 印南敦史

新型コロナウイルスの影響で、多くの人が「命を守ること」と「経済を動かすこと」の結びつきと重要性を感じたのではないでしょうか? この国で幸せに生きていくためには、「命」と「お金」のどちらも健全である必要があるということです。

ところがそんななか、会社員向けのお金に関するセミナー講師を務めてきたファイナンシャルプランナーである『得する会社員 損する会社員-手取りを活かすお金の超基本』(川部紀子 著、中公新書ラクレ)の著者は、ひとつ重要な指摘をしています。

コロナ禍で人生や稼ぎ方を大きく変える必要に迫られた人がたくさんいる一方、お金に関する危機感が低く、のほほんと暮らしている会社員もまだまだ多いというのです。

しかし、「のほほん会社員」と称されているそんな人たちこそ、お金に関するセミナーで知識を身につけると大きく飛躍するのだとか。

お金にまつわる制度や仕組みは、予想以上に合理的にできており、嬉しいお得があったり、脳を刺激してくれてワクワクしたり、誰かに教えてあげたくなることだらけです。

理解できれば行動も考えもガラッと変わります。お金の充実は、心の充実にも繋がるので私生活や仕事にも波及します。(「序章 親愛なる会社員の皆様へ」より)

現実的に日本では、家庭でも学校でも社会でもお金に関する「知識」を学ぶ機会はとても少ないもの。

そこで、“仕事ができて、コミュニケーション力も高く、思いやるもある素晴らしい人”に幸せに生きていってほしいとの思いから、「会社員応援ブック」と銘打たれた本書を執筆したというのです。

きょうはそんな本書の「講義5 手取りのNG! 会社員の『やってはいけない』のなかから、2つのトピックスを抜き出してみたいと思います。

ポイントはため込んで使う→すぐに使うべし

いまやポイントは、私たちの日常生活に欠かせないものとなりました。「ポイントは、たくさん貯め込んでから使いたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

しかし、そのやり方は懐に余裕のない人にはおすすめできないと著者は主張しています。

たとえば航空会社の「マイル」がそうであるように、数万円相当を貯めれば、高価なものと交換可能になるのも事実ではあります。とはいえ、そんな感覚でキャッシュレス関連のポイントや共通ポイントを何万円も貯めたとしても、家計の足しにならない可能性があるというのです。

まず1つ目の注意点は「利用期限切れ」。こうしたポイントには、有効期限がある場合が多いということです。「通販サイトで使おうと思っていた数万円分のポイントを、使いそびれてしまった」という人の落胆ぶりを、著者も幾度となく目にしてきたといいます。

また、時間差で利用期限が切れていくポイントも少なくありません。つまり、知らないうちに少しずつ消滅していくことに気づかないということも大いに考えられるということです。

2つ目の注意点は、余計なものに手を出すリスク。ここでいう余計なものとは、通常では買うことのない素敵なものや、日々の暮らしには必要のないプラスアルファのもの。先のマイルと同じで、素敵ではあるけれど、家計収支の改善には役立っていないわけです。

そこで、もしも家計に余裕がなく、収支改善を望んでいるのであれば、ポイントは貯め込まず、何円、何十円相当のうちに、コンビニや通販サイトでの支払いにさっさと消費すべきだと著者は主張するのです。(206ページより)

ポイント投資から始める→ それではなかなか始まりません

重要な点は、いまどきのポイントが“イコールお金”であること。しかもキャッシュレス関連のポイントや共通ポイントを合わせると、単身でも年間数万円を手にすることができるのでバカにできません。

そんなポイントの「すぐ使う」と並ぶ基本的な使い方には、「ポイント投資」があります。

証券口座等を開設してポイントをお金に替えて投資するというように、少し手間のかかるものもあれば、口座開設も不要でポイントのまま擬似投資できるものも。ポイントを“イコールお金”と考えるなら、値動きするためどちらも「投資」と感じられるわけです。

自身のポイントを、株式、投資信託(ETF含む)、暗号資産(仮想通貨)など値動きするものに充当できる仕組みで、増えたり減ったりした成果を利用(換金やポイントへの変換)して買い物も可能。

投資未経験者から「まずはポイント投資から始めて、わかってきたらiDeCoやNISAも……」と聞いたので、私も気になっていくつか試しています。

でも、ポイント投資から始めると、ポイント投資で終わる、つまり、iDeCoやNISAにたどり着かない可能性が高いと感じています。(208〜209ページより)

ほぼわからないまま手続きを始めることができ、あっさりと運用も開始されてしまうため、投資に対する疑問も感じず、学びがないまま日々が過ぎていく現象が自然に起こるというのです。

そればかりか「小さい金額だし、自分が働いて稼いだお金ではない」という気軽さもあるので、上がっても下がっても気持ちへの影響がない。そのため、次の行動につながりにくいとも感じるそう。

「気軽でちょっとおもしろい」ことは事実なので、すでに投資をしている人の新しいポイント活用法としては“アリ”かもしれません。しかし、自分のお金で投資を始めるためのステップにはなりにくいということ。

基礎はショートカットできないので、知識はしっかり学ぶべきだという著者の主張には大きな説得力があります。(208ページより)

年功序列や終身雇用制度も崩壊し、定期昇給やボーナスも当てにできず、「働き方改革」の名の下に残業代が減っている現代。退職金も心細くなり、今後は年金の額も下がっていくことでしょう。

しかしそんななか、税金や社会保険料、物価は上がっています。したがって自分の力で歩いていく必要があるわけです。

そこで必要となるのが、家計に関するお金の基礎知識。 だからこそ、“この国で会社員として生きていくために最低限知っておきたい金の知識”を網羅した本書を、大きく役立てたいところです。

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Source: 中公新書ラクレ

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