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共働き夫婦のFIRE実践法〜早期リタイアを目指すヒント

author 山崎俊輔(ファイナンシャルプランナー)
共働き夫婦のFIRE実践法〜早期リタイアを目指すヒント
Image: Shutterstock

共働き、共家事、共育児中のファイナンシャルプランナー山崎俊輔さんによるマネーハックコラム。7月は「夫婦で目指すFIRE」実践法を提案します。


アメリカの若い世代で、FIREというお金に関するチャレンジがブームになりました。

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、簡単にいえば、お金をしっかり貯めて老後の心配をなくし、早く仕事を辞めてリタイアしてしまおうというもの。

特にミレニアム世代に人気で、早ければ40代、理想的には30代での早期リタイアを目指します。

そのためには、しっかり稼いで、しっかり節約し、資産を多く積み上げ、かつ投資を使ってさらに増やしていく必要があります。

そんなアメリカのFIREムーブメントが今、日本でも話題になっています。実は先日私も普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』という日本の働き方に則したFIRE指南書を発売して、おおむね好評であるようです。

今回は、ライフハッカー[日本版]書き下ろしの特別編「夫婦で目指すFIRE」をご紹介します。

共働き夫婦「10年早いリタイア生活」を目指すなら

コーヒーを楽しむ男女
Image: Shutterstock

子育て中の共働き夫婦、DINKSとしてふたりの生活をエンジョイしている共働き夫婦において、早期リタイアは非現実的なものと思えるかもしれません。

常に仕事は忙しく、子育て中なら時間的にも精神的にも経済的にも大きな負担がのしかかります。お金はなかなか貯まらないと感じているでしょう。

FIREの記事をみても「40代で夢のリタイア」なんて書かれておりこれまたありえないと感じるはず。

しかし、FIREの本筋は、経済的な余裕をしっかり作ることであり、また早期リタイアが40代と決まっているわけではありません。

今回提案するのは、標準よりも「10年早いリタイア」です。現在であれば65歳リタイアの社会ですから55歳、将来70歳現役社会になったとすれば60歳での引退を目指します。

たった10年と思うなかれ。これはざっくり「子育てが終わったときに、自分もリタイアできるよう計画してみる」イメージです。

子どもが社会人になり、大きな肩の荷が下りたとき、仕事もリタイアして、自由な時間を夫婦ふたりで過ごせるなんて、じゅうぶん夢があると思いませんか?

iDeCoとNISAをフル活用で早期リタイアを目指す

階段イメージ
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共働き夫婦にオススメなのは、自動引き落としで投資を行う資産形成。

特に、税制優遇があるiDeCo(個人型確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)を使うと効率的に投資できます。

企業年金のない会社員は、月2.3万円(年27.6万円)をiDeCoに積み立て可能。つみたてNISAなら月3.3万円(年40万円)が限度額になります。

仮に40歳で一念発起し、60歳まで20年積み立てたとすれば、両制度の積立元本は1352万円に。これを国内外に分散投資を行い、年4%ほどの収益確保に成功すれば20年後の受取額は2066万円になるのです。

iDeCoやNISAはひとり1口座ずつしか持てません。しかし、共働き夫婦ならダブルで口座開設できますから、先ほどの額を2倍にした4132万円が受け取れるかもしれません。

株価の変動に一喜一憂しない

iDeCoとNISAは、毎日株価を気にしなくても大丈夫です。

短期的には上がったり下がったりしますが、20年くらい長期にわたって分散して積立投資を行うと勝率は限りなく100%に近づきます。

値下がり時にあわてて売ったり、積立を中断したりすると損をする可能性が高いので、コツコツと継続するのが大切です。

この積立投資の金額に加えて、夫婦がダブルで退職金を受け取ることで、「老後に2000万円」を確保しつつ、5年の早期リタイアは問題なく実現できます。

共働き夫婦の2人分の公的年金

→ 日常生活費

老後に2000万円の確保(2人分の退職金)

→ 毎月5万円程度の娯楽費など

iDeCo/NISA

→ 60歳から400万円×5年分の生活費

30代からスタートしたり、毎月の積立額を増やすなど、もう少し上積みができれば、10年早いリタイアも夢ではありません。

「キャリアアップ」と「節約」の両立が鍵

投資と節約
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ただし、夫婦でダブルiDeCo、ダブルNISAを行うためには、家計の見直しが欠かせません。何せ、老後のために月11.2万円の積立をするわけですから、家計の抜本的見直しが必須です。

そこで「年収を増やす」チャレンジ「節約を徹底する」チャレンジを同時に行う必要があります。

まず、年収アップにはこだわってみましょう。貯蓄額を増やしたいなら、年収を増やすことが一番効果的なのに、なぜか優先順位を下げてしまいがちだから。

特に子どもが小学校になったなら、自分のキャリアアップにも少し時間を割いてみましょう。

時短を取っているならフルタイム勤務に戻し、チャンスがあれば社内での昇格も狙います。さらなるキャリアアップを目指して転職を考えてみるのもよいでしょう(ただし、転職後すぐは有休がないので、子育て中なら夫婦の協力は必須)。

また、積立額を増やすアプローチとしては、ボーナス併用するのもオススメ。毎月の負担を抑えつつ、年間での積立額を増やしたいなら、ボーナスの多くを資産形成に回せるとよいでしょう。

夫婦がそれぞれ、夏と冬のボーナスを12万円ずつ残しておくことができれば、月4万円相当の積立になります。これで、毎月の負担はぐっと軽くなります。ボーナスからたくさん貯めて、毎月の負担をラクにしてみてください。

もちろん日々の生活費はもちろん、子どもの将来の学費準備、住宅ローンの返済なども必要です。そのうえで早期リタイアを目指すなら、日々の家計のムダづかいをしぼりこんでいく必要があります。

特に家計の見直しについては、協力してムダを減らしていきましょう。

とはいえ削りすぎて人生が無味乾燥なものになってもいけないので、「楽しく使う、でもローコストにはこだわる」という姿勢を意識するといいでしょう。

60歳で辞められる自由を確保、できればもっと早く!

共働き夫婦、特に子育て中の場合、成功例としてもてはやされるような40代でのFIREは難しいと思っています。しかし、50代のなかば、あるいは60歳でスッパリとリタイアすることは不可能な夢ではありません。

どうしても、目の前の仕事やお金の心配ばかりが気になり、未来のことなんて考える余裕はない、という方が多いと思いますが、「iDeCoとNISAを夫婦でフル活用」することで、老後の安心、ひいては人より早いリタイアの道が開けてくるのです。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。

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