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印南敦史の「毎日書評」

頭の中身をすっきり書きだす「A4メモ書き」で仕事のストレスは解消できる

author 印南敦史
頭の中身をすっきり書きだす「A4メモ書き」で仕事のストレスは解消できる
Photo: 印南敦史

コロナ禍をきっかけとして、リモートワークが一般化しました。以前のように通勤するようになった方も増えているようですが、とはいえ完全に元に戻ることはもうないと考えるべきでしょう。

もちろんリモートワークには便利な側面もありますが、コロナ前のように、隣の席の先輩に気軽に質問したりすることは困難。

したがって、「リモートワーク時代には、誰も助けてくれない。今まで以上に自分でなんでもやるしかない」と考えて、自分で自分の身を守る必要があります。(「はじめに」より)

最強の「独学」仕事術』(赤羽雄二 著、宝島社)の著者は、このように主張しています。マッキンゼーで14年間にわたり、国内外の企業の経営支援に取り組んできた人物。

2013年の著作『ゼロ秒思考』が30万部突破のベストセラーとなったことでも有名ですが、新刊の本書においては昨今のリモートワーク時代の課題を鑑み、「自分の力で仕事における各局面を切り開くためのノウハウ」を「独学仕事術」という切り口でまとめているのです。

とはいえ、独学は決して楽ではなく、ストレスがたまることも少なくありません。では、ストレスを減らすためにはどうすればいいのでしょうか?

その答えを見つけるべく、きょうは第3章「『独学』でストレスを減らす4つの鍵」のなかから、「もやもやを『A4メモ描き』で吐き出す」に注目してみたいと思います。

「A4メモ書き」をするともやもやが消え、ストレス解消に役立つというのです。そのため著者はA4メモ書きのことを「アクティブ瞑想」と呼んでいるのだとか。

A4メモを書くともやもやが消える

著者は前述した『ゼロ秒思考』においても、悩みやもやもやをA4用紙にはき出していくことで、誰でも本来の頭のよさを取り戻せると説いています。多くの方が「A4メモ書き」を試し、すぐに効果を実感されているのだとも。

ちなみに、やり方はとても簡単。

A4用紙を横置きにし、左上に浮かんだテーマを、右上に日付を、本文は4〜6行、それぞれ15〜20字前後で書くだけです。

ここまでは普通のメモとあまり変わりませんが、頑張って1ページ1分で書くこと、毎日10〜20ページ、頭に浮かんだときに書くことがポイントです。(206ページより)

そうやって書いてみれば、頭のなかでもやっとしていたこと、嫌な思い、「なんでこうなるのか」という気分の悪さなどが目の前の紙に並ぶことになります。それを目で見ることで、「それがなんであるか」がはっきりと認識され、課題として理解されるようになるということ。

課題が理解できると、頭と心は不思議なほど、「それを解決しよう」という考えに至るのだといいます。

いいかえれば、「頭の中身をすべて目の前に書き出す」ということ。頭のなかだけでもてあそんだり苦しむのではなく、感じた瞬間にささっと目の前の紙に書き出すことで明確に認識できるようになるのです。

シンプルなことではありますが、それを繰り返していると考えが整理され、「どう行動すべきか」ということまで頭に浮かぶようになるのだと著者。瞬時に=ゼロ秒で考えることができるようになるということで、すなわちそれが『ゼロ秒思考』の考え方。(206ページより)

頭に浮かんだものをそのまま書き出していく

A4メモは最初のうちこそ順調に書けるものの、途中からタイトルが出てこなくなることがあるそうです。

それは、難しく考えすぎたり、「こういうテーマはちょっと」などと迷ったりして、心のなかでブレーキをかけ始めるから。あるいは、表面的な書き方が続き、「これでいいのだろうか」と気になりはじめるから。

これを防ぐには、形や内容にこだわらず、頭に浮かぶものをそのまま書き出していくことです。

頭に浮かぶものはそれ自体に価値があると考え、すべて言語化していきます。言語化すると、そこからその概念をどう深めていくべきか、どう行動していくべきかが見えてきます。(209ページより)

「頭に浮かんだものに意味があるのか」というような価値判断をしはじめると、言語化されずに消えてしまいます。それはもったいないですから、余計なことを考えず、なんでも書き出してしまうのがいいということです。(208ページより)

嫌なことがあったら相手の立場で考える

ストレスの原因は多くの場合、誰かが嫌なことをしたとか、言ったとか、人にまつわることが多いもの。そんな場合は相手の立場で「A4メモ描き」をすれば視野が広がり、怒りのかなりの部分がおさまり、昂った感情も落ち着くそう。

たとえば、「なぜ上司は私に新事業を任せてくれなかったのか」というタイトルで書いたとすると、

・上司は新事業を任せる相手には何を求めていたのか

・上司はこの新事業がどのくらいむずかしいと考えているか

・上司はこの新事業の成功要因は何だと考えているか

・上司はこの新事業への社内の反対をどう見ているか

・上司は私のことをどういう強み、課題がある部下だと見ているか

・上司は私の今後の成長をどう見て、何を期待しているか

・上司はえこひいきするか。するとしたらどういうときにするのか

・上司は誰ならこの新事業をうまく進められると思っているのか

・上司は新事業を推進した経験がどのくらいあるのか

・上司はどういう性格なのか。上司として何をよしとしているのか

(210〜211ページより)

などと書いてみる。

すると、上司が配慮して「私を守るために新事業を任せてくれなかったのかもしれない」という視点を持つことも可能になるでしょう。つまり、こうした「多面的な書き方」をすれば、相手の立場で考える訓練になるため、視野が広がり、全体像を見ることが得意になっていくのです。(210ページより)

結局のところ、自分の人生を決めるのは自分だけ。どんなにすばらしい上司や先輩がいたとしても、彼らに決めることは不可能。それらを決めるための支援も期待できない時代になったからこそ、自分の力が重要な意味を持つということ。

だからこそ本書を参考にしながら、「独学力」をしっかりと身につけたいところです。

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Source: 宝島社

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