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印南敦史の「毎日書評」

つい悲観的になりがちな人が、すぐ身につけたい簡単な習慣

author 印南敦史
つい悲観的になりがちな人が、すぐ身につけたい簡単な習慣
Photo: 印南敦史

生きていくうえでは、数々の判断を迫られるもの。ましてや「ウィズコロナ」の状況下においては、仕事でもプライベートでも戸惑うことは少なくありません。

では、困難な時代を生きる私たちは、どんな力を身につければいいのか? この問いに対して、『人生に悩む君に贈る 1行の問いかけ 自分だけの答えが見つかる36のヒント』(佐々木常夫 著、日本実業出版社)の著者は次のように述べています。

それは自身で問いを立て、それを自分自身で考えて答えを出すことを繰り返すことです。

そのとき、「物事には必ずしも正解はない」という前提に立ち、立ちあらわれる問題に対し、自らの頭で考え判断し、自分なりの答えをつかみ取ること。

ウィズコロナの時代では、何よりそのような「自分で考え抜く力」が求められているのではないかと私は考えます。(「はじめに」より)

39歳で課長になったのと同時期に、奥様が肝臓病に。そのため、自閉症の長男を含む3人の子どもの世話と奥様のケアをしながら、懸命な努力をしてきたのだとか。取締役に就任できたものの、わずか2年で解任されて子会社に左遷。さらにはうつ病を悪化させた奥様が自殺未遂をするという事件が起こったのだそうです。

「なぜこんな目に遭うのか、いったいなにが間違っていたのか」と深く落ち込んだといいますが、そんななかでも自分なりの答えを探し続けてきたのだと当時を振り返っています。

私がどんな状況にあっても自暴自棄にならず、前を向いて歩くことができたのは、この「自問自答で考え抜いてきたから」と言ってもいいでしょう。

常に問いを立て、考え、もがきながら答えを出し、なんとか壁を乗り越えてきたのです。(「はじめに」より)

そこで本書では、自身の経験に基づき「自問自答」の習慣をすすめているのです。きょうは第6章「いまの自分に疑問を持ったら」を確認してみたいと思います。

物事をつい悲観的に考えてしまう

いろいろなことに期待しすぎていませんか?

困難な問題や出来事に直面すると、誰しも不安になるもの。とはいえ、そのたび悲観的になり、悪いことばかり考えてしまうのは建設的とはいえません。

結果がどうであれ、「心配だ」と悲観的に考えるより、「大丈夫」「なんとかなる」と楽観的に考えるべきなのです。

なぜならそのほうが、気持ちも楽になってストレスもたまらないから。残念な結果に終わったとしても「次へ行こう」と前向きになれるわけです。だとすれば、「物事を楽観的に見られるようになるには、どうしたらいいのか」が気になるところ。

そのためにはまず、「期待しすぎる」のをやめることです。(213ページより)

期待するというのは、「こうして(こうあって)ほしい」と、なにかをあてにして待つということ。しかし、そんな気持ちが強すぎると、あてが外れたり裏切られたりしたときの落胆も大きくなり、不安や不満も大きくなることでしょう。

一方、期待しすぎるのをやめると、「ともかくできることをやろう」という気持ちになるもの。たとえば「人の力を借りてみよう」「別の方法も試してみよう」など、幅広い考えも生まれてくるわけです。執着がなくなれば、「柔軟にいろいろやってみよう」という気持ちが生まれてくるからです。(212ページより)

「期待するな」の本当の意味

ただし「期待するな」というのは、「希望を持つな」ということでも、「なにもかも疑ってかかれ」ということでもないようです。著者いわく、「物事や人と一定の距離を置き、理性的に、冷静にみてみる」ということ。

多くの場合、期待しすぎているときは周囲が見えなくなっているもの。独りよがりになっていたり、配慮が足りなくなっている場合も少なくないわけです。期待が過ぎるのは、自らを追い込んでしまうようなもの。期待どおりにいかないと、「どうしよう」「もうダメだ」と悲観的になってしまいがちなのです。

『幸福論』を書いたフランスの哲学者アランは、こんな言葉を残しています。

「悲観は気分のもの、楽観は意思のもの」

悲観は漠然とした気分から生まれ、楽観は「こうしよう」「これをやろう」という意思から生まれるものだというのです。(214〜215ページより)

悲観的にものを見ると、「どうせダメだ」という気分に心が覆われ、なにかをやろうという欲が失せてしまいます。考えようによっては、その時点で自分の目標や可能性を捨ててしまっているともいえそうです。(214ページより)

一方、楽観的にものを見るというのは、「絶対大丈夫、自分はできる」と自らの可能性を認め、目標を持ち、それを自分の意思にできるということ。

もっとも、楽観がいいと言っても、根拠のない自信でもって楽観するのはいただけません。なんとなく「大丈夫だろう」は、それこそただの気分です。

(中略) 楽観は、あくまで自分の立ち位置やいま起こっていることの意味、その背景などをきちんと理解してこそ、いい結果をもたらすのです。(216ページより)

楽観で行くには、目標を持つことが不可欠。ただし手が届かないような遠大なものではなく、ちょっと背伸びすればチャレンジできそうな目標がベストだということ。

著者は、人間は幸せになるために生まれてきたと思っているそうです。また、そんな考え方に基づき、「自身にとっての幸せを落とし込み、その幸せを叶えるにはなにをすべきか、具体的な目標を決めていくべき」だとも主張しています。

そして目標が定まったら、あとは必要な努力をするだけ。その過程においては苦労や挫折もあるかもしれませんが、目標があれば「絶対に大丈夫」という楽観が生まれ、悲観に引っ張られずに済むということです。(215ページより)

表題にある「問い」に対し、著者がざっくばらんに答える形で進んでいく構成。そのため、肩の力を抜いて読み進めることができるはず。そして読み終えたときには、自分自身にとってのなんらかの答えを見つけることができているかもしれません。

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Source: 日本実業出版社

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